ステーブルコイン発行のFloat ProtocolのTVLが13億ドルに達しています。
Float Protocolは流動性マイニングの第2フェーズを3月21日~4月4日までの2週間に開催。毎日500BANKがBANK-ETH Sushiswap LPプール、1,500 BANKが他の8つのプール(ETH、DAI、USDC、USDT、wBTC、YFI、SUSHI)、125 BANKがYAMプールに割り当てられています。
Float Protocolの概要
ステーブルコインと言えども、FLOATはドルにペッグするのではなく、目標価格に対して変動しながら価格安定を目指す仕組みを採用しています。スタート価格は1.618ドルとされ、FLOATの需要増加や(現在の)担保資産であるETHの価格により緩やかな影響を受けます。
以下のシミュレーションはイーサリアムの上昇トレンドを前提に、FLOAT価格を試算しています。
先日Zenismでは、ステーブルコイン「RAI」をご紹介しました。RAIもまたイーサリアムを担保に発行しますが、アルゴリズム・コントローラーが自動的に金利を設定する点が特徴です。
Float Protocolの場合は、BANKというガバナンストークンがFLOATのボラティリティを吸収するユーティリティを持ちます。ステーブルコインFLOATの需要超過時は過剰価値がBANKに移行します。需要が少ない時にトークン価格を支えることもあります。
Float Protocolはまた、目標価格から乖離した場合にダッチオークション(リバース・ダッチオークション)を開き、FLOAT供給量の拡大・縮小を行います。アービトラージャーにとって、市場価格より低価格でFLOATを購入したり、市場価格より高い価格でFLOATを売却したりといった機会になります。
BANKのトークン設計
BANKの1年目の発行量は168,000枚、以下の配分が決まっています。
・コミュニティの配分 50% – フェーズ1~37.5%、フェーズ2 12.5%
・チーム: 5% (最初の発行から12ヶ月間ロックされます。)
・トレジャリー 10% (フェーズ2の開始時に発行され、ガバナンスによって管理)。
・ローンチ後の流動性インセンティブ:35% (5%がETHをデポジットしてFLOATをミントしたユーザーへの報酬、30%はガバナンスによる投票)
2年目以降の配布量は設定されていませんが、将来的に供給量はガバナンス投票により決まります。FLOATの最初の発行フェーズは、BANK流動性マイニングの第2フェーズが終了した後に開始します。
総論
チームは匿名であり、資金調達は行っていません。考慮すべきリスクは、全体的な市場の下落トレンドでFLOATとBANKがデス・スパイラルに陥る可能性があることです。またいずれ、イーサリアム以外の仮想通貨もFLOATの担保に加わり、バスケット型に移行する計画です。
Float Protocol詳細