Rocket Poolとは、個人およびビジネスユースに対して広く門戸を開いた分散型PoSインフラストラクチャーサービス(イーサリアム2.0)。Rocket Poolの特徴をザクっと言ってしまうとEth2.0(PoS)における個人のステーキング参入障壁を下げ(1ETHから参加可能、ノード運営は16ETHで可能)、取引所やウォレットなどに対しては Rocket PoolのAPI活用によりステーキングサービス導入を容易にしている点にあります。
今回はRocket Poolのざっくりとした概要についてご紹介致します。より詳細な情報はWhite Paperをご覧ください。
Rocket Pool概要
そもそもProof of Stake(PoS)とは?
PoSとは2020年から段階的に導入が進められる予定であるイーサリアム2.0のコンセンサスアルゴリズム。2019年現在採用されているのはビットコインと同じPoW(Proof of Work)です。2020年にBeaconチェーンと呼ばれる新しいPoSチェーンへ移行する予定で、PoWと比較するとより速くて、エネルギー効率が高まるとされています。BeaconチェーンのイーサリアムノードはETH(32ETH必要)をロックし、チェーンのセキュリティを維持するために24時間365日オンライン稼働(検証作業)しなければなりません。その報酬として与えられるETH(新規発行)がネットワークへの参加インセンティブとして働いています。※オンライン状態を維持できないとペナルティあり
Rocket Poolサービス内容
Rocket Poolで提供されるサービスは大きく3つ
- ETHをステーク(1ETHからステーク可能)
- ステーク+ノード運営(16ETHでノードオペレーター)
- パートナー(取引所などがグループコントラクトを作成してネットワーク参加可能)
Rocket Poolは、Beaconチェーンを利用してより多くのETHホルダーがブロック報酬を得られる仕組みを提供しています。保有するETHを Rocket Poolネットワークに預けるだけで、スマートコントラクトがBeaconチェーンと対話してくれるので、ノード運営における技術的な複雑さを解消しているといえます。また預け入れた資産は3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月の範囲でロックされます。
Rocket Poolを利用するメリット
- Beaconチェーンが要求する最低デポジット額は32ETHです。一方、Rocket Poolでは最低1ETH(最大1000ETH)からネットワークに参加でき、ブロック報酬を獲得することができます。
- Beaconチェーンでノード運営するには、スマートコントラクトと対話する知識を必要とします。Rocket Poolではユーザーに代わってBeaconチェーンコントラクトとの対話を処理してくれます。
- Beaconチェーンでのノード運営者は年中無休でノードを稼働させ続けなければなりません。つまり、ノードをセキュアな状態でオンライン稼働させ続ける知識が必要。Rocket Poolには、このサービスを提供する独立したノードオペレーターからなる分散ネットワークが存在しています。
- Beaconチェーンでノードのオンライン状態を維持できない場合はペナルティを課されてしまいます。後述しますが、Rocket Poolはユーザーが預け入れた1ETHを4ETHのチャンク(まとめる)にして、さらにそれを4つ(つまり16ETH)+ノードオペレーター(16ETH)=計32ETHのように、デポジットを拡散させることでデポジットリスクを軽減させています。※下画像参照
- ノードを実行する知識、環境は持っているけれど32ETHを持たないユーザーは、16ETHでRocket Pool内のノードオペレーター(分散ネットワーク)として働くことができます。この場合は通常の参加者よりも多く追加の報酬を得ることができます。
https://www.rocketpool.net/images/infographic-rocket-pool-2.png
Rocket Poolの機能
Rocket Poolは、
- スマートコントラクト
- スマートノードネットワーク
- ミニプール
の大きく3つの要素で成り立っています。
Rocket Poolのスマートコントラクトは、ETHのデポジット、ユーザー管理、トークンの発行および追跡(※取り扱いトークンについては後述)、Beaconチェーンとの対話を担っています。またネットワーク内のスマートノードがダウンしたかどうかを検出し、自動的に無効化するなどの役割も担っています。
Rocket Poolのスマートノードネットワークとは、独自のスマートノードソフトウェア上で稼働するイーサリアムノードから成る分散ネットワークのことです。Rocket Poolのスマートコントラクトと通信できる仕組みやBeaconチェーンに必要なネットワークコンセンサスが提供されています。誰もが最低16ETHをデポジットすることでスマートノードの運営ができ、追加のブロック報酬を獲得することができます。
Rocket Poolのミニプール(スマートコントラクトです)とは、ユーザーがデポジットしたETHをプールし、特定期間ステーキングするためのコントラクトです。
Rocket Poolで取り扱うトークンについて
RPL|Rocket Poolプロトコルトークン
RPLトークンは分散型ノードオペレーターネットワークのキャパシティを制御するために利用されます。参加するノードオペレーターに対するインセンティブを調整することで、ノードオペレーターの参加を制限してキャパシティ調整を行います。※ノードオペレーターはETHに加えて一定量のRPLをデポジットする必要あり
rETH|Rocket Pool BeaconチェーンETHトークン
rETHは、「デポジット+ステーキング報酬」を表し、ノードオペレーターおよびステーカーに流動性を与えるために発行されるデリバティブトークン(DETHの一種)です。(イーサリアム2.0フェーズ0〜1の期間のみ)
下画像はETH2.0各フェーズの予定です。rETHについてはこちらをご参照ください。
出典:https://drive.google.com/file/d/1vc-DGG0iqEBQqNlsr5x6vxGxWUAEdgV3/view
ビジネス向け(取引所、ウォレット、ステーキングプールなど)
取引所やウォレット、ステーキングプールなどがRocket PoolのAPIを活用して容易にPoSサービスを導入することができます。
グループをRocket Poolのスマートコントラクトに登録し統合(グループコントラクト作成)するだけで開始することができます。またグループ内のユーザーに対して手数料を設定(コントラクトに保存、アクセス権は作成者保有)することもできます。
Rocket Pool詳細
- Rocket Pool:https://www.rocketpool.net/
- White paper:https://www.rocketpool.net/files/RocketPoolWhitePaper.pdf
- Twitter:https://twitter.com/rocket_pool
- Midium:https://medium.com/rocket-pool
- Github:https://github.com/rocket-pool/rocketpool