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DeFiレンディング2.0 – 機関レベル、コンプライアンスを取り入れる注目のプロジェクト

Maple

現在、Aave、Maker、CompoundといったDeFiローンの残高は140億ドル以上に達しています。DeFiレンディングの多くは、ETHや他のデジタル資産に投機するためのレバレッジとして使用されています。また、借り手は清算を避けるために、担保のレベルを常に監視する必要があります。また、これらの流動性プールはKYCを必要としないため、取引所やその他のカストディアンへのプラットフォームに統合を遠ざけています。

現状のDeFiの課題に対処している3つの注目のプロジェクト(Teller Finance、Maple Finance、Alkemi Network)について、「DeFiレンディング2.0」という括りでご紹介します。これらはオフチェーン情報を取り入れて、担保不足のローンやコンプライアンスに準拠したレンディング商品を提供しています。

Teller Finance

Teller Financeは、一元化された財務データによりユーザーの信用リスクを評価し、無担保ローンを提供することを目指す融資市場です。

ユーザーがローンを要求すると、バリデータ・ノードがオフチェーンの金融データ(銀行取引、信用報告書、収入証明書)を取得します。これらのデータをオープンソースのアルゴリズムにかけると「スコア」が算出され、金利も決定されます。複数のバリデータ・ノードが同じ財務情報を使って同じアルゴリズムを実行することで、互いの作業をクロスチェックし、結果としてクレジットと金利の計算が正しく行われていることを確認します。その情報は、ローンを実行するために、イーサリアム上のスマートコントラクトに提出されます。現在、TellerはPlaidと提携し、オフチェーンの情報収集を支援しています。

誰かがローンを不履行にすると、通常のローンと同じように現実世界の信用に影響を与え、借り手は第三者の回収業者から連絡を受けることになります。オフチェーンの世界と連動する上で、TellerはGDPRのコンプライアンスに準拠します。

Alkemi Network

Alkemi Networkは、CeFiからDeFiへの橋渡しとなるプロジェクトで、既存の金融機関がDeFiへのエクスポージャーを得ることを目的としています。「Alkemi Earn」というプロダクトは、ETHメインネット上に公開されており、取引所やカストディアンが顧客にデジタル資産のローン機能を提供することを目的としています。

Alkemi

Alkemi Earnは、KYC済みのアカウントの流動性を集約する「 ‘trusted-counterparty’(信頼できるカウンターパーティ)liquidity pool」を提供し、機関レベルのリスク管理とコントロール機能を提供します。

Alkemiチームは、第3四半期に既存のCeFiパートナーへAlkemi Earnの統合を開始し、ガバナンストークンも発行される予定です。また、パーミッションレスのレンディングプールをリリースする予定です。

Maple Finance

Maple Financeは、ファンド、マーケットメーカー、取引所、マイナー向けのレンディングプロトコルです。

Pool Delegate(プール代理人)が、企業の借り手との融資条件の交渉を担い、貸し倒れの可能性が低い評判の良い借り手を選定します。

Pool Delegateはまず、個別の流動性プロバイダー(LP)から資金を集めてプールを構築します。プロフィールを公開し、自らの経歴、貸付戦略、目標利回りを開示してLPを集めます。Pool Delegateが十分な資金を集めて初めて、借り手にローンを提供することができるようになります。

Pool Delegateは流動性プールの管理のために、MPLトークンをステークします。このMPLトークンは、プールの損失補填の資本準備金となります。また代表者の利益をLPと調整する役割も担います。

Pool Delegateが借り手の信用力を判断し、借り手が計画通りにローンを完済した場合、Pool DelegateとLPは利息の一部を受け取ります。債務不履行が起こるとPool DelegateはステークされたMPLトークンを失います。

Maple Financeは5月中旬にメインネットを立ち上げ、Orthogonal TradingとMaven 11 Capitalが管理する2つの流動性プールを設置しました。Maple社の長期的な目標は、プロトコルの分散化を進めることです。

ソース:The Rise of Crypto Lending 2.0-Quantstamp