Mimblewimbleベースの暗号通貨プロジェクト(Beam、Grin)来年1月にメインネット開設

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プライバシーとスケーラビリティ向上のために設計されたMimblewimbleプロトコルを実装した2つの暗号通貨プロジェクト(Beam、Grin)が来年1月にメインネット開設予定であると発表されました。匿名通貨は数多くありますが、匿名性に加えてスケーラビリティを向上させているという点がMimblewimbleプロトコルの重要なポイントです。

Beamは今年の末ごろにメインネット開設の予定でしたが、1月3日に予定延長され、Grinは1月15日にメインネット開設を予定しています。

Beamはプライバシー志向の暗号通貨、つまり匿名通貨として開発されていますが、競合する匿名通貨Zcashと同じようにカスタマイズ可能な匿名通貨として開発されていく予定です。カスタマイズ可能であることにより、ユーザーが税務報告の際に必要な条件を満たせるようにプライバシーレベルを設定する機能を設けていくようです。さらに将来的にはライトイングネットワーク導入も予定しており、導入されるとよりスケーラビリティが向上し匿名通貨の中では別格の存在になるかもしれません。

Grinも同じようにMimblewimbleプロトコルを実装した匿名通貨ですが、Founder reward(運営側に利益が分配される)がないという点が特に注目されています。ビットコインと同じようにボランティアで開発が進んでおり、開発者への資金は寄付で賄われています。

Mimblewimbleプロトコルとは

Mimblewimbleは、Tom Elvis Jedusorというニックネームの何者かによって2016年7月に提唱されました。Tom Elvis Jedusorとはハリーポッターに出てくるヴァルデモート卿のフランス語版の名前であり、ハリーポッターを読んだり、鑑賞したりしたことのある人ならお気づきかもしれませんが、Mimblewimble(むにゃむにゃ)とは秘密を漏らすことを防ぐ沈黙呪文のことです。後述しますが、Mimblewimbleの匿名化は技術を足すことで成り立っているわけではなく、情報を減らすことで成り立っています。つまりそもそも個人の秘密を他人に漏らさずにP2Pを成立させた仕組みなのです。

Mimblewimbleプロトコルの特徴はプライバシーとスケーラビリティの2点に大別されます。要はコインの保有量、送信、受信履歴を匿名化しつつ、既存の匿名通貨にはなかったスケーラビリティの高さを満たしているということです。

このMimblewimbleの面白いところはウォレットアドレスが存在しないというところや送金量情報がノードへ送られないというところです。Zcashのzk-snarkやMoneroのリング署名の場合はトランザクションを技術的に暗号化・隠蔽させることで匿名化させているのですが、Mimblewimbleの場合はそもそもアドレスや取引量の情報を含んでいないのでデフォルトで匿名性を確保しているのです。

また、この情報を含まないことが結果としてブロックサイズの縮小にも繋がり、スケーラビリティの向上につながっています。他の匿名通貨とは異なり、技術を足すのではなく、むしろ情報引くことによって匿名性とスケーラビリティを向上させているというスマートな解決方法を提案するMimblewimbleプロトコルの今後には要注目です。