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DeFi

Solidly(Solidswap)のトークンリリースが迫る!現状のDEXの課題を克服するve(3,3)モデルとは?

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Andre Cronjeによって作成されたve(3,3)モデルを採用する新しいAMM DEX「Solidly(Solidswap)」が2月10日にFantomでローンチしました。Solidswapのネイティブトークンは現在取引されていないことに注意してください、プロトコルローンチから2週間後にトークン($SOLIDか$LOCKと予想されているが、名称は未公開)配布が開始されます。

AMMDEXとしてのSolidlyの基本概要

  • Uniswap v2型のインターフェース
  • 新曲線x3y+y3x採用、ゼロスリッページに近い取引環境
  • ステーブルコイン等相関性の高い資産間のスワップ
  • その他DeFiトークン同士のスワップ
  • 手数料:0.01%(プール資産で受け渡し)
  • ゲージ&ブライブ・委任機能
  • サードパーティトークンのインセンティブを追加可能

コンセプト

Solidlyの特徴は流動性ではなく手数料を重視していること、そのために手数料収入の大きいプールにより多くのトークン報酬が配分される仕組みになっています。Solidlyの基本原理は以下のように単純化できます。 トークン報酬がプールの流動性を高める→流動性が大きいプールのレートが向上する→取引量が増加して手数料が大きくなる

投票ルール

この仕組みを機能させるために、Solidlyは参加者の最適行動を促す投票&ゲージ機能を実装しています。ここでのポイントは2つです。
  • 各プールの「トークン報酬」は、「veNFT保有者」の毎週の投票で決まる。
  • 各プールの「手数料報酬」は該当プールに投票したveNFTホルダーにのみ分配される。
より多くのプロトコルが参加し、賄賂が機能することでゲームが複雑化されます。

2つのトークン

  1. 排出によるインセンティブに使用されるベーストークン(名称未定)
  2. veNFT;ベーストークンを投票用エスクローコントラクトに預け、1週間~4年ロックすることで取得できます。転送可能なため、ロックした価値を流通市場で取引したり、レンディング市場で担保資産にすることも可能です。

ve(3,3)争奪戦

Solidlyのトークン(名称未定)は当初、毎週2,000,000枚が加重投票により各プールに分配されます。投票が必要になるので、ローンチ前に初期割り当てを行う必要があり、defillamaでFantomエコシステムのTVLスナップショットの取得時にTOP25のプロジェクトに合計200万枚 のveNFTが配布されました。この決定により先月veNFT争奪戦が勃発しました。

トークンの価値

veNFTを受け取ったプロジェクトは、受け取ったプロトコルトークン(全体の25%)を永続的にロックしています。ve(3,3) をロックするとエミッションに比例して持ち株を増やすため、発行量に対する一定のシェアを維持し続けます。Solidlyでは、バイバックなどを行わずに各プールの手数料を発生した資産でダイレクトに受け渡します。これによりve(3,3)は稀釈化されず、売却により価値が失われにくい設計となっています。

Solidlyはサードパーティプロジェクトにメリットがある

今日、OlympusProに代表されるプロジェクトが流動性を保有する流れ(PoC: Protocol Owned Liquidity)が主流になってきています。Solidlyは従来のAMMをPoC仕様に修正したものと言えます。 Solidlyの想定する最初のユーザーはトークンを発行するプロジェクト全般です。既存のAMMプロジェクトに競合しないモデルを追及しており、彼らにとってもLPにインセンティブを設けるだけでなく手数料を得ることができる点でSolidlyを利用するメリットがあります。 Solidlyが上手くワークするとFantome上の新規プロジェクトの立ち上げが容易になり、プロトコルのトレジャリーはより強固になり、競争力が向上する可能性があります。そして、veNFTホルダーにとって賄賂はSolidlyにおける戦略リソースとなり、CurveWarsのような追加の経済圏を生み出す可能性があります。既に今後の『SolidlyWars』を攻略しようとするプロジェクトがFantom上に立ち上がっています。この辺りについては別の記事でご紹介します。

リソース

Medium 公式サイト