OpenLawとはその名の通りに法的合意を作成するための分散型P2Pプロトコルです。主な役割は企業、顧客、開発者に対して技術インフラストラクチャAPIとOpenLawツールを用いてブロックチェーン上で署名、実行される法的契約を踏まえたトークンの発行、転送などを効率的、かつ安全に実現させることです。
今回はこのOpenLawの概要とこれにより何が可能になるのか、未来のお金の形についてご案内致します。
OpenLaw公式サイト:https://www.openlaw.io/
目次
OpenLawの概要|提供するツール
First Draft
マークアップ言語と拡張可能な法的契約コンポーネントを利用して、法的な合意を迅速に作成することができます。
Relayer
OpenLawを用いることでどんなイーサリアムスマートコントラクトコールでも安全に中継し起動させることが可能。※繰り返しコールさせることも含む
Sigh & Store
電子署名ソリューションを利用して、ブロックチェーンへの署名を保護
Token Forge & Smart Contract Components
法的契約に基づいたブロックチェーンベースのトークンを自動的に生成することが可能
Forms & Flows
OpenLawが提供するフォームツールを用いて複雑なビジネス契約の一連の手順を作成可能
Open Lawで可能になること
税法の規定遵守を「コード」化し、コンプライアンスコスト等を削減
イーサリアムスマートコントラクト(コード)を利用することで税法遵守を自動化させることが可能となります。例えば法律や規制、特に客観的に検証可能な制限やパラメーターを持つものをモデル化し、それらをコードに組み込むことができます。
上のデモ動画は、イーサリアムベースのスマートコントラクトを利用して、税務コンプライアンスを確保した状態で「Real Time Employee Offer Letter」フォームを拡張し、スマートコントラクトで米国雇用税の要件をモデル化したものです。関係者が契約に署名するとシステムが起動するという税法に準拠した自動執行メカニズムです。
このデモ動画では雇用主が従業員に対して「毎分支払い」しつつも、給与処理に伴うコスト(給与処理者やその他仲介者の必要性)を排除し、さらに税金に関連するリソースの無駄も排除することを可能にしています。プログラマブルマネーの性質を用いた興味深い事例の一つですね。
「Real Time Employee Offer Letter」フォームでは、雇用主が従業員に支払う給与から政府に対する賃金源泉徴収(IRS/米国政府の税務機関に自動送金)を同時に差し引く(毎分ごとに賃金に対して)ことも当然可能です。
このモデルを応用することのメリットは、雇用主は「給与支払いコスト」と「税のコンプライアンスコスト」を削減することができるという点にあります。また雇用主だけでなく政府が負担する税法の規定を遵守しないものに対する監査費用の削減も将来的(随分先の不確実な未来の話だと思いますが)には期待できるのではないでしょうか。またこの仕組みを用いると不動産や株式購入契約、遺産相続など様々な場面での応用が期待できますね。
未来の貯蓄
次はCompoundのcDAIを用いてリアルタイムペイメントと自動貯蓄を実現させるという「未来の貯蓄」の形を事例としてご紹介します。OpenLawとcDAIを利用することで、毎分ごとの「リアルタイム給与支払い」に加えて、「自動金利収入」を得て、さらにはcDAIで「デジタル貯蓄口座」を作成することが可能となります。
cDAIについては下の記事をご参照ください
cDAIを組み込むことにより、従業員が雇用主からリアルタイムに支払いを受け、同時に資金を貯蓄(金利が発生する)に回すことができるという未来の貯蓄システムです。下のデモ動画をご参照ください↓
この仕組みはノンバンク(銀行口座を持たない人々)に金融リテラシーの有無にかかわらず現在の金融システムの恩恵を与えることができるという点で革新的なアイデアと言えるのはでないでしょうか。もちろん私たち日本人も月給でもらうよりも、分給の方が当然良いですよね。※月給でもらうと1ヶ月という期間資金運用できないのに対してほぼリアルタイムの分給であれば労働で得た賃金が即金利を生んでくれるという意味です。
金利発生の源泉となるCompoundについては下の記事をご参照ください
Open Lawの登録方法
Open Lawは無料で利用可能です。上画像を参照に公式サイトでEメールの登録後に個人情報(名前とパスワード設定のみ)を提供し登録完了。登録が完了するとOpenLawのサイトに自動サインインし下の画面に移行します↓
上記画面に移行後は様々なフォーム(下画像参照)が利用可能になります。