BitcoinSVは、11月15日に決行されたビットコインキャッシュのハードフォークでBitcoin ABCとともに分岐して誕生したチェーンです。元々はBitcoin CashのクライアントソフトだったBitcoin ABCのみハードフォークする予定でしたが、互換性のないクライアントソフトBitcoin SVが誕生し、ブロックチェーンが2つに分岐しました。
Bitcoin SVは、自称サトシ・ナカモトと称するクレイグ。ライト率いるnChain社にサポートされています。SVとはSatoshi Visionの略語であり、Bitcoinの生みの親サトシ・ナカモトのビジョンを反映した真のBitcoinであることを示しています。
目次
Bitcoin SV(BSV)の最新価格・相場・チャート・評価
Bitcoin SV(BSV)の特徴
「Bitcoin ABC」VS「Bitcoin SV」ハッシュ戦争
2018年11月15日にビットコインキャッシュからハードフォークし、Bitcoin.comのロジャー・バー氏とBitmainCEOジハン・ウー氏率いるBitcoin ABC側とクレイグ・ライト氏率いるBitcoin SV側の2本にブロックチェーンが分岐しました。その分岐後にそれぞれのハッシュパワーを競い合う「ハッシュ戦争」と呼ばれる現象が起きました。
2017年のBitcoinとBitcoinCashとの間で起きたハッシュパワーの奪い合いの場合は、マイナーによる経済合理性の追求(マイナーの収益を効率化)の結果生じたものだったと言われています。マイナーの収益は採掘難易度とマイニング対象の仮想通貨の市場価格によって決まります。Bitcoinの採掘難易度は約2週間ごとに調整される仕様で、一方のBitcoinCashは当初1ブロックごとに採掘難易度を調整するアルゴリズムが採用されていました。
BitcoinCashの採掘難易度が低くなれば、当然マイナーはBitcoinCashを採掘した方が収益性が高くなるので、ハッシュパワーをそちらにまわすようになります。しかし、そうなるとBitcoinCashの採掘難易度は段々と高くなってしまいますので、BitcoinCashの採掘難易度がBitcoinの採掘難易度を上まわり、今度はBitocoinへマイナーたちはハッシュパワーをまわし始めます。この繰り返しが極端なハッシュパワーの乱れを引き起こしたとされています。この時は2017年11月13日にBitcoinCashが難易度調整アルゴリズムを改定することでこの現象は収束しました。
しかし今回のBitcoin ABCとBitcoin SV間のハッシュ戦争はかつてのそれとは少し趣が異なります。今回の場合はマイニングから得られる報酬よりも投入する電気代の方が高く赤字採掘の中で繰り広げられたハッシュ戦争で、経済合理性を欠いた両陣営の戦いはBCHの名前やネットワークを引き継ぐための衝突とされています。最終的にはBSVが「Original BitcoinCashではなく、Original Bitcoinである」という主張し、ABCがBCHの名前とネットワークを得て、SVは自身のネットワークを持つことで一応の終結を迎えました。
今回のハッシュ戦争はABC側、SV側ともに特定の思想を持った勢力が結託してハッシュパワーを集めて行なっていました。つまり、ちょっと泥臭い戦いだったのではないかなという感じがします。
Satoshi Vision:4つの柱「安定性」「スケーラビリティ」「セキュリティ」「ゼロ承認トランザクション」
上記で両陣営ともに特定の思想を持っているという表現をしましたが、Bitcoin SVのSVとはSatoshi Visionのことで、Bitcoinの生みの親サトシ・ナカモトの思想を受け継いだ正統なBitcoinであるということを主張しています。
サトシ・ナカモトの思想を受け継ぐとはどういうことかというと、2008年に発表されたサトシ・ナカモトのホワイトペーパー「Bitcoin:Peer-to-Peer Electronic Cash System」で描かれたビジョンを反映した仮想通貨であるということです。つまりこのホワイトペーパーがBitcoin SVにおける聖典のような役割を担っているのです。
Bitcoin SVは公式サイトでSatoshi Visionという名のロードマップを公開しています。そこには基本となる4つの柱「安定性」「スケーラビリティ」「セキュリティ」「ゼロ承認トランザクション」が掲げられています。
安定性
企業がアプリケーションやWebサイトを確実に構築できるように安定性を持たせた設計にすることをまず第一の目標にしています。安定性の一つの側面としてリプレイプロテクションの導入をあげています。SVはBitcoin ABC側(現Bitcoin Cash)が安定性を優先事項として扱っていないことを指摘しており、安定性については特に意識しているようです。しかし、リプレイプロテクションの導入には、ビットコインSV側が、ビットコインエコシステムと連携する必要があるため、具体的な日程は準備が整い次第発表するようです。
Bitcoin SV曰く、BitcoinCashで行われた不必要なアップデートによって、ブロックチェーンのセキュリティや経済的インセンティブ構造に不具合が生じる可能性があるとし、Bitcoinプロトコルを元の設計に戻し、Satoshi op_codesを復元させる予定を立てているようです。その上でスマートコントラクト、トークン化、アトミックスワップなどの機能を実装させていくようです。
スケーラビリティ:ビットコインキャッシュの4倍のブロック容量
ビットコインキャッシュもビットコインからハードフォークした際に、スケーラビリティ問題に対処するためにブロックサイズを拡張し32MBにしましたが、ビットコインSVはビットコインキャッシュのさらに4倍の128MBへ拡大させるアップデートを提案しています。
セキュリティ
Bitcoin SVは世界規模で利用されることを目標に掲げており、それ故にそれに見合ったレベルのセキュリティの高さを確保することを実現させようとしています。そのためマイニングノードソフトウェアの厳格な品質保証に重点を置き開発していくようです。
ゼロ承認トランザクション(0-conf)
ゼロ承認トランザクション(0-conf)とは、即時取引を可能にする仕組みです。
Bitcoinが持つ機能RBT(replace-by-fee)を削除することで、トランザクションが送信された時点で、コミットされたことにしてしまい、即時で承認させることができる機能です。ただし、ブロックチェーンではあるので、確実にブロックに取り込まれることが前提にないとできない仕様です。BitcoinSVの場合はブロックサイズを128MBに拡張しているので0-confが可能とされています。
ちなみにRBT(replace-by-fee)とは情報を誤送信してもトランザクションがブロックに取り込まれる前に、先に送信した際の手数料よりも高い手数料を支払えばキャンセル、情報の上書きができる機能のことです。
Bitcoin SV(BSV)の詳細
発行上限枚数:21,000,000 BSV
承認方法:PoW
公式サイト:https://bitcoinsv.io/
Bitcoin SV(BSV)の評価
Bitcoin SV ニュース
2018年12月:Bitcoin SVのゼロ承認トランザクションで二重支払いができる可能性
2019年4月:Twitter上で、「BSVの上場廃止運動」が広まっており、大手仮想通貨取引所バイナンスのCEO、CZ氏も上場廃止を示唆
追記、バイナンスBSV上場廃止となりました。
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