AvalancheはSolanaやBSCと言った多くのイーサリアムキラープロダクトの中の一つで21年以降に大きく成長しているプロダクトの一つです。
イーサリアムキラーと言うのはその通り現状Defi市場のシェアの大半を占めるイーサリアムに対抗するために考えているプロジェクトとなります。2018~2019に起こったDefiバブル、そして2020年頃に起きたNFTバブル以降更に加速したイーサリアムの市場の発展に伴いガス代の高騰やトランザクションの遅延等がイーサリアムネットワークでは問題視されそれを改善し更に良好なチェーンとして成り変わるのを目的に作られていました。
イーサリアムネットワークと比較して高度なスケーラビリティを特徴としているのが多くAvalancheも例外ではありません。
Avalancheは高度な分散性を持ち高速トランザクションを特徴としたプラットフォームとなっています。21年4月のAvalanche Rushという1億8000万$の流動性マイニングインセンティブプログラムによって一気に注目を浴びてネイティブトークンの価格は急上昇し話題になりました。
Avalancheの特徴について
では次はAvalancheが持つ特徴について解説していきます。
- 全く異なるコンセンスアルゴリズム
- EVMによる相互運用性
- サブチェーン作成機能
の3つが大きな特徴となっております。
Avalancheのコンセンスアルゴリズム
Avalancheのコンセンスアルゴリズムは「アバランチ・コンセンサス」と呼ばれる独自のアルゴリズムを採用しています。
コンセンスアルゴリズムというものは合意方法とも呼ばれ、ネットワーク参加者の総意の決定方法のようなものです。
今まではクラシカルコンセンサス、ナカモトコンセンサスと呼ばれる2つのコンセンスアルゴリズムしか存在しておらず、現在のブロックチェーンネットワークには適しておりませんでした。
アバランチコンセンサスと言うのはスピードとエネルギー効率の良さが特徴であるクラシカルコンセンサスとオープン性、分散性、そしてセキュリティの高さが売りのナカモトコンセンサスのいいとこ取りをしたハイブリット柄アルゴリズムです。
アバランチコンセンサスは全てのノードが全てのノードと関わる必要が無いためどれだけノード数が増えたとしてもやり取りするノードの数が増えない事が非常に画期的でネットワークの拡大が促進され高速トランザクションが可能となります。
相互運用性
AvalancheはEVM互換性を持っており何よりイーサリアムのスマートコントラクト構築において最も利用されている言語である「Solidity」に対応している為イーサリアムのDaapをそのままAvalancheへ持ち込むことが出来ます。
世界で最も使われているETHのWEB3ウォレットであるMetaMaskもAvalancheにて使用可能となっており前述したAvalancheラッシュでは、Aave、Curve、SushiSwapといったプロダクトも参加しております。
サブチェーン作成
Avalancheの大きな特徴として誰でも「サブネット(Subnet)」を構築することが可能となります。複数のノードから構成されるネットワークを構築しその中にブロックチェーンを作成することが出来ます。サブネット内のブロックチェーンを構築するときは割りと自由性が高くプライベート型もパブリック型もどちらも作成可能となっておりユースケースによってカスタムすることが可能となります。
ブロックチェーン構造
Avalancheは主にX-Chain、C-Chain、P-Chainのそれぞれ用途が異なる3つのチェーンから構成されています。ETHネットワークやBSC,SPLなどのネットワークは機能が全て一つにまとめられてるのに対しAvalancheはネットワークを分割することによって効率的に稼働をさせる事が出来ます。
X-Chain
X-chainは資産の作成とトレードに特化したチェーンとなっております。スマートコントラクトには対応していません。
X-Chainは実は厳密に言うとブロックチェーンではなくDAG(Directed Acyclic Graph)となっております。このDAGというのは一つのブロックに対して複数のブロックがつながることが可能となるためトランザクションを一つ一つではなく並列に処理するため処理速度が格段に上がります。
C-Chain
C-ChainはEVM互換を持っているのでスマートコントラクトが実装されています。Dappsにはこのチェーンを利用します。Avalancheを使用する際に殆どのユーザーはC-Chainを利用すると思います。
P-Chain
P-Chainは主にAvalancheのメタデータを記録しています。バリデータの後述やサブネットの管理がこのチェーンでは行われています。
Avalancheの将来性
ここまではAvalancheの特徴、魅力について解説しましたが次はAvalancheの将来性について他のチェーンと比較しながら解説していきたいと思います。
現状ETHが一強、時点でBSC,SPLチェーンが人気となっております。
ETHは言わずもがなBSCの強みとしては経済圏をBinanceを中心にある程度構築出来てしまっていること、言い換えるとブロックチェーンの強みである分散性が薄く中央集権的になってしまっているところです。
2021年SOLANAの価格急騰と共に台頭したSPLチェーンはアラメダリサーチからの後ろ盾もありなおかつ多くのチェーンのようにEVM互換を持つチェーンではなく独自のチェーンとなっております。優れたスマートコントラクトで高速処理が可能なで手数料もSPLですがやはり弱点もあってNFTのセールやDEXに新規通貨が上場する際などにそのトランザクションが集中してしまいネットワークエラーが生じ、ネットワークが止まってしまうことも稀にあります。
Avalancheはネットワーク全体で見るとP2Eプロダクトである「Crabada」がトランザクションの半分程度と中々圧迫しており他に目立ったプロダクトがない状態です。
しかし安易にサブチェーンを構築できるところ、EVN互換を持っており「Solidity」に対応している点や手数料だったりトランザクション処理の速さを考えるとかなり将来性がありSPLやBSCに並ぶどころか超えるくらいの資質を秘めていると思っています!
まとめ
今回はAvalancheの特性と将来性について解説しました。
特有のコンセンスアルゴリズムだったりチェーンを分散させてる点など他のチェーンに比べて技術的にもとてもおもしろいですね!
現在はBTCの価格につられ、やや低迷気味ですが開発者視点からみてもかなりよくできてるらしく今後の成長が期待できますね!