今回はDeFiレンディングプロトコルであるCompond V2から導入されたcトークン(cDAIやcETHなど)についてご案内します。
Compoundについては下の記事をご参照ください。
Compoundではコントラクトに対してトークンを貸し出することで金利を得ることができます。この仕組みを提供するためにCompound V1では単一のスマートコントラクトで処理していたのに対してV2へアップグレード後はCompoundの各トークンに対して「アセットゲートウェイ」と呼ばれる独自のコントラクトが設けられました。
この仕組みより、Compoundにトークンを預けると「貸出または供給バランスと発生した金利」を表すcトークン(ERC20規格に準拠)を引き換えに得ることができるようになりました。
ETH→DAI→cDAIにする方法
cDAIをHB Wallet内で入手する方法(ETH→DAI→cDAI)についての動画をHB Walletからシェアしていただきました。下の動画を参考にぜひ使い方を覚えてDeFiプロトコルを利用してみてください。
cトークンは金利に比例して価値が増加する
cトークンはどのように機能するのかという点について説明します。V1の時にはトークンを貸出して獲得した金利はCompoundのアカウント残高に反映されるのみでした。
しかし、V2では例えばDAIをCompoundに貸し出すと、代わりにcDAIを受け取る事になります。このcDAIは最初に「1DAIにつき50cDAI/1cDAI=0.02DAI」という為替レートから始まり、マーケットで金利が発生するにつれてcDAIの価値が高まるようになっています。現在のcDAIの価格はコチラでご確認ください。
つまり金利が高まるにつれて、もともと預け入れていたDAIと引き換えるのに必要なcDAIの量が少なくなっていくので、cトークンは「金利に比例して価値が増加していく」仕組みであるという事です。
cトークンは何を可能にしたのか?
cトークンはそれをERC20トークンとして設計した事により、Compoundにロックされたままであった全ての資産をイーサリアムエコシステム内で自由に移動させることを可能にし、その結果として他の目的に利用することが可能となりました。
例えばcDAIを安全なコールドストレージに移転させて保管した状態でも金利収入を得るということが可能になります。またcDAIの取引、送信などの機能は他のERC20トークン同様に可能です。
この仕組みを応用することで、トークンをロックできるプロトコルであれば他のプロトコルに統合してcトークンを受け入れることも選択可能となり、ユーザーはプロトコルがすでに提供している利点を享受するだけでなく、金利を得るということも可能になるのです。
DEXであるUniswapでは「DAI to cDAI流動性プール」を提供しており、ユーザー(またはスマートコントラクト)はDAIをcDAIにスワップして、Compoundの金利ベースの為替レートを利用することが可能です。