イーサリアムは、ビットコインに次ぐ市場規模を誇る仮想通貨で、スマートコントラクトという革新的な機能を持つブロックチェーン技術が実装されています。
さらに、イーサリアムは常に進化を続けており、その最新のアップデート「Dencun」が2023年後半リリースされる予定です。
この記事では、この新たなアップグレードについて、分かりやすくに説明します。
参考動画:https://www.youtube.com/watch?v=LqaR-kdnOoU
前回の大型アップデートについては以下で詳しく解説しています。
イーサリアムのアップデートとは?
イーサリアムのアップデートとは、イーサリアムのブロックチェーンネットワークに新たな機能を追加したり、既存の問題を解決したりするための更新のことを指します。
これらのアップグレードは、イーサリアム改善提案(EIP)という形で提案され、コミュニティによって審議されます。
次期イーサリアムアップデート「Dencun」の概要
「Dencun(デンクン)」は、2023年後半にリリースが予定されているイーサリアムの新たなアップデートです。
「Dencun」で予定されている主なイーサリアム改善提案
「Dencun」では、いくつかの重要な改善が計画されています。
その中でも最も注目されているのが、EIP-4844「Proto-Danksharding(プロとダンクシャーディング)」です。
これは、レイヤー2からレイヤー1へのデータ転送のコストを削減し、結果としてトランザクション手数料を大幅に低下させるというものです。
前回の大型アップデート、シャンハイ(shanhai)で導入予定と期待されていましたが、スケジュール上の問題で後回しにされていました。
そのため、このアップデートはより期待感が高まっています。
その他にも、以下のような改善が計画されています:
- EIP-1153: Transient storage opcodes
- EIP-4788: Beacon block root in the EVM
- EIP-5656: MCOPY – Memory copying instruction
- EIP-6780: SELFDESTRUCT only in same transaction
参考
イーサリアム改善提案4844:Proto-Dankshardingについて
Proto-Dankshardingにより、レイヤー2からブロックにデータをより低いコストで加えることができます。
これにより、レイヤー2のスケーリングをさらに効率化することができます。
具体的には、レイヤー2からレイヤー1への書き込みを可能にする特別なトランザクション(ブロブトランザクション)を導入します。
これにより、ネットワークのノードはディスク使用量を抑えることができ、効率性が向上します。
イーサリアムアップデート「Dencun」による影響
「Dencun」アップデートにより、イーサリアムのネットワークは以下のような具体的な影響を受けると予想されます。
- 取引コストの削減:Proto-Dankshardingの導入により、レイヤー2からレイヤー1へのデータ転送のコストが大幅に削減されます。これにより、ユーザーは取引手数料を大幅に節約できるようになります。
- スケーリングの改善:Proto-Dankshardingにより、レイヤー2からブロックにデータをより低いコストで加えることができます。これにより、イーサリアムのネットワークはより多くのトランザクションを処理できるようになり、その結果、ネットワークのスケーリング(拡張性)が大幅に改善されます。
- セキュリティと効率性の向上:新たなオペコードの導入やSELFDESTRUCTオペコードの排除など、いくつかの改善提案が実装されることにより、イーサリアムのネットワーク全体のセキュリティと効率性が向上します。
- 新たなアプリケーションの可能性:「Dencun」アップデートにより、イーサリアムのネットワークはより多くのトランザクションを処理できるようになります。これにより、より大規模なデータを扱うことが可能になり、新たなタイプのアプリケーションやサービスがイーサリアム上で開発される可能性が広がります。
これらの影響は、イーサリアムのユーザーだけでなく、開発者やイーサリアムを基盤とするサービスにも大きな影響を与えます。
また、これらの改善はイーサリアムの競争力を高め、ブロックチェーン技術全体の進化に寄与すると期待されています。
【まとめ】イーサリアムアップデート「Dencun」
本記事では、イーサリアムの次期アップグレード「Dencun」について詳しく解説しました。
ブロックチェーン技術は常に進化し続けています。その中心に位置するイーサリアムの動向は、その未来を予測するための重要な指標となるでしょう。
今後もイーサリアムのアップデートに注目し、その進化を共に見守っていきましょう。