PancakeSwapは現在、CoinMarketCapで取引高3位のDEX(分散型取引所)です。大手取引所BinanceのBSC(バイナンススマートチェーン)上で動作しており、コストの低さとスピードの速さから注目を集めています。今回の記事ではPancakeSwapの概要と、始め方についてご紹介します。
PancakeSwapとは
PancakeSwapは、BSC(バイナンススマートチェーン)ベースのDEX(分散型取引所)です。BSCはBinanceに依存するため、CeDeFi(中央集権型の分散型金融)とも言われます。
下記の画像をご覧ください。通貨ペアによっては年利560%なども見込めることになっています(ただし利率が高い分だけリスクも高くなります)。
PancakeSwapでできることは主に2つです。
- BEP-20トークンの交換(Swap)
- 仮想通貨を預けて利息をもらう(Liquidity/Staking)
トークンのスワップ機能の操作感はUniswapとほぼ変わりません。
流動性プールに流動性を提供することでCAKEをもらい、そのCAKEを複利運用できます。
それではPancakeSwapの始め方を見ていきましょう。
PancakeSwapを始めるのに必要な道具をそろえよう
PancakeSwapを始める為に、必要なものをそろえましょう。
- 国内取引所口座(Coincheckなど)
- Binance口座
- Metamask(BSC対応)
国内取引所とBinanceの口座をお持ちの方が多いと思いますが、まだの方は口座の開設をお願いします。
国内取引所は開設に数日かかる場合があるので、事前に準備しておくことをおすすめします。
それでは国内取引所とBinance口座の開設がしてあると仮定して、MetamaskをBSC(バイナンススマートチェーン)に対応させます。
1-1. Metamaskを準備
MetamaskはGoogle Chromeの拡張機能で利用できるウォレットです。まだMetamaskをもっていない方はこちらの記事を参考にウォレットを作成してください。
MetaMask/メタマスクの導入(Google Chrome)
1-2. MetamaskをBSCに対応させる
Metamaskの初期設定は「Ethereumメインネットワーク」だと思います。そこをクリックします。
次に「カスタムURL」をクリックして開きます。
そして赤枠で囲った部分に、下記の通りパラメーターを書き込みます。
パラメーター
- Network Name:Smart Chain
- NewRPCURL:https : //bsc-dataseed.binance.org/
- ChainID:56
- 通貨記号(オプション):BNB
- ブロックエクスプローラーのURL(オプション):https : //bscscan.com
最後に「ネットワークを追加」をクリックすれば完了です。
これであなたのMetamaskもBSC対応になりました。
詳しくは下記の記事でも解説していますのでご覧ください。
Binance Smart Chain(BSC)のウォレット準備、仮想通貨の変換方法を解説
次にPancakeSwapを始める手順を見ていきましょう。
PancakeSwapの始め方
PancakeSwapを始めるには大きくまとめると下記の7つの手順が必要です。
ちょっと多いですが、一緒に頑張っていきましょう。
- 国内取引所からBinanceにBTCを送金
- BinanceでBTCをBNBに交換
- BinanceからMetamaskにBNBを送金
- MetamaskをPancakeSwapに接続
- PancakeSwapでBNBを他のトークンに交換
- 2つの通貨ペアで流動性供給を開始
- 手に入れたCAKEを複利で運用
1.国内取引所からBinanceにBTCを送金
国内取引所からBTCをBinanceに送金します。
Binanceの「ウォレット」→「フィアットと現物」→「BTC」→「入金」と進めていくと、BTCの入金アドレスが表示されます。
ネットワークが「BTC」なのを確認して、アドレスをコピーして国内取引所から入金します。
(ここでネットワークを間違えると資産を失ってしまい、2度と取り戻せません。必ず小額でテストしてから、送るようにしましょう)
2.BinanceでBTCをBNBに交換
BinanceでBTCの受け取りを確認できたら、次のステップです。
Binanceの「トレード」→「コンバート」とクリックすると、下記のような画面に入るので「振替元→BTC」「振替先→BNB」として交換します。
3. BinanceからMetamaskにBNBを送金
BinanceからMetamaskにBNBを送金する際に手順は2通りあります。
バイナンスからBEP20を指定して送金
BinanceBridgeで変換
今回はBinanceでBNBを購入しているので、「バイナンスからBEP20を指定して送金」を活用します。
Binanceの「ウォレット」→「フィアットと現物」→「BNB」→「出金」と進めると、下記のページが表示されます。
一番上の「受取人のBNBアドレス」のところに、先ほど設定したBSCのMetamaskのアドレスを入力します。
そして、ここが重要なのですが、「ネットワーク」を「バイナンススマートチェーン」に設定する必要があります。
間違えると資金を失ってしまう可能性があるので、ご注意ください。
Metamaskに送金したBNBが入っていることを確認したら完了です。
お疲れさまでした。ここからPancakeSwapの実際の使い方に入ります。
4. MetamaskをPancakeSwapに接続
4-1. PancakeSwapのサイトに入る
4-2. PancakeSwapの右上の”Connect”をクリック
4-3. Metamaskを選択(MetamaskはBSCネットワークにします)
接続したいアカウントを選択して、PancakeSwapにMetamaskが接続できました。続いて先ほどMetamaskに移したBNBを他の通貨に交換します。
5.PancakeSwapでBNBを他のトークンに交換
5-1. 画面左の”Trade”→”Exchange”をクリックします
5-2. 下記の画面になるので、交換したい通貨を選択します
今回は所有しているBNBのうち、およそ半分をBUSDに交換します。(BNBは今後も手数料で必要となるため、50%全てを交換しないように気をつけましょう)
BNBの数量を決めると、自動的にBUSDの数量が決まりました。数量を確認して”Swap”をクリックします。次に”Confirm”→Metamaskで「確認」をクリックと進めていきます。
これでBNB/BUSDのペアができました。次に流動性供給に進みます。
6.BNB/BUSDの通貨ペアで流動性を供給
先ほど交換したBNB/BUSDをペアで流動性供給しましょう。
6-1. ”Trade”→”Liquidity”をクリック
6-2. “Add Liquidity”をクリックします
6-3. BNB/BUSDの数量を選択して”Supply”をクリック
BNBの数量を指定すると、自動的にBUSDの数量も決まります。
内容に問題なければ”Supply”をクリックしましょう。
PancakeSwap内で初めて使うトークンの場合、”Approve”作業が必要です。最初だけなので、”Approve”をクリックして使えるようにします。
ここでBNB/BUSDのペアを供給したと証明するLPトークンを手に入れました。次にこのLPトークンをステーキングすることで、CAKEを獲得できるようにします。
6-4. ”Farms”をクリックします
6-5. ペアの中からBNB/BUSDを探し出し、”Approve Contract”をクリックします
6-6. “Stake LP”をクリックして、数量を選択して”Confirm”
これでようやくPancakeSwapの一連の流れが完了しました。
PancakeSwapは時間がたつごとにCAKEの数が増えていくので、見ているだけでも楽しい気持ちになります。
ここで「手に入れたCAKEをどうすればいいのか?」とお思いの方もいるのではないでしょうか。1CAKE=1300円ほどです。
今回は手に入れたCAKEをさらに運用して増やす方法をご紹介します。
7.手に入れたCAKEを複利で運用
7-1. ある程度たまったCAKEを”Harvest”します
流動性供給をして、ある程度のCAKEがたまったら”Harvest”をクリック。”Harvest”は英語で「収穫」を意味します。
7-2. 画面左の”Pools”をクリックします
7-3. “Cake pool”を選択し、”Unlock Wallet”をクリックします
7-4. 「+」マークが出てきたらクリック
7-5. 預けるCAKEの数量を選択して、”Confirm”します
お疲れ様です。これで流動性供給をして収穫したCAKEをPoolに預けることができました。
あとはトップページで自動的にCAKEが増えていくのを確認できます。
PancakeSwapのリスクは?
PancakeSwapの使い方を見てきましたが、リスクが全くないわけではありません。
主に下記のようなリスクがあります。
- 送金ミスで資金を失ってしまう
- Binanceが規制される
- インパーマネントロス
送金ミスで資金を失ってしまう
「送金する際にアドレスを間違えてしまう」「ネットワークを間違えてしまう」のは上級者でもついついやってしまうミスです。
手数料が余計にかかってしまいますが、資金をまとめて失うリスクを抑えるためにもやはり小額で実験する必要があります。
Binanceが規制される
冒頭にも書いた通りBSC(バイナンススマートチェーン)は実質Binanceによって管理されています。そのため、Binanceが政府に規制された場合はBSCも影響が出る可能性があります。
インパーマネントロス
この言葉は聞き慣れないかもしれません。
ざっくりまとめると「トークンの価格変動が大きくなった時に、預けた資産のが減ってしまう」可能性があることです。
詳しくはBinanceAcademyのこちらの記事を参考にしてください。
まとめ
ここまで長い道のりお疲れ様でした。
改めて手順をまとめると以下のようになります。
- MetamaskをBSCに対応させる
- 国内取引所からBinanceにBTCを送金
- BinanceでBTCをBNBに交換
- BinanceからMetamaskにBNBを送金
- MetamaskをPancakeSwapに接続
- PancakeSwapでBNBを他のトークンに交換
- 2つの通貨をペアにして流動性を供給
- 手に入れたCAKEを複利で運用
PancakeSwapは一度流動性供給を始めると、少しずつCAKEトークンがたまっていく楽しさがあると思います。金利が高い一方で、Binanceの規制や、インパーマネントロスなどのリスクがあるのも事実です。
あくまでも投資は自己責任で、余剰資金で投資をしてください。