Stablecoinswapとは、スリッページなしでステーブルコインをスワップすることができるという注目のイーサリアムdApp(DEXです)。2019年9月24日現在サポートしているステーブルコインはDAI、USDC、TUSD、PAXの4種類です。※スリッページとは、注文した時点での価格と実際に約定された価格の差のことを指します。
※DAI、USDC、TUSD、PAXについては下の記事をご参照ください。
今回ご紹介するStablecoinswapはこのスリッページの発生をなくすというUniswapのようなDEXですね。簡単にその仕組みについて今回はご紹介します。
※Stablecoinswapの使い方(流動性提供方法、スワップ方法)については下の記事をご参照ください。
目次
Stablecoinswapとは
なぜスリッページの発生がないのか
簡単にいうとオラクルによる価格設定と流動性の確保(トークンを在庫)することで取引時のスリッページの発生を無くしています。逆にいうとオラクルの問題やトークンの流動性を十分に確保できない可能性などは考えられるのでこの点は注意が必要です。
それらの課題を解消しているという前提ですが、Stablecoinswapで注文すると即座に注文が履行されるという仕組みになっています。
※オラクルとは簡単にいうと、例えばアプリ外の情報をアプリ内に橋渡しをするシステムのことです。今回の場合だと、ステーブルコインの価格情報を複数の取引所を参照して適正価格を導き出す役割を担います。
誰が流動性を提供するのか?
流動性提供者は誰でもなることができます。上述した仕組みを可能にするためには十分な流動性が必要なので、多くのユーザーに流動性を提供してもらう必要があります。そのためのインセンティブとして流動性提供者にはStablecoinswapでスワップされるたびに取引手数料の一部を得ることができるようになっています。流動性提供方法はアプリ内でコントラクトに資金を預けることで可能になります。
現在(2019年9月23日時点)の取引手数料は0.3%に設定されています。この0.3%を流動性提供者とプラットフォームが獲得するということですね。
スリッページがないことのメリットとは?
スリッページの発生はDEX(分散型取引所)の問題点として捕らえられてきました。
DEXで大きな金額を取引する際にスリッページが発生すると、注文時よりも低い価格で約定されてしまう可能性があり、つまりは高い手数料を払って取引したことと同義になってしまう可能性があります。これにより中央集権型取引所よりもDEXの方が取引コストが高くなってしまうという問題を孕んでいました。しかしStablecoinswapのようなスリッページなしで取引できるDEXが出てくることで、0.3%というわずかな手数料で取引することが可能になるのです。
Uniswapとの違いは?
今回ご紹介したstablecoinswapは即時交換、スリッページなしという特徴を持ったDEXですが、これに似たようなDEXとしてUniswapが挙げられます。Uniswapも即時交換することができるインスタントDEX(ask,bitなどの板なしで固定レートで取引できるプロトコル)です。
この両者の大きな違いは、「流動性提供者のデポジットのあり方」にあります。Uniswapで流動性を提供する場合は、提供するトークンに加えてETHもデポジットしなければなりません。それに対してStablecoinswapでは流動性提供するトークンのみデポジットするだけです。メリットは預けているETHの価格変動を気にしなくても済むという点ですね。
またデポジットするコントラクトもオープンソースです。(Ethscanで検証されています※ENS: stablecoinswap.eth)→https://etherscan.io/address/stablecoinswap.eth
※2019年9月23日現在は約3.000ドルの資金が預けられています。その多くはDAIで約2,000ドル預けられていることを確認↓
Stablecoinswap詳細
Stablecoinswapウェブサイト:https://stablecoinswap.io/#/
公式Twitter:https://twitter.com/stableswapdex
ドキュメント:https://docs.stablecoinswap.io/