Zcash(ZEC)は2016年10月に公開され、公開直後から1ZECあたり50万円を越す高値を記録した匿名通貨です。その後徐々に落ち着きをみせ、2018年11月現在は14,000円前後を推移しています。通貨単位はZECです。
Zcashは「ゼロ知識証明」を用いることで、送信者、受信者、取引量を非公開にしたまま、取引処理を行うことができます。ビットコインの弱点であった匿名性を克服している点で高い評価を得ています。
匿名通貨はZcashの他にMoneroやDashなど一部非公開にできるものがありますが、Zcashでは完全非公開で取引ができます。まさに完全武装化された匿名通貨と呼べるのではないでしょうか。
本記事では匿名通貨Zcashの特徴、将来性について説明します。
Zcash(ZEC/ジーキャッシュ)の最新価格・相場・チャート・評価
Zcash(ZEC/ジーキャッシュ)の特徴
特徴1:ゼロ知識証明|誰が?誰に?いくら?送金したかわからない
Zcashの匿名送金は、暗号学のゼロ知識証明(zero-knowledge proof)という理論を元にした暗号化方式zk-SNARKsによってなされています。
Zcashでは、
- 送信者
- 受信者
- 取引額
の3点を明かすことなく、取引を行うことができます。
また、取引情報の一部を選択的に開示することもできるので、監査や法令遵守など、場合に応じて取引情報の詳細を共有することもできます。匿名通貨が抱えるグレーな印象が薄れ、大企業でも利用しやすいと言えるのではないでしょうか。
特徴2:見えないようにシールドされた「z-address」
Zcashのアドレスにはzで始まる非公開のz-addressesと、tで始まる公開型のt-addressの2種類があり、それらを使い分けることができます。
z-addressを利用することで、誰から誰に情報(資金)が移動したかを隠した状態で移動させることができます。
ゼロ知識証明アルゴリズムを利用した匿名性の高いz-addressによる送金技術がZcashの持ち味になっています。
特徴3:エクイハッシュ(Equihash)採用でマイニング報酬が偏らない??
Zcashはエクイハッシュ(Equihash)というマイニングアルゴリズムを採用しています。
以前はASICを利用したマイニングが難しいため、一般的なコンピューターでマイニングしても承認されやすく、マイニング報酬が分散化され易かったので一部の資産家や企業に偏りにくくなっていると言われていました。※ASICとは、特定の目的に特化した集積回路のことです。簡単に言うと、仮想通貨の世界では、マイニングに特化したコンピューターのことを示しています。
しかし現在は、ZcashのASICが開発されてしまったので、一般的なコンピューターでは到底太刀打ちできない状態になっています。
この辺りの対応は今後の課題といえそうです。
Zcash(ZEC/ジーキャッシュ)の詳細
発行上限枚数:21,000,000ZEC
公開日:2016年10月28日
公式サイト:Zcash公式サイト
ホワイトペーパー:Zcashホワイトペーパー
Zcash(ZEC/ジーキャッシュ)の評価
Zcash(ZEC/ジーキャッシュ)の将来性
2018年6月初のアップデート「Overwinter」
10月に予知されているアップグレード「Sapling」の準備段階として、「Overwinter」と呼ばれるシステム強化のためのアップグレードを行いました。
アップデート内容は、リプレイプロテクションの実装、取引の透明性を保つためのパフォーマンス向上、一定期間取引が承認されなかった場合の取引無効化などを行いました。
2018年に行われる予定のアップグレード「Sapling」
これまでZcashが課題としてきた送金速度の向上が今回のアップデートで最も注目されるところです。実用性という面で考えたときに、送金詰まりが起こるようでは困りますからね。
実施される内容は大きく3点を予定しており、
- 送金スピードの向上。承認時間が5分の1になるため数秒で支払い可能になります。
- 匿名性の向上。キーの改良が施される予定です。
- セキュリティの向上。署名が独立し、安全性が高まります。
実際に送金スピードが速くなれば、Dashのように日常での利用が増加してくるかもしれませんね。
おすすめ取引所
国内で取り扱っている取引所はコインチェックのみでしたが、現在は取り扱いがありません。
海外の大手有名取引所を利用することをお勧めします。
- Bainance