STEEMは2016年4月に公開されたSteemというブロックチェーンプラットフォーム上の仮想通貨で単位はSTEEMです。
仮想通貨Steem(スチーム/STEEM)の最新価格・相場・チャート・評価
仮想通貨Steem(スチーム/STEEM)の特徴
Steemって?
Steemはコミュニティの形成と仮想通貨での報酬による社会相互作用をサポートする目的で作られたブロックチェーンデータベースです。ソーシャルメディアの概念と、仮想通貨とそれを取り巻くコミュニティから学んだものが活かされており面白い設計がされています。
Steemでは各々の貢献度を反映した報酬がコミュニティ参加者のモチベーションを上げるめに重要だと考えられていて、その手続を正確で透明性のあるものにするためにブロックチェーン技術が使われているといえます。
既存のソーシャルメディアでは例えば記事や動画を投稿するなどしてユーザーが作り出したコンテンツによってプラットフォームを提供している企業や株主は多くの利益を得てきました。しかしコンテンツを作成しコミュニティの価値を高めるのはユーザーです。Steemは、このユーザーにこそより多くのものを還元すべきだとし、仮想通貨による報酬を採用しています。経済的インセンティブを利用するこの手法はSteemの市場を、まだ仮想通貨の市場に参加していない人も含んだより広いものにする可能性があります。
特徴1:公平でより開かれたソーシャルメディアのためのプラットフォームを目指して
SNSにはコンテンツの評価システムがあります。ハートのマークや親指を上げたマーク、サービスによって形は異なりますがコンテンツを評価するという点では同じです。Steemも同様にコンテンツの評価を行わなければならないのですが、報酬を得るための意図的な操作に対して耐性のある評価アルゴリズムを採用する必要がありました。
既存のプラットフォームでは一人一票の原則が存在しています。この場合Sybil attacksと呼ばれる手法、具体的には複数アカウントを作成し投票することによって意図的な評価の操作が可能になります。既存のSNSでも閲覧者数を稼ぐために利用される手法ですが、Steemの場合仮想通貨を得ることが出来るのでより考えられた対策が必要です。
Steemではプラットフォーム上で利用可能な仮想通貨STEEMに投票権を対応させ、1STEEMごとに1票という基本ルールを採用しています。つまり、コミュニティへの貢献度を測る指標としてSTEEMを利用しているのです。Steemでは自身の大切な時間を使ってコンテンツを作成しコミュニティに貢献するユーザーと同様に、自身の大切なお金を支払うことでコミュニティに貢献するユーザーも大切にしています。そのため取引所でも購入可能なSTEEMを基準にしても理念に反することはないようです。そしてこの1STEEM1票はあくまでも基本ルールであり、実際にコンテンツへを投票で評価する際には修正された形が採用されています。これに関してはSteem Powerの項目で説明します。
尚、投票はコンテンツ評価とその報酬決定プロセスにおいて重要な役割を果たすものなので、コンテンツのプロモーションに対する寄与度に応じて、コンテンツ制作者への報酬と比例する形で投票者にも報酬が与えられます。こういったところからも永続的な発展を期待した設計が行われているのが感じられますね。
特徴2:3つの通貨の形
SteemにはSTEEM、Steem Power(SP)、Steem Dollars(SBD)と3つの通貨があります。
STEEM
Steemブロックチェーンに於いて基礎となる通貨です。Steemのプラットフォームで発行されるトークンが価値を持つのはSTEEMがあるからだといえます。取引所での売買、他者への支払い方法としての利用ができる流動性のある通貨です。
Steem Power(SP)
スタートアップ企業は資本の長期的な参加を必要としており、投資した場合でも取得した株式の売買や報酬の現金化に期間での制限があることがあります。このような資本面での長期的なコミットメントが望めない場合、スタートアップ企業は追加の資本投資の機会を模索したり、新たな株式の発行を考えなければいけず、これらの選択肢には既に得た投資家を離脱させる危険性があります。企業としては一度資本面での長期的なコミットメントを得れれば、奇を衒った短期的な戦略ではなく、より長期的な目線での成長戦略を立てることができる様になります。
仮想通貨の世界では、殆どの投機家は短期的な視点で投機しています。Steemは長期的な展望を持った参加者に支えられるようなプラットフォームを理想としていますが、こういった投機家の行動も考慮する必要があります。そこで先程のスタートアップ企業のダイナミクスを基に考えられたのSteem Power(以降SP)です。
SPは、簡単にいうとSTEEMを一定期間ロックアップしたものです。このロックアップされた状態は13週続き、期間が終了すると自動更新されます。この期間内は流動性がなく、譲渡したり分けたりすることは出来ません。これだけだと数年ごとに自動更新される携帯の契約みたいですが、メリットもあります。
ユーザーは投票を通してコンテンツの報酬量に影響を与えることができるのですが、その影響の度合いがSPの保有量と直接的に比例する形になっています。つまり、よりSPを持っている人が報酬への影響力を持ちます。
また、SP所有者にはその保有量に応じて新たに発行されるSPが与えられる特典もあります。
しかしロックアップ期間に関して注意が必要で、パワーアップと呼ばれるSTEEMからSPへの変更はすぐに行えるのですが、逆にパワーダウンと呼ばれるSPからSTEEMへの変更には13週かかるのです。ユーザーがパワーダウンを実行すると、その翌週から毎週同じ割合でSTEEMへの変更が行われます。つまり、13STEEM分のSPをパワーダウンした場合、翌週から毎週1STEEMが払い戻されます。
Steem Dollars(SBD)
STEEMとSP以外にSBDというドルと連動するステーブルコインも用意されています。
特徴3:Steemを利用して開発されている様々なサービス
既にSteem上で様々なSNSが開発されており、その代表がブログの投稿などが行えるSteemitと呼ばれるサービスです。このSteemitへ投稿されたコンテンツは投票によって評価され、報酬が支払われます。報酬はSPとSBDで構成されていて、SBDの割合が0から50%の間で調整可能です。Steemの公式ブログもこのSteemit上で書かれています。利用者によるSteemに関する議論も行われていて、面白いです。(例:パワーダウンに関する投稿)
他にもいろんなサービスがあり、DTubeと呼ばれるYouTubeの代わりになるようなものもあります。
仮想通貨Steem(スチーム/STEEM)の詳細
承認方法:PoW
公開日:2016年4月
公式サイト:https://steem.com/
公式ブログ:https://steemit.com/@steemitblog
仮想通貨Steem(スチーム/STEEM)の評価
Steem上で開発されるApp
SteemベースのAppの中ではSteemitが有名ですが、他にも多様なアプリが開発されています。
YouTubeを真似たDTubeなどとても面白いと思うのですが、コンテンツの充実度としてはまだまだです。現状ではSteemコミュニティのみに使われているといった感じで普段YouTubeを見ている人からすれば退屈に感じてしまうのではないでしょうか。現状ではSteemに関係しないユーザーが自然発生的に流れてくることはほとんど考えられません。しかし、魅力的なコンテンツを作成するクリエイターがDTubeを利用し始めれば普段YouTubeを見ている人も自然とプラットフォームに流れてくると思います。YouTubeでは広告収入を利用したコンテンツ制作者への報酬支払いシステムが確立しており、トップクリエイターになればかなり高額の報酬を受取ることが可能です。そのため、YouTubeかDTubeのどちらかを選べと言われれば前者を選ぶクリエイターの方が多そうです。しかし実際は別に択一ではなく、今までどおりYouTube用に作った動画をそのままDTubeにアップロードすればいいだけの様に思えます。YouTubeからの収入を確保しながらも追加でSPを貰える。長期的な視点を重視するSteemなのですぐにSTEEMの価値が上がるかは分かりません。しかしプラスになるのですからやってみようという人は出てくるのではないでしょうか。こういった流れさえ作れればDTubeのコンテンツも充実し、中央集権的なYouTube上で行われるアカウントのバンや広告掲載の停止などに反発する一定の層を取り込んで一つの勢力として成り立ちそうです。
長期的な展望
SPは一定期間ロックアップされて払い戻しにも時間がかかります。Steemが期待した通り、短期的な投機家を遠ざける目的は果たせると思います。しかし一般利用者の中にも自身の資産が一定期間ロックアップされることに抵抗を感じるといった意見があるのをSteemitで見ました。
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