「ビットコインNFT」は、ビットコインブロックチェーン技術を利用して作成されるNFTを指します。
2023年の2月末に、ビットコインNFTコレクション「TwelveFold」のオークションを実施しました。その結果、わずか24時間で合計735BTCの売上を記録したことでも注目されています。
この記事では、ビットコインNFTの基本的な概念から、その特性、価値、さらにビットコインNFTの買い方の流れを解説します。さらに、ビットコインNFTの現状や課題、未来の可能性についても触れています。
ビットコインNFTがこれからどのように発展していくのか、またそれが我々のデジタルライフにどのような影響を及ぼすのか。未来のデジタルアセットの動向を予測する一助となるでしょう。ぜひ一読ください。
NFTとは何か?
ビットコインNFTの説明入る前に、簡単にNFTについて解説します。
NFTは、”Non-Fungible Token”の略で、直訳すると「非代替性トークン」となります。
「代替性」とは、一つと一つが完全に同じで、交換可能なものを指します。
例えば、1000円札は、全てが同じ価値を持ち、交換可能です。 一方で、「非代替性」とは、それぞれがユニークで、交換できないことを指します。あなたの署名入りの絵画や、あなたが撮影した一点ものの写真などが非代替性を持つアイテムと言えます。
NFTは、ブロックチェーン技術を用いて、この非代替性をデジタル空間に持ち込みました。
また、ブロックチェーンは分散型のデータベースで、情報を改ざん困難に保つ特性を持つ技術です。これにより、NFTはその所有権とユニークな特性を証明し、安全に取引することが可能になりました。
デジタルアセットとしてのNFTの特性と価値
前述した通り、NFTの特性は、その「非代替性」と「所有権の証明」にあります。
これにより、デジタルアート、音楽、ゲーム内アイテムなど、様々な形のデジタル資産をユニークなものとして所有し、その価値を保証することが可能になりました。
特にデジタルアートの分野では、作家の名前、作品の作成日、所有者の歴史などの情報を永続的に関連付けて証明できるため、真正性や希少性を保証することができます。
また、NFTはデジタル資産の流通を容易にするというメリットもあります。
ブロックチェーンを介して世界中のどこからでも取引することが可能で、取引記録も透明で不変的に保存されるため、安心して取引を行うことができます。
ビットコインNFT(Inscriptions)とは?
ビットコインNFT(別名「Inscriptions(碑文)」)とは、その名の通り、ビットコインブロックチェーン上に保存されるNFTです。
ビットコインの最小単位であるサトシに一意の番号(序数)を刻印することで作成されます。この刻印して、ビットコインNFT(Inscriptions)を作成するプロジェクトを「Ordinals(序数)」と呼びます。
ビットコインNFTは、ビットコインブロックチェーンがこれまでの数年間で行ったいくつかのアップグレード、特にSegWit(2017年)、Taproot(2021年)によって作成可能になりました。
これらのアップデートは、ビットコインNFTを作成するために行われたわけではありませんが、各アップデートがブロック内に保存できる任意データの量を増やしたため、結果としてビットコインNFTが誕生しました。
ビットコインNFTの特徴
ビットコインNFTの大きな特徴はフルオンチェーンであるという点です。
これに対して、イーサリアムのNFTは、ほとんど(例外はありますが)オフチェーンで管理されています。
ビットコインNFTはフルオンチェーンで、全てのデータがブロックチェーン上に存在するため、ビットコインが存在する限り、永久にアクセス可能であり、データの永続性が保証されています。
また、フルオンチェーンでNFTを発行する場合、ビットコインNFTで発行するコストは、イーサリアムNFTの100分の1ほどと言われており、低コストでフルオンチェーンNFTの発行ができる点も特徴です。
ビットコインNFTの買い方の流れ
ビットコインNFTの買い方の大まかな流れを解説します。
長くなってしまうため、ここでは詳細は解説しません。興味ある方は調べて挑戦してみてください。
その際は、DYORで行いましょう。
①Ordinals対応のウォレットの作成
ビットコインNFTの購入資金や保管するための、Ordinals対応ウォレットを作成しましょう。
Ordinals対応ウォレットは、Ordinals WalletやXverse Walletなど、いくつかあります。
比較的有名なOrdinals Walletのリンクを貼っておきます。
Ordinals Wallet:https://ordinalswallet.com/
②Ordinals対応ウォレットにビットコインを送金
ビットコインNFTの購入の際に支払うビットコインを作成したOrdinals対応ウォレットに送金しましょう。
この際、Ordinals対応ウォレットに対応している取引所を利用する必要があります。
具体的には、国内取引所だとGMOコイン、海外取引所だとBybitが対応しています。
③通常のNFT同様、マーケットプレイスで購入
通常のマーケットプレイスと同様に、ウォレットを接続し購入できます。
ビットコインNFTが販売されているマーケットプレイスは以下があります。
ビットコインNFTプロジェクトの台頭
ビットコインNFTは、新しい技術であり、現在もまだまだ認知度もまだまだ低いです。しかし今後、様々なビットコインNFTを使用したプロジェクトが増えていくでしょう。
例えば最近では、世界でも有数の日本発NFTプロジェクト「CryptoNinja」がビットコインNFTへの進出を発表しました。
参考URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000121518.html
これからのビットコインNFTの展開に注目していきたいところです。
ビットコインNFTの課題と未来
ビットコインNFTの課題
関係者間で高値取引を実施し、商品の価格を不適切に高騰させる行為が横行しています。
このような行為は、市場の公正性を傷つけ、真の価格を見えにくくしてしまいます。
イーサリアムNFTでも同様の問題が指摘されていますが、ビットコインNFTは特に多いように感じます。
また、ビットコインNFTの操作は、NFTや仮想通貨に慣れていない初心者とっては複雑であり、ハードルが高いと言えます。
より多くの人々が安心してビットコインNFTを利用できるようにするには、規制策の導入や直感的で理解しやすいユーザーインターフェースを持つツールが必要になるでしょう。
ビットコインNFTの可能性
ビットコインNFTは、時価総額トップであるビットコインブロックチェーン構築されており、さらにフルオンチェーンという特性があるため、期待感が高まっているのは間違いないでしょう。
しかし、ビットコインNFTの新規性から、まだ専用のNFT市場は存在せず、ロイヤルティ構造もまだ開発中であり、他の既存のブロックチェーンに一歩リードを与えています。
逆に今後、これらの課題を解決し成熟していくことで、さらに成長できる余地があると言えるでしょう。
【まとめ】ビットコインNFT
本記事では、ビットコインNFTの基本的な概念から、買い方の流れ、現状や課題、未来の可能性などについて解説しました。
ビットコインNFTは、フルオンチェーンという特性を持ち、ブロックチェーン技術の発展と共に新たな可能性を秘めています。
その一方で、操作の複雑さや価格操作など、まだ解決すべき課題も残されています。しかし、それらの課題を乗り越えれば、さらなる発展と広がりが期待できるでしょう。
NFTは私たちの生活にますます深く関わってくるでしょう。この記事を通じて、その最先端を理解し、その動向を追うことができれば幸いです。
これからもNFTの動きに注目し、一緒にその未来を見つめていきましょう。