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Ramp/ランプのざっくりとした仕組み|既存の銀行とパブリックブロックチェーンをスマートコントラクトで連携

Ramp/ランプ」とは、 既存の金融サービス(銀行)をオープンネットワーク(ブロックチェーン)とシームレスに連携させることを目的に現在開発が進められているプロジェクト。具体的には世界中の銀行からデータを取得しスマートコントラクトを用いてパブリックブロックチェーンへとつなぐオラクルの構築を目指しています。

2019年7月15日現在は、法定通貨と仮想通貨(現暗号資産)をP2PスワップさせるRamp Swap(β版)というRamp第一弾となるサービスを提供しており、ETHと英ポンド(GBP)のスワップを可能にしています。また将来的には世界中の銀行と連携させる予定をしており、実現すると暗号資産と法定通貨という2つの世界を第三者を信用しない形で橋渡しすることが可能になるようです。

今回はそんなRampの仕組みをざっくりご紹介していきます。

Rampの掲げるミッション

Rampのミッションは「オープン」と「クローズ」の世界を接続すること。要はオープンな性質をもつブロックチェーン金融システムと既存のクローズドな銀行システムを、第三者を介さずに簡単にP2P接続できる分散型システムの構築を目指しています。

Rampの仕組み

Rampが法定通貨と暗号資産を第三者を介さずにどのようにしてスワップさせるのか。その仕組みについてザックリとご紹介します。

①エスクロー・スマートコントラクト

まずは取引に用いる口座について。

エスクローとは、取引において買い手と売り手の間に第三者が介在することで、代金と商品の安全な交換を保証するサービスのこと。ですが、Rampの場合は「信用できる第三者」を介在させるのではなく、「コード」によって「法定通貨」「暗号資産」の安全な交換を保証しています。

この取引はスマートコントラクト・エスクロー・アカウント(要は口座)を介して行われており、購入者が暗号資産の販売者に対して適切な額の法定通貨を送る場合に限って購入可能にします。またこの口座はいかなる第三者によっても管理されておらず、事前にプログラムされたロジックによってのみ運営されています。

※スマートコントラクトについては下の記事をご参照ください。

②ダイレクト・ワイヤー・トランスファー

実際に取引をすると買い手は、売り手への支払いを可能にする「ダイレクト・ワイヤー・トランファー」を受け取ります。この「ダイレクト・ワイヤー・トランスファー」を売り手に送ることで代金の支払いが行われます。

③ペイメントオラクル

ブロックチェーンネットワーク(暗号資産)と、その外側にある既存のネットワーク(法定通貨)を如何に繋げるかがポイントになります。

ペイメントオラクルは、オープン・バンキング・プロトコルを用いることで、購入者の支払い確認を行います。これは後々の話にはなりますが、例えばヨーロッパの場合ですと、ライセンスを取得した第三者に対して各銀行のAPI利用を可能にすることを規定したPSD2 Derectiveによって実現させるようです。

オラクルとは?という方は下の記事をご参照ください。

④プルーフ・オブ・ペイメント(支払い証明)

支払いはどのようにして証明されるのか。販売者に対して適切な額の法定通貨の支払いが成されると、エスクロー・スマートコントラクトが起動し自動で販売者の暗号資産をアンロックして購入者へ送信されます。またこの際の支払い証明はトランザクションの単なるハッシュであるため、詳細情報はブロックチェーンに送信されません。

以上がRampにおける法定通貨、暗号資産P2P取引のザックリとした仕組みです。ブロックチェーンの外側にある法定通貨と暗号資産を第三者を介さない形で如何にスワップさせることができるか。Rampはこの課題を解消しようとする注目の分散型プロジェクトの一つですね。