最近、NFT市場に大きな変化が起こっています。新興NFTマーケットプレイス「Blur」の台頭や、それに伴う既存の市場リーダー「OpenSea」にも新たな動きが見られます。
Blurの出来高ランキングが1位なったことで、NFT市場の取引出来高の多くは、少数の大口トレーダーによる影響が大きいことが知れ渡りました。
そして、大口トレーダーをターゲットとしたマーケティングが主流になりつつあります。
そこで、OpenSeaは、2023年4月4日にNFTプロトレーダー向けの「OpenSea Pro」を公開しました。
この記事では、OpenSea Proの概要や機能、今後のNFT市場について詳しく解説します。NFT市場に興味がある人や投資家、トレーダーは必見の内容です。
Open sea Proとは?
OpenSea Proは、高度なNFT取引ができるNFTマーケットプレイスで、世界最大のNFTマーケットプレイスであるOpenSeaが、プロトレーダー向けにリリースしたものです。
元々のサービス「ジェム(Gem)」をリブランディングして誕生しました。
そのため、OpenSea Proにもアグリゲーター機能が搭載されています。
アクセスできるNFTマーケットプレイスの数は170種類以上にもなります。
NFTアグリゲーターとは?
NFTにおけるアグリゲーターとは、各NFTマーケットプレイスにまとめてアクセスできる機能のことです。
OpenSeaでは、以下のようなNFTマーケットプレイスにアクセスできます。
この機能があることで、別のNFTマーケットプレイスで出品されているNFTを、1つのサイトのみで確認できます。また、並べ替え機能で価格順に表示することも可能です。
そのため、簡単に比較したり、NFTを探す時間短縮したり、欲しいNFTを見逃さなくなったりなどのメリットがあります。
通販で言えば、価格.comのようなイメージです。
Open sea Proが公開された背景について解説
OpenSea Proが公開された背景には、最近になってプロトレーダー向けの新興プラットフォームBlurが台頭してきたことがあげられます。
Blurについて詳しく知りたい方は以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
OpenSeaは以前はNFTマーケットプレイスの1強でした。
しかし最近ではそれが変わり、dappradarによると、過去30日間の出来高ランキングでは、Blurが1位で、OpenSeaは2位という結果になりました。
具体的には、Blurの出来高が約115億ドルに対し、OpenSeaは約35.6億ドルで、Blurの方がOpenSeaの3倍以上の出来高を記録しています。
これを受けた、OpenSeaが、対抗策としてOpenSea Proを公開したとみられます。
しかしOpenSea Proの開発の理由は、Blur台頭だけではありません。
なぜならBlurのサービス開始より前から、プロトレーダー向けのNFTマーケットプレイス「Gem」を買収しており、すでに開発に着手していたからです。
いずれにしても、NFT市場におけるプロトレーダー向け需要が重要になったことが、Open sea Proの公開につながっていると考えられます。
OpenSea ProとBlurの違いについて解説
NFTアグリゲーターとしての基本的な機能は、OpenSea ProもBlurも似たような機能があります。
大きく違うところの1つは、対応しているNFTマーケットプレイスの数です。
OpenSea Proは172種類に対して、BlurはOpensea、LooksRare、X2Y2のみです。
Blurでも多くのNFTはカバーできますが、OpenSea Proの方がより幅広いです。
違いをもう一つ挙げると、Blurには、独自トークンである「BLUR」を取引量の多いユーザーにエアドロップする仕組みがあります。
独自トークンを持たないOpen Seaでは、トークンの代わりにNFTのエアドロップという方法が取られています。
OpenSea Proの主な機能を解説
ライブミントオーバービュー
OpenSea Proは、NFTマーケットプレイス全体のユーザーやコレクションのアクティビティの動向を追跡しています。
そして、その情報をリアルタイムで更新することにより、ユーザーにとって最も正確で最新のデータを提供しています。
具体的には、OpenSea Proはトレンド、ミント、コレクションページの全てのデータを数秒で更新し、ユーザーがNFT市場の変化に常に追従できるよう支援しています。
このようなリアルタイムのデータは、プロトレーダーたちが投資判断をする上で不可欠であり、OpenSea Proはそれを提供することでプロトレーダーたちの意思決定をサポートしています。
自分に合ったスタイルに画面をカスタマイズ可能
例えば、コレクター向けのレイアウトを使用した場合、NFTアイテムの格画像をタイル形式で並べて、鑑賞や確認することができます。
一方で、プロトレーダー用のレイアウトを使用した場合、管理画面上で、RankやList Price、Offerなどの取引に重要な項目を一度に確認できるようにすることができます。
自分に合ったスタイルを選ぶことで、満足度が高まるでしょう。
その他機能
他にもOpen Sea Proは以下のような多くの機能を有しています。
- まとめ買いやまとめ売りができる(スイープ機能)
- コレクションオファーなどの注文機能
- アイテムを簡単に購入・販売・管理することができる在庫管理機能
- NFTアグリゲーターの中で最もガス代を最適化
- モバイルデバイスに最適化されており、スマーフォンでも使いやすい
OpenSea Pro公開による今後のNFT市場
大口のトレーダーの増加
OpenSea Proの公開は、NFT市場にとって大きな転換点となる可能性があります。
従来、NFT市場は個人的な趣味やコレクション目的によって取引されることが多かったため、小規模な取引が中心でした。
しかし、OpenSea Proの登場により、NFT市場にはよりプロトレーダー向けのサービスが供給されることになり、大口の取引が増えることが予想されます。
これによってNFT市場の規模が拡大することで、一般ユーザーも注目するようになり、市場の普及が進む可能性があります。
また、大口顧客が増えることで、NFTプロジェクト側も市場を広告することで、更なるユーザーの獲得を目指すことができます。
より成熟した取引環境への期待
OpenSea Proはユーザーアクティビティのリアルタイムな追跡とアップデートを提供することができるため、他のNFTマーケットプレイスにとっても大きなメリットとなります。
マーケットプレイスは、NFT取引においてより透明性と信頼性を提供することで、より多くのユーザーを引き付けることができます。
また、OpenSea Proの成功によって、他のNFTマーケットプレイスも類似のサービスの提供を始める可能性が高くなります。
これによって、NFTマーケットプレイスの競争が激化し、ユーザーにとってより良い取引環境が整えられ、利便性が向上することが期待されます。
OpenSea Proについてまとめ
OpenSea Proは、NFTトレーダーやコレクターにとって非常に役立つツールであり、NFT市場の成長に貢献することが期待されます。
このサービスによって、ユーザーはリアルタイムで市場情報を把握し、NFTの取引をよりスムーズに行うことができます。
また、大口顧客向けの機能が強化されたことで、NFTマーケットプレイス全体の成長にもつながると予想されています。
今後、OpenSea Proはさらに機能やユーザビリティの向上が期待されており、NFT市場においてますます重要な存在となることでしょう。
NFT取引を始める人も、すでにNFTトレードに携わっている人も、一度OpenSea Proを使ってみてはいかがでしょうか?