レイヤー2のスケーリングソリューションであるArbitrumのメインネットローンチに伴い、Chainlink( $LINK )に関する関心が高まっている様です。関係性を見てみましょう。
Arbitrumのオフチェーン処理
そもそも、レイヤー2のスケーリングソリューションは、レイヤー1のメインネットから離れた場所(オフチェーン)でトランザクションを処理し、その情報をレイヤー1にフィードバックすることで、チェーン上の記録を維持します。
ArbitrumはOptimistic Rollupの一種です。Rollupとは、スマートコントラクトのトランザクションをオフチェーンで処理し、単一のバッチトランザクションで、それらを束ねてレイヤー1に戻してデプロイします。Arbitrumを使った取引手数料は、イーサリアムレイヤー1の100分の1倍程度になると試算されています。
Arbitrumと外部データ
Arbitrumはそれ自体では外部データソースに接続できず、オンチェーン環境とオフチェーン環境をつなぐ安全で信頼性の高いオラクルソリューションが必要です。オフチェーンとオンチェーンをつなぐ分散型のオラクルネットワークChainlinkは、Arbitrumに価格データを提供します。BancorのようなDEXは、彼らは複数のソースから価格データを取得しており、Chainlinkを使ってデータが正しいかどうかを確認しています。
Arbitrumの分散型ネットワーク
Arbitrumでは、他の分散型トラストレスネットワークと同様に、誰でもノードを設置できます。ノードとはArbitrum上のスマートコントラクト(AVM)を検証するコンピューターです。セキュリティを維持するため、間違った、あるいは悪意のあるノードにはペナルティを適用します。
Chainlinkは既に分散型のノードネットワークを有し、適切にデータを配信し続け、悪質な行為がない、信頼性が高いノードが存在しています。こうしたChainlinkのノードが、Arbitrumネットワークの信頼できるノードとして使用される“可能性”があります。
Chainlinkのソリューション
ChainlinkとArbitrumが共同で取り組んでいる分野は他にもあります。例えば、信頼できる乱数をDAppsに書き込めるようにするVerifiable Randomness Function(VRF)です。これは、NFTやゲーム、宝くじやギャンブルのサービスを提供するDAppsなどに必要になります。
また、Chainlinkのフェアシーケンシングサービス(FSS)も重要です。FSSはOracle ノードにトランザクションを送信することで、順序付けを公平にし、Arbitrum上でフロントランニングのボットが機能できないようにします。
ArbitrumのようなL2ソリューションでは、ChainlinkのノードはL1と比べて低コストでトランザクションを送信することができるため、収益性も高まる利点があります。L2の普及に伴ってChainlinkが再認識されることになるかもしれません。