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DeFi

Fantom経済圏で拡大するTomb Financeの重要性とは?マルチトークンモデルについて解説

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Tomb Financeは、Fantom($FTM)にペグされたアルゴリズムトークンです。$FTMはバリデータノードにロックされて枯渇していく可能性があるため、$FTMと1;1で交換可能な$TOMBが流動性をユーザに提供することで、ネットワーク内の交換手段の役割を果たすことを目指しています。DeFiLhamaにはまだリストされていませんが、Tomb FinanceのTVL7.39億ドルはYearn Financeに次ぐ4番目の規模となっています。

マルチトークンモデルのシニョリッジ

TOMB 3 tokens$TOMBはシニョリッジにより1FTMの価格にペグされています。通常、シニョリッジモデルのステーブルコインは通常、2つか3つのトークンを使います。第1トークンはターゲット価格にペグされ、残りのトークンは第1トークンのレートがペグレートから乖離した時に、需要を調節するためのインセンティブとなります。

Tomb Financeモデルは、$TOMB、$TSHARE、$TBONDの3つのトークンを持つマルチトークンモデルです。残り2つのトークンは、ステーブルコイン$TOMBの供給を調整し、$FTMの価格に対してペグを図るのに役立ちます。順番に見ていきましょう。

ステーキング

Tomb Financeの目標は、FTMに1対1でペグされたトークン($TOMB)を作成し、流動性を高めることです。将来的にクロスチェーン展開やFTMPadといったユースケースも想定されています。しかし、現在は$TOMBの拡張フェーズにあるため、$TOMBの保有者は、インフレを緩和するために$TOMBトークンをステーキングするように促されます。

現時点でTOMBトークンを流動性プール(TOMB-FTM-LP)にステークすると100%のAPYが得られています。ステーキング報酬は$TSHAREで支払われます。$TSHAREはエコシステム内でのガバナンストークンです。さらに、$TSHAREをステークすることで追加の$TOMBを得ることができます($TOMBが$FTMの価格を上回っている場合)。*$TSHAREは6エポックロックされ、報酬はデポジットから少なくとも3エポック後に請求できます。

TOMBのステーキング手順
  1. spookyswap.financeでFantom Operaに資産をブリッジする
  2. SpookySwapで$FTMの半分を$TOMBにスワップする
  3. SpookySwapでLiquidityタブを開き、$FTMと$TOMBを提供する(TOMB-FTMペアの流動性提供はtomb.financeで直接行うことも可能)
  4. tomb.financeにアクセスし、Cemetery(墓地)タブを選択、TOMB-FTM-LPをステークする
  5. エポック(6時間)毎に報酬のTOMBトークンが発行される

TOMB価格と各トークンの構造

tomb.financeプロトコルは複雑ですが、一旦整理していましょう。

  • TOMBの価格がFTMとのペグを超えると、価格を下げるために新しいTOMBが作成されてTSHAREの保有者向けに分配されます。
  • TOMBの価格がペグの場合、TOMBは増刷されないため、TSHAREのステーキングは無意味になります。なお、TOMB保有者はTOMB-FTM流動性プールを介してFTMの利回りを得ることができます。
  • TOMBの価格がペグを下回る場合、TOMB所有者は割引価格のTBONDを購入するインセンティブが働きます。

それでは、3つ目のトークンTBONDの役割について見てみましょう。

$TOMB⇔$TBOND

PIT2$TOMBが$FTMの価格ペグを下回ると$TBONDが発行されます。$TBONDは割引価格で購入できる$TOMBの債権となります。「Pit」で$TBONDの購入に使用された$TOMBはバーンされ、価格を1FTMに戻すのに役立ちます。なお、$TBONDは将来、価格がペッグを上回ったときに$TOMBに償還できます。さらに、ペッグを上回っている状況でSTBONDを保持している期間が長いほど、追加のインセンティブを得ます。

$TOMB⇔$TSHARE

PIT

取得した$TBONDはSBSで単に$TSHAREに変換することもできます。公式な説明がありませんが、おそらくペグが戻らずTOMBに戻せない状況下で資金が必要な場合に使用される場所かと思います。

ゲーム理論

全体的な機能説明が済んだところで、このプロトコル全体の参加者の行動原理について理解してみましょう。エコシステム内でTOMBトークンの価格が以下のような行動につながると考えられます。

  • TOMBをステークで受け取ったTSHAREを売却してより多くのTOMBを購入すると、TOMBの価格が上がる。リベースによりTSHAREに報酬が分配されるためTSHAREの価値が高まる。
  • TSHAREをステークして受け取ったTOMBを売却してTSHAREを追加購入すると、TOMBの価格が下がる。新しいTOMBの排出量が削減されるため、TSHAREの価値も低下することになる。
  • TBONDを購入するとTOMBがバーンされて供給が減り、TOMBの価格が上がる。大勢が同様に動きTOMBのペグを回復できれば、TBONDを償還できる(利益享受)。

Expansion Phase長期的にはローンチから約1年後にTBONDの拡張フェーズは停止し、TOMBの価格は最終的にはペグのままになる見通しです。そのため、TSHAREは拡張フェーズでのみ資産価値が高まる仕組みです。インフレが止まり、他のユーティリティが付加されてなければTSHAREは無価値になると考えられます。

Tomb Financeチーム

Tomb Financeへの投資はTOMB-FTM-LPへのステークから始まります。その動機は、FANTOMエコシステムの拡大を前提とし、$TOMBが受け入れられるかどうか投資家が信じられることが肝心です。

TombFinanceは5名体制のチームと言われています。9月にハッキングが発生した後、TombFinanceはアラブの富豪Harry Yeh氏によってサポートされました。同氏はFantomFoundationの関係者です。彼は24億ドルのファンドを運用しており、ブロックチェーン分野には2013年に参入し、FANTOMの運営に2019年から関与しています。

Harry Yeh氏はFantomエコシステムに対し、FTMの代替通貨としてのTOMBの有効性を伝えるために働いています。プロトコル間の協調を図り、パートナシップを構築しています。Harry Yeh氏はTombDAOファンドへのプロポーサルを通して方向性を示し、長期的なビジョンを示したと言われています。

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