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「DeFi市場最大のバイバック」Fei protocolのバージョンアップの要点まとめ

ステーブルコインFei protocolのバージョンアップが12月15日に予定されています。メカニズムが改良され、TRIBEトークンと関連したインセンティブが追加される形となるので整理しておきましょう。

Fei protocolとは

FeiFEIはイーサリアム(ETH)との売買で発行量が調整されるステーブルコインです。FEIが目標価格1ドルを上回ると発行コストにペナルティ(ex. -4%)が加わり、反対に1ドルを下回るとプレミアム(ex. +2%)が付きます。Uniswapなど指定DEXでの取引で適応され、FEI購入・売却のインセンティブとなります。

FEI購入に使用されたETHは「PCV(Protocol Controlled Value)」と呼ばれるプログラムに投下されます。この資金はBalancerプールで収益を得ます。さらにFEI下落時にはETHを使ってFEIを買取ることで価格安定化(リウェイト)を図ります。

FEIは2021年春にローンチして、現在は6.35億FEIが発行されており、PCVに資産価値は11億ドル相当に上っています。これは主にイーサリアムの価値上昇によるものです。

Fei v2とは?

Fei v2は、FEIの安定性、効率、およびスケーラビリティを劇的に改善するアップグレードとされています。ポイントは以下3点です。

①1:1の換金性

FEIがPCVリザーブに直接売却可能になり、MEVや手間・不当なスプレッドの課題を解消します。プロトコルはスプレッド0.50%までの間で100%のリザーブ比率を目標とし、堅牢なペグを実現します。

②PCVマネジメント導入プロセス

PCVに預けられた資産が「Balancerv2 インベストメントプール」で動的に管理されます(2022Q1~)。PCVには6資産がありますが、資産の組み合わせは市場リスク、流動性、および利回りに基づいて安定的にリウェイトされます。同時にBalancerプールの手数料収入も得られます。

③TRIBEのユーティリティ追加(バイバック・バックストップ)

これまでガバナンス機能に限定されていたTRIBEトークンにユーティリティが加わります。まず、PCV運用の収益がバイバックやステーキング報酬の形で還元されます。その一方でFEI下落時のバックストップとして使用されるリスクを負担します。買い戻されたTRIBEは管理レシオに沿って「バーニング・DAOトレジャー・ステーク報酬」に回されます。

バイバックの早期リリース

v2リリースに先立って、TRIBEのバイバック試験プログラムが先週金曜日に開始されました。TRIBEホルダーの投票により、PCV資産(当時8.4億ドル)の20%(1.7億ドル)が、初年度のバイバックに割り当てられています。

PCVには現在、主にETHで11億ドル相当ありますが、FEIの債務はわずか2.72億ドルです。バックストップとなるTRIBEの市場価値は5億ドル(希釈後で11億ドル)と過小評価されているとも示唆されています。

Fei v2はプロトコルの完全な分散化につながる重要なイベントです。Fei v2はv1と比較してはるかに高い資本効率と高利回りを狙っています。Feiチームは、Aave、Compound、Rari Capital、Lido、Index Coopなどとのパートナーシップの下でユースケースを強化し、将来的にLiquidity as a Service(LaaS)などの新しいユースケースを構築すると述べています。

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