今回は現在話題沸騰中のステーブルコインでもかなり異質な存在であるAMPLについて解説していきたいと思います。
AMPL特徴
AMPLとは簡単に説明すると「需給によって供給量が調節されるコイン」となっております。これがかなり異質で基本的に価格が1ドルになるように調整されるのです。まるででステーブルコインのようですね。
他のステーブルコインと比較してみましょう。
例えばUSDC,USDT,BUSD等は現金資産や債権等を担保に1ドルペグしているステーブルコインとなっております。
USTやUSDDに関してはガバナンストークンを担保にアービトラージに似たシステムを利用して価格を維持するシステムです。
Amplのシステム
例えばBTCを始めとする仮想通貨は供給量というのが固定されており需給により市場が反応します。つまり人気出れば価格は上がるし下がれば然りです。勿論インフレトークンのような例外的なのもありますが基本的にはこの通りとなります。
しかしAMPLは需要が高まりデペグした場合は供給量を増やし希釈することによって対応します。逆に需要が減少した場合は供給量を減らすことによって対応します。これらの一連の流れはスマートコントラクトによって自動執行されます。
Rebase(リベース)
AMPLの最も特徴的な点は供給量が増える際にAMPL所有者の保有してるAMPLの枚数も増えていくという点です。
これはRebaseと言われ日本時間の11時に毎日行われます。これは自分のウォレットのAMPLが調整時の価格を基に増減します。
これが供給を増やしたり減らしたりしても全体の割合で見ると自分が保有するAMPLの割合が変わらないということになります。
AMPLの思想
AMPLはビットコインとの連動から外れるというのが根底にあります。
基本的に仮想通貨と言うのはビットコイン、そしてイーサリアムを中心にある程度連動して動いております。
EVM互換のネイティブトークンやDappのガバナンストークン、全く別セクターである通貨さえも連動して上げたり下げたりしてしまいます。
供給量と需給によって価格の維持がされるシステムはかなり異質であります。
無価値となってしまった他のステーブルコインと比較してみても例を見ない存在と言えます。
AMPLの価格推移
AMPLのチャートを見てみるとDefiバブルである2020年7月辺りに最も高価格を推移しその後は基本的に0.6ドルから1.6ドルあたりをレンジ推移しておりRebaseも考慮すると概ね順調に推移してると見ていいでしょう。
投資家目線でのAMPL
システムを理解したところで現実的に投資家から見てAMPLはどうだったのでしょう。
AMPLはシステム的に価格が高ければ高いほど自分の保有量が増えるロジックになります。
1ドル以上なら枚数はプラスrebase1ドル以下ならマイナスリベースとなります。
特に市況が良いときなどの価格推移を見ると顕著ですが1ドルを上回っている限りは通貨を保有していていい状況になるのでするとどんどん保有者が増えていきます。
長期的にどうなるか
AMPLは運営が想定しているロードマップとして長期的に見て需要の増加による供給量増加の機会の方が需要の減少による供給量減少のショックの機会より多く激しいと言うことになります。
これによって長期ホルダーの視点から見た場合リベースによって枚数が増えるわけなのでドル建てで視た場合の資産は増えていることになります。
AMPLのその先の展望
AMPLのロードマップとして3つの大きなプロダクトが存在してます。
- Decentralized Lending
- Decentralized Derivatives
- Wrapped AMPL is Coming
Decentralized Lending
1つ目としては分散型のレンディングプロトコルです。
通常であれば借りたお金を運用し収益を上げ、その差額をアービトラージするようなビジネスモデルとなります。
問題なのはローン契約がBTC,ETHを始めとするボラティリティの高い通貨となった場合貸し手はともかく借り手はその価格変動性を考えなくてはいけなくなります。
高いボラティリティを持つ価格変動通貨はローンでのリスクが高く、場合によっては清算されて損失を被る場合もあります。
現在実施されている分散型の貸付プラットフォームでの大部分がステーブルコインとなっています。
AMPLではこの依存関係を排除しようというのが目標となっています。
Decentralized Derivatives
デリバティブというのは価値が原資産に依存する特別な種類の金融となっています。
オンチェーンデリバティブを可能にするためにAMPLを使用します。これにより基礎になるAMPLより基礎になるAMPLよりも変動率の低いシニアデリバティブトークンとオラクルリスクを追加することなくジュニアデリバティブトークンを手にすることができます。
Wrapped AMPL
リベーストークンはその仕組的にCEXで管理するのが非常に困難となっています。
これを対処するためにオープンソースラッパーを開発しました。
これにより統合が非常に簡単かつシンプルにできるようになりました。
wrapped AMPLはWETH(wrapped Ethereum)の様にAMPLにペグしたトークンとなっています。
これの用途としてはブリッジやリーティングに使用され保管などバックグラウンドでの使用が想定されています。
まとめ
今回はAMPLについて解説しました。
仮想通貨の全体的な需給の指標としても一部では扱われ、成功している異質なステーブルプロダクトとしてのAMPLが今後どういう立ち位置になっていくのか今後も目が離せませんね!