分散型SNS「Daums」が、Apple社が運営するApp Store(アップストア)からガイドラインに違反していると警告せれたということを、Twitter上で報告しました。
本記事では、DaumsとAppleの問題の詳細やweb3アプリが抱える問題点について解説していきたいと思います。
分散型SNS「Daums」とは?
Damusとは、ブロックチェーン技術が使われている分散型SNSです。
機能や使い方などがTwitterに非常に似ていて、一部では「ツイッターキラー」とも呼ばれています。
元Twitter社CEOのジャック・ドーシー氏が注目しており、Damusのベースプロトコルである「Nostr(ノストル)」の開発に14BTC(現在価格で約4200万円)を支援したことで話題になりました。
アップル社から「Daums」への通達
6/13日、DaumsはTwitter上でAppleから通達があったことを投稿しました。
Damus will be removed from the app store in 14 days, apple says zaps are not allowed on their platform because they *could* be used by content creators to sell digital content. This is right before we’re about to give our talk at the oslo freedom forum on how decentralized social… pic.twitter.com/uAK1U0UBet
— Damus⚡️ (@damusapp) June 13, 2023
DaumsがAppleから受け取った内容には以下のようなことが記載されています。
We noticed that your app allows users to send “tips”associated with receiving content from digitalcontent creators with a mechanism other than in-app purchase.
すなわちDaumsの機能の1つである、投げ銭機能「Zaps」がデジタルコンテンツの販売に関連しているが、アプリ内課金以外の方法で投げ銭ができることがガイドラインに反しているという主張しています。
「Daums」の反論
これに対してDaumsは、以下のツイートをリツイートしています。
Hey @Apple, users on @damusapp are not “receiving content from digital content creators.”
The content is posted on #nostr via many clients, & is completely FREE for everyone.
Users are not “paying for the content” — nothing is being “purchased.”
Please correct your mistake. https://t.co/d6FoC6Dwyy
— Walker⚡️ (@WalkerAmerica) June 13, 2023
users on @damusapp are not “receiving content from digital content creators.”
The content is posted on #nostr via many clients, & is completely FREE for everyone.
Users are not “paying for the content” — nothing is being “purchased.”
コンテンツは多くはnostrに投稿され、誰もが無料で利用できるため、Daumsのユーザーは、コンテンツにお金を払っているのではないという主張です。
「Daums」の対応
Aplleとの電話の話し合いの結果、以下のように対応するとTwitter上で発表しました
https://twitter.com/damusapp/status/1668690038521995285
投稿のzapボタンを削除し、プロフィールのzapボタンを残すという妥協案になったようです。
しかし、この決定関して元Twitter社CEOのjack氏など、間違っていると主張している人が多くいます。
This is still incorrect @apple. Tipping on posts is not selling digital content. It’s a form of feedback.
Why limit people sending bitcoin to each other? This is our one opportunity to build a truly global payment protocol for the internet (which would benefit your company… https://t.co/VRf2kfJ2pD
— jack (@jack) June 13, 2023
Web3アプリが抱える問題点
ブロックチェーン技術し利用したweb3アプリの主な利点の一つは非中央集権性です。
すなわち、システムは一つまたはいくつかの中央機関によって制御されるのではなく、参加者全体によって共有・管理されます。これにより、システムの透明性が高まり、特定の組織による制御を避けることができます。
しかしながら、ブロックチェーンベースのアプリが主流のモバイルOSであるiOSやAndroid上でユーザーにアクセスを提供するためには、通常、中央集権型のプラットフォームであるApp StoreやGoogle Playにそのアプリをリスト化する必要があります。
これは中央集権的な機関(AppleやGoogle)に対する依存を意味します。
すなわち、アプリが中央集権的なプラットフォームに依存している限り、そのプラットフォームのポリシーや規則、あるいは潜在的な制約によって影響を受ける可能性があり、これはブロックチェーン技術の非中央集権的な原則と矛盾します。
また、App StoreやGoogle Playのようなプラットフォームは、アプリのリスト化と配布に対して一定の手数料を取ります。これにより、ブロックチェーンアプリの開発者や利用者は、そうした中央集権型プラットフォームを介して金銭的な負担を負う可能性があります。
解決策
これに対する解決策の1つとして、ブロックチェーン技術を使用して独自のアプリストアを作成するという方法が考えられます。
これにより、AppleやGoogleのような中央集権型のプラットフォームに依存せずに、非中央集権アプリを直接ユーザーに提供することが可能になります。
しかし、Web3業界がまだ新しく、多くの人々にとって未知の領域です。一般のユーザーにとって、ブロックチェーンや暗号通貨に関する知識はまだ普及していないため、新しい技術への理解や信頼を得ることは困難です。
そのため、AppleのApp StoreやGoogle Playといった既存のプラットフォームに対抗するためには、一般ユーザーを巻き込むほどのweb3業界のさらなる盛り上がりと、教育と啓発などが重要となるでしょう。
【まとめ】SNS「Daums」
本記事では、ブロックチェーン技術を活用した分散型SNS「Daums」のAppleとの間で生じた問題について解説しました。
AppleはDaumsの投げ銭機能「Zaps」が規則に違反していると主張し、これに対してDaumsは投稿のzapボタンを削除することで妥協案を提案しました。
この問題は、中央集権的なプラットフォームに依存するweb3アプリが直面する課題を明確に示しています。
ブロックチェーンの基本的な原則は、中央集権的な制約から自由であることを推奨していますが、現実では、多くのアプリがまだこれらのプラットフォームに依存しています。
その解決策の一つとして、独自のブロックチェーンベースのアプリストアを作成することが考えられますが、一般のユーザーにとってブロックチェーンや暗号通貨の理解と信頼を獲得するためには、さらなる教育と啓発が必要です。
テクノロジーは日々進化しており、その変化に対応するためには常に新しい知識を学び、理解することが重要です。ブロックチェーン技術は今後の社会で大きな役割を果たす可能性があるため、この分野について深く理解し、情報を得ていきましょう。