DYDXの登場により、分散型取引所のデリバティブ市場の競争が激化しています。CoinmarketCapの「DEX」カテゴリーの中で、現在出来高がTOP10に入っている分散型デリバティブ市場を2つピックアップしたいと思います。
Kine Protocol
Kine ProtocolはHuobiで機関投資家業務を担当したLei氏が設立した100倍レバレッジが可能な分散型取引所です。イーサリアムで3月、BSCは6月、Polygonにも9月にローンチしており、マルチチェーンをサポートしています。
UIや取引サービスはHuobiとほぼ同じ、ユーザーとしては直感的に使いやすいかと思います。Volume (24h)は$346,176,461(CoinmarketCap Dex 7位)。主要通貨を中心に21市場を設置。30日間のアクティブユーザーは8000件近いとのことです。
KINEでは、オーダーブックではなく流動性プールがカウンターパーティとして機能する「Pier to Pool」を採用しており、トレーダーにゼロスリッページの取引体験を実現します。担保資産(USDC、Ether、WBTC、USDT、xKINE、WOO)のステーカーはプロトコル全体の保険基金としてのリスクと引き換えに、手数料収入とトークンインセンティブ(KINE)を稼ぎます。
AlexPackとNavalRavikantが主導し、OK BlockDream Fund、CMS Holdings、Spartan Capital、Blockchain Capital、NGC Ventures、BixinVenturesなどが参加する700万ドルの資金調達ラウンドを完了しています。
Deri Protocol
Deri Protocolは無期限オプションと無期限先物を提供する分散型取引所です。ユーザーはポートフォリオのヘッジ、投機、裁定取引を行うことができます。取引はAMM(流動性プール)に対して実行され、ゼロスリッページを実現します。将来的にポジションをNFTとしてトークン化し、他のDeFiプロジェクトと構成可能になる計画です。
Deriの無期限先物はイーサリアム、BSC、ポリゴンに対応しており、証拠金にBUSD/BNB/CAKEなど、各チェーンの最も流動性の高い通貨を受け入れています。Deri Protocolの1日の平均取引高は8,000万ドルで、史上最高額(ATH)は6億ドルです(2021年11月3日現在)。DeriのイノベーションゾーンではSHIBやSANDなど、新興通貨も取り扱っています。
β版である無期限オプション(Everlasting Option)は、ParadigmとFTXのSam-Bankman-Friedmanが共著した論文に基づいて、DeriProtocolが製品化した世界初のプロダクトです。創業者は北京大学を卒業し、ウォール街でデリバティブ取引を経験した0xAlphaという人物です。Deriは、BSCの$1B Growth Fundから投資を確保しており、注目度も取引量も急上昇しています。
Kineは、BSCのMost Valuable Builder(MVB)9月の月間スターとして認められています。Deriもまた、8月のMVBとなっています。どちらも中国系チームがリードしており、BSCとの結びつきもある様です。今後ユーザーを獲得して、市場拡大させるかもしれないので、トレーダーとしても投資家としても動向をチェックしたいところです。