Growdrop|DeFiプロトコル(Compound、Uniswap)を用いた新しい資金調達方法

デリバティブ

Growdropとは、DeFiプロトコルの流動性プールを利用したクラウドファンディングソリューションです。CompoundやUniswapというDeFiプロトコルを用いた金利による資金調達トークン取引できる環境を簡易的に作成しトークンの価値形成までをサポートする新しさを感じる資金調達方法です。ポイントとなるのはICOでは資金調達の障壁は低いけれども詐欺かどうかの判断が難しく信用コストが高い、STOは投資家保護にはなるが規制が関与するため障壁が高まる。如何にしてプロジェクトの信用コストを下げて手軽に資金調達できるかに焦点をおいた資金調達手段がGrowdropです。ただし金利による資金調達であるため、DeFiレンディングプロトコルの金利率が変動するリスク、大量の資金投入がなければ目標金額に達するのが難しい可能性、レンディングプロトコルを信用する必要はあります。今回はGrowdropの仕組みをザクっとご紹介致します。

Growdropの仕組み

Growdropは簡単にいうと、Growdropのスマートコントラクトを展開し、Growdropプールを作成し、そこにサポーター(投資家)からの資金を投入してもらい、その資金をDeFiレンディングプロトコルに貸し出して得た金利をプロジェクトに与えるというものです。サポーターはその見返りとして、投資額に応じたプロジェクトトークンが配布されます。これによりサポーターは、Growdropのスマートコントラクトを信用する必要はありますが、投入した資金は引き出し可能となるため元本保証されることになります。つまり、このような仕組みによりトークンプロジェクトに対する信用コストは低くなるということです。アイデアとしてとても興味深い仕組みですね。

Growdrop資金調達の流れ

step1:資金調達用のプール作成

まず資金調達をしたいトークンプロジェクトは、Growdropのスマートコントラクトを展開し、Growdropプールを作成し、暗号資産の送信を可能にします。この時、展開するスマートコントラクトで資金調達期間トークン量を入力する必要があります。

step2:発生した金利をプロジェクトへ送信

Growdropプールに預けられた暗号資産から得られた利子(DAI)は、資金調達期間の終わりにトークンプロジェクトに送金。

step3:元本の返却

資金調達後、スマートコントラクト内のプロジェクトのトークンは提供した資金で獲得した金利に応じてサポーターへ提供、さらに最初に投入した資金も返却。つまりサポーターは自身の資金を低リスク(スマートコントラクトが安全であるという前提ですが)で運用可能ということです。

Step4:オプションでUniswapに流動性プール作成し、取引可能に

トークンプロジェクトは、Growdropの資金調達終了後に特定のトークンと金利を設定することにより、エクスチェンジ(DEX上で取引可能にします)を作成し、Uniswapに流動性プールを追加することができます。このオプションがあることで、集権型取引所へ上場していなくても、サポーターは作成された特定のトークンの取引が可能となりトークンの価値形成の場を提供することが可能です。仮に流動性プールの作成に失敗した場合は、残っている全てのトークンと利益はトークンプロジェクトに送られるようです。

Growdropの例

上記の説明だと少し抽象的すぎるかもしれませんので、少し具体的な例を参照して説明します。上画像は仮のプロジェクトCKBがGrowdropを利用して資金調達した場合を示しています。まずCKBプロジェクトはGrowdropプールを作成し、1ヶ月間に100,000CKBトークンで資金調達します。これに対して三人の投資家Mike(投資額300,000DAI、全体の30%)、Ryan(投資額500,000DAI、全体の50%)、Bob(投資額200,000DAI、全体の20%)が投資したとすると、総額1,000,000DAIがプールされたことになります。これを1ヶ月運用し仮にAPR(年利)12%であった場合は1ヶ月で1%なので、得られる金利は総額およそ10,000DAI(DAIはほぼ米ドルに連動なので約1万ドル)で、その累計利息をCKBプロジェクトが受け取ります。投資した投資家たちはそれぞれの投資比率に応じて、100,000CKBが分配されるので、投資額全体の30%を投資したMikeは30,000CKBを受け取り、さらに元本の300,000DAIが返却されます。これと同様にRyanは50,000CKB+500,000DAI、Bobは20,000CKBと200,000DAIを受け取ることになります。さらにCKBトークンの取引ができるようにUniswapに流動性プールを作成し、流動性を提供すれば、Uniswap上で取引可能となりトークンの価値形成を行うこともできるということです。

Growdrop詳細

Growdropでの資金調達は上述の通りDeFiエコシステムに依存しています。DeFiそのものがまだまだ初期段階にあり、大きな影響を及ぼすリスクはあります。またDeFiレンディングプロトコルの金利モデルに影響を及ぼす可能性もあり、金利のボラティリティが高まる可能性もあります。しかし、一方でGrowdropの提供する新しい資金調達手段は、これまでのICOのようにトークン販売価格もなく、ロックアップ期間もなく、トークン発行数をより柔軟にし、さらにサポートする投資家はプロジェクトの状況に応じて資金の入出金を行うことができるという点で、web3.0時代を感じさせる新しい資金調達方法と言えるのではないでしょうか。