MENU
ステーブルコイン

ステーブルコインDai(現Sai)の特徴・詳細・仕組み

※本記事はMCDのDAIではなくSCDであるSAIについて記述しております。

Dai ステーブルコインシステムの特徴

ERC20トークンDai はETH(今後アップデートで他の通貨にも対応予定)を担保にして米ドル価格とほぼ連動するように仕組み化されたステーブルコインです。ステーブルコインとは米ドルなどの価格が安定した法定通貨などを担保にして、法定通貨:ステーブルコイン=1:1の関係になるように仕組み化されたデジタル資産(ペグ通貨)のことをさします。

従来のお金をより便利にアップグレード

お金の本質という面から捉えると、BTC(ビットコイン)やETH(イーサ)といったポピュラーなデジタル資産は価格変動が激しく日常生活での利用には適しません。

一般的なお金の定義は、価値尺度、交換の媒体、価値貯蔵の3機能を備えたものとされていますが、ステーブルコインはBTCやETHが抱える価格変動という問題を解消することで従来のお金のシステムとブロックチェーンを融合させ、投資や投機の対象としてではなく、技術としてのブロックチェーンの可能性を最大限に活かし私たちの日常生活をさらに豊かなものへと飛躍させようとする試みの一つなのです。

自律分散型組織MakerがDaiの価格を安定化させている

イーサリアムプラットフォーム上のMakerという分散型プラットフォームがDaiの価格をCDPs(Collateraized Debt Positions)というスマートコントラクトシステムを通してDaiと米ドルを管理し価格を安定化させています。MakerはDAOと呼ばれる自律分散型組織であり、適切なインセンティブを外部主体に与えることで自動でシステムが稼働し、米ドルとDaiの価格がほぼ同じようになるようシステム化しています。

この運営管理している主体がいないという点がDaiと他の主要なステーブルコインとの大きな違いです。最も有名なUSDT(テザー)はTether社という民間組織によって運営されており、他にもTrueUSD、USD coin、Paxos standard、Gemini Dallorなども信用性が高いとされている組織によって運営管理されています。それに対してDaiはある特定の組織ではなくMakerDAOという自律分散型組織、つまりシステムを中心に運営管理されています。

ですので、Makerは特定の組織ではなく、イーサリアム上のデジタル資産を利用して誰もがMakerプラットフォームでDaiの発行を行うことができます。

その他ステーブルコインとDaiの違いは、その他にも担保を米ドルではなく、ETHにしているという点です。ETHを担保にすると、ETHの価格が変動すると米ドルの価格と乖離してしまうのですが、その点は後述する仕組みで対応しています。

ステーブルコインの分類

ステーブルコインは以下の3つに分類されます。

  1. 法定通貨担保型
  2. 暗号通貨担保型
  3. 無担保型

法定通貨担保型は、米ドルなどの法定通貨を担保にしておりTetherなどが有名ですね。今回紹介するDaiは暗号通貨ETHを担保にしているので、暗号通貨担保型です。最後の無担保型はBasisなどが有名ですが、残念ながらプロジェクトが終了してしまいました…。無担保型はプログラムだけで価値を一定に保とうとする仕組みで非常に面白いプロジェクトだったので残念ですね。

Dai(ダイ/DAI)の最新価格・相場・チャート・評価


Dai(ダイ/DAI)の仕組み

CDPs(Collateraized Debt Positions)

上述したように、Daiの発行にはCDPs(Collateraized Debt Positions)と呼ばれるMaker独自のスマートコントラクトが用いられています。ETHを担保として預け入れることでDaiを自動発行させる仕組みなのですが、この際に預けたETHをCDPシステム内で自動ロックをかけて、引き出したDaiと同等量と安定化させるための手数料を払い戻ししない限り引き出せないようにしてあります。

※Makerのオラクルv2が発表されました

Daiの発行プロセス

  • Step1:CDPをつくり、担保を預け入れ

まず始めに、ユーザーはCDPを作るためのトランザクションをMakerへ送信し、その後にDaiの発行に利用する担保の種類と量を含めた送金情報をMakerへ送られ、この時点でCDPが担保とみなされます。

  • Step2:担保されたCDPからDaiを発行

CDPから発行されたDaiを取り出すためのトランザクションを送ると、自動で同額の負債が発生し、この負債を支払わない限り担保として預けた資産にアクセスできないようになります。

  • Step3:負債と手数料を支払う

預けた担保を引き出すには、CDP内に発生した負債分と手数料を支払わなければなりません。手数料は時間の経過とともに発生する仕組みで、Makerのトークン「MKR」でのみ支払い可能です。負債と手数料を支払うとCDPは負債なし(debt free)の状態に戻ります。

手数料支払いにはMKRのみ対応というのは不便ですが、MKRの需要はシステム利用時以外に価値がなく、他で代替できてしまうと需要がなくなりシステムが維持できなくなってしまうので仕方がありませんね。

  • Step4:預けていた担保を引き出し、CDPを閉鎖し完了

負債と手数料を支払うことで、CDPは負債なしの状態になり預けていた担保を自由に引き出すことができるようになります。

実際にCDPでDAI発行してみたい方は使い方を下の記事でご紹介していますので、ご参照ください。

ETHの価格が変動するとどうなるのか?

ETHの価格が上昇した場合

担保にしているETHの価格が上昇した場合、担保の割合が増加するのでCDPに余裕が生まれます。Daiの発行枚数はそのままに生じた差額分の担保(ETH)を減らすこともできますし、生じた余白分だけ追加でDaiを発行することができます。

ETHの価格が下落した場合

ETHの価値が下がると、CDPの余裕がなくなるので、CDP作成者は担保率150%を維持するためにDaiを返却、もしくは追加担保としてETHを投入する必要が生じます。

注意点としては担保率150%を切ってしまうとロスカットされてしまい、さらにペナルティとして13%分が徴収されてしまいます。

価格を安定化させるための仕組み

CDP

Daiを発行する際に作成するCDPは、担保となるETHを余分に投入し担保率150%にしなければなりません。理由は上述したETHの価格変動に対応するために余裕を持たせ、ETHの価格が多少前後してもDaiの価格に影響が出ないようにしています。仮にETHやDaiが担保率を上回る価格変動を起こした際にはロスカットされ、手数料としてPETHを差し引かれた残りが返ってきて、発行していたDaiはMakerプラットフォームに回収されます。

CDP作成者による価格コントロール

簡単にいうとユーザーが価格変動を利用してデイトレードを行うことで、価格がバランスする力が働いています。

Auto Liquidity

Auto LiquidityとはCDPのPETH(担保資産)が限界以上に下落してしまった場合に備えて、生じる負債分の価値を補う十分な担保をシステム内に確保しておくための仕組みです。

Global settlement

システムのアップデート時やハッキング攻撃を受けてしまった時に備えて、システムを停止し、Daiホルダーの財産権を保証する仕組みです。

Dai(ダイ/DAI)の詳細

発行上限枚数:上限なし

備考:ERC20

公開日:2017年

公式サイト:https://makerdao.com/dai

ホワイトペーパー:https://makerdao.com/whitepaper

おすすめ取引所

国内取引所での取り扱いはありませんので、海外取引所を利用してください。

DAIは取引所だけではなく、UniswapやKyberswap等のDEXでも手に入ります。上のようなDEXでスワップする方が便利なので、web3ブラウザを搭載した暗号資産Walletアプリなどで利用されることをオススメします。

DAIを無料で手に入れる方法

DAIのオススメ運用方法

DAIのレンディング「Compound」

DAIを投げ銭するのでなく、運用した利子収入だけを寄付する「rDAI」

DAIを給与の支払いに「Sablier」

DAIで宝くじを買う「Pool together」