DeFi

zkRollupとOptimisticRollup:レイヤー2のロールアップ技術を比較

暗号資産に興味のある人なら誰でも知っているであろうEthereum。DeFi・NFTとユースケースは拡大の一途を辿っており、世間にも浸透してきた印象があります。 しかし
  • ガス代の高騰で手数料が1万円ほどかかる事態が発生
  • トランザクションの遅延
などいくつかの問題を抱えています。 そこで分散性をある程度犠牲にして、スピードの向上と手数料の削減を行うサイドチェーンなども登場しました。2021年にはBSCなど、多くのサイドチェーンが乱立しています。 しかしEthereumとしてはセキュリティを損なうことなく、スケーリングすることが求められています。 そこで注目を集めているのがロールアップという技術です。この記事ではロールアップの中でも2つの技術「Optimistic Rollup」と「zkRollup」の 2種類を比較してみていきます。

そもそもロールアップとは?

ロールアップとはレイヤー1とレイヤー 2をつなぐスマートコントラクトです。 一般的にトランザクションをオフチェーン(レイヤー 2)で行い、トランザクションデータをEthereum(レイヤー1)に保存します。 レイヤー1から送られたデータは、シーケンサーによって処理されます。彼らはトランザクションデータのバッチをL1に送信。これらのバッチには有効性を確認するために最低限必要な情報が書き込まれています。 この仕組みによりレイヤー1の計算量の多いプロセスがレイヤー 2で行われることで、レイヤー1が軽量化。またレイヤー1によってデータが保護されるため、セキュリティが脆弱になることはありません。

2種類のロールアップ:zkRollupとOptimisyicRollup

zkRollupとOptimisyicRollupで違うのは主に検証の方法です。
  • zkRollup:計算をオフチェーンで実施、メインチェーンに送るバッチに有効性の証明あり
  • Optimisitic:全てのトランザクションが有効だと想定し、計算せずにバッチを送る

zkRollup

zkRollupは簡単に言うと数百のトランザクションをまとめて一つのトランザクションとしてオフチェーンで処理するというものです。その証明をメインブロックチェーンに送ります。 ゼロ知識証明を活用したSNARK、STARKという「有効性の証明」のみが送られるため、含まれるデータが少なく、レイヤー1の高速化に貢献します。 詳細はこちら

Optimisitic

Optimisticもオフチェーンで処理され、バッチがレイヤー1に送られます。zkRollupが全てのバッチに有効性の証明を行っていたのに対して、Optimisitcは全てのトランザクションが有効と仮定しています。 ではどのように正しく処理されたのかを確認するのでしょうか? Optimisticではバッチがおくられた後に、データに不正がないかどうか検証する期間(チャレンジ期間)が存在(チャレンジ期間があるため、資金の引き出しに時間がかかります)。誰かが不正を発見した場合には、検証が行われ、不正があった場合には遡って正しいトランザクションを行います。 不正があった場合にのみ検証が行われることから、「不正の証明」が特徴とされます。 本当にこの仕組みが機能するのでしょうか? Optimisticでは正当な処理をするようなインセンティブ設計がされています。
  • シーケンサー:$ETHをかける必要があり、もし不正を働いた場合には没収
  • 検証者:不正を発見して、防止した場合に報酬がもらえる
一度ここで、簡単に表で比較してみましょう。
zkRollupOptimisticRollup
証明方法有効性の証明不正の証明
資金の引き出し時間数分1週間ほど
EVM対応
オフチェーンの計算コスト高い低い

Optimistic Rollupの課題

Vitalik氏は長期的にはzkRolllupが優勢になるとコメントしています。なぜでしょうか? まずOptimisitcには不正があった場合に誰かが報告するという仮定があります。報告されなかった場合など、不正が看過される可能性があるのです。また検証期間が1週間ほどあることから、もしL 2からL1に資金を引き出したくても、1週間ほど引き出しに時間がかかります。 もしDeFiやNFTで資金を運用している人であれば、1週間資金を動かせないのは大きな問題だとわかるでしょう。 一方でzkRollupは数学的に検証しており、全てのバッチで有効性を検証していることから、引き出しも早くすみます。OptimisitcよりもzkRollupの方が技術的に期待されていますが、EVMでないことから、開発コストが高く、現状はOptimisitcの方が優勢です。 とはいえ現在EVM互換の技術が開発されつつあります。

まとめ

現状ではOptimisitc Rollupの方が優勢です。例えばUniswap、SushiSwap、SynthetixなどのDeFiプロジェクトはすでにOptimisitc Rollup技術を採用しています。またL2Beatというサイトのデータでも70%以上のプロジェクトがOptimisitc Rollupを採用しています。でこれには先ほど紹介したEVM互換の問題があります。
ただし、将来的にはzkRollupの方が優位に立つと考えられています。Optimisitcは「誰かがミスを指摘する」という前提に立っているのに対して、zkRollupは数学的に検証されており安全性が高いためです。 またEthereum創設者のVitalik氏も長期的にはzkRollupが有望であると指摘し、今後のEthereumのロードマップでzkRollupを採用する予定であると発言しています。