米ゲームストップ(GameStop、ティッカーシンボル:GME)がImmutable Xとの提携により、今年中にNFTマーケットプレイスを立ち上げる計画を明らかにしました。関連して、ゲーム開発者や開発スタジオへの助成金提供を目的に1億ドルのファンドを設立しました。
ゲーム業界のパラダイムシフトに備える
Immutable Xは、オーストラリアを拠点とするImmutable社が開発を進める、NFTのためのEthereumレイヤー2ソリューションです。ETH、ERC-20、ERC-721トークンのガス代ゼロの取引を、最大秒間9000トランザクション(TPS)で処理します。
GameStop社はImmutable X上でNFTマーケットプレイスを構築することで、「より速く、より安価で、カーボンニュートラルでほとんど無制限の取引が可能になる」と述べています。Immutable Xは、Immutable X上のNFTの作成・取引にかかる電力消費量に対するカーボンオフセットを約束しているからです。
GameStop社によると、Ethereumのガス代が高騰する中で、ゲーム内アイテムを作成する開発者にとって不自由な環境が生じていました。Immutable Xにより、開発者が高額な手数料なしにEthereumの膨大なユーザーベースにアクセス可能になる利点があります。
Immutable社の共同設立者Robbie Ferguson氏は、GameStopとの提携によりゲーム業界の次のパラダイムでポジションを確立したいと語っています。NFTのイノベーションはゲーム内アイテムをパーミッションレスに所有できること、ゲームに費やした時間や価値が実際の経済的価値に変換できることにあります。Immutable Xに構築されるGameStop NFTのマーケットプレイスは5,000万人以上のユーザー規模を許容できる計画で、ゲーム内資産(デジタル不動産、剣、スキンなど)を売買する巨大な経済圏に発展する可能性があります。
Immutable XのIMXトークン
Immutable XはイスラエルのStarkWare社が開発する『StarkEx』で構築されており、数十万件のトランザクションを集約してL2残高のみをEthereumブロックチェーン上に保存します。GameStopのユーザーのデジタル資産はより分散性の高いEthereumのセキュリティで保護されます。
2018年に設立されたImmutable社はこれまで合計77.4Mドルを調達しており、2021年9月に行われたCoinListでのトークンセールで1250万ドル強を調達しました。ImmutableXの採用を表明しているパートナーには、Gods Unchained、Guild of Guardians、Ember Sword、Playco、TikTok、Planet Quest、ESL Gaming、GreenPark Sports、Illuviumなどがあります。
ImmutableXのトークン(IMX)は時価総額7.18億ドルで市場115位となっています。ImmutableXでは、NFT取引に対して2%の手数料をIMXか購入時の通貨で徴収し、一部をステーキング報酬として配布する仕組みが組み込まれています。なお、報酬獲得にはガバナンス投票の参加やNFTの保有などの条件が設定されています。ガバナンスの対象には、トークン準備金の配分方法、開発者助成金の投票、デイリーリワードの有効化、トークン供給量の変更などが含まれます。