Optimistic Rollupsが注目される理由:Arbitrumがメインネットを公開

Arbitrum DeFiインフラ&開発ツール

イーサリアムのレイヤ2スケーリングソリューションであるArbitrumが、5月28日にメインネットを(開発者向けに)ローンチします。ArbitrumはOptimistic Rollups(ORs)を採用するため、分散型取引所Uniswapも関心を寄せています。今回はOptimistic RollupsとArbitrumについてご紹介します。

Optimistic Rollupsと他のレイヤ2ソリューション

Optimistic Rollupsはイーサリアムのスマートコントラクト内の取引をオフチェーンに集約(アグリゲート)するもので、ブロックチェーンのスループットを現在の15tpsから1,000tps強に向上でき、手数料や混雑を軽減します。レイヤ2スケーリングソリューションの中でも、Optimistic Rollupはスマートコントラクトを大規模にスケールする上で現段階で最良のトレードオフと言われています。

Arbitrum

サイドチェーン(PolygonやxDaiなど)はネットワークを維持するバリデーターを信頼する必要があることから、数十億ドル規模の資金を預けるにはセキュリティの脆弱性が懸念されます。ZKrollups(Loopringなど)は性能面で有力視されていますが、開発者にとってコードを微調整する必要があります。そしてPlasmaやState Chanelsはスマコンとの互換性がないため、DeFi用途としては除外されます。

一方、Optimistic Rollupの中でもArbitrumの大きなセールスポイントは「開発者がコードを1行も変更する必要がないこと」とMCDEXやMakerFoundationのMariano Conti氏は語っています。

Optimistic Rollupsのしくみ

Optimistic(楽観的)は「正常な運営を前提に、アグリゲータは必要最低限の情報のみを公開し、不正があった場合にのみ証明を提供する」に由来し、Rollups(巻き上げる)は「トランザクションが束になってメインチェーンにコミットされること」に由来しています。

optimistic-rollups

Optimistic Rollups上で取引される資金はイーサリアムのスマートコントラクトに格納され、アグリゲーターがオフチェーン上のステート・ルート(状態遷移)を計算し、最終的にイーサリアムのブロック上に取り込みます。

この際、誰でも無効なステート・ルートを検出でき、アグリゲーターを指摘して報酬を請求するインセンティブが機能します。fraudが確定すると、レイヤー2のチェーンをロールバックして、不正行為を行っていない直前のブロックから再開します。

なお、ArbitrumはChainlinkとパートナーシップを結んでおり、ChainlinkのオラクルネットワークのノードがArbitrumのアグリゲーターを務めます。

Arbitrumのローンチ

5月28日のArbitumのローンチ後、まずはホワイトリスト登録済みのアプリケーションからメインネットでデプロイすることができます。BancorなどのDeFiプロジェクトは、すでにArbitrumのテストネットにコントラクトをデプロイしています。SushiswapもArbitrumにデプロイする準備をしているとのことです。

Arbitrumはガバナンストークンを発表していませんが、VCから資金調達を受けているため、収益化のためにいずれ発行するものと予想されています。

UniswapはArbitrumへのデプロイに向けた投票を進めていますが、一方でOptimistic Rollupsを採用する別のソリューションであるOptimismの検討も継続しています。今後はOptimistic Rollups間の競争が激化する可能性があります。