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DeFi

Serumエコシステム【Raydium、Bonfida、Oxygen】のDeFiプロトコルを解説

昨年末にSerumプロトコルが発表されて以来、そのエコシステムは進化を遂げて実用フェーズに移行しています。Serum、SerumのフロントエンドであるBonfida、AMMDEXのRaydium、ブローカープロトコルであるOxygenについて網羅します。

Serum

Serum DEXは、FTX取引所の創設者であり、マーケットメーカーであるAlameda Research社のSam Bankman-Fried氏が導入した分散型取引所です。SerumはSolanaブロックチェーンのスケーラビリティに基づき、取引速度と低い手数料により高頻度取引を可能にします。また、オーダーブックを採用しており、指値注文を使用してスリッページを回避できます。Serum は将来的にデリバティブ取引をリリースする見込みです。

Raydium

分散型取引所Raydiumは、Serum DEXの中央オーダーブックを活用したSolanaブロックチェーン上に構築された自動マーケットメーカー(AMM)です。超高速取引、流動性の共有、および利回り最適化機能を備えており、ユーザーとしては、板取引、スワップ、LP、ファーミング、ステーキングの機能を利用できます。Raydiumはリリースから約1か月で、TVLは1億6000万ドル、24時間の出来高は760万ドルを超えています。

デリバティブ志向のSerumとは異なり、Raydimは「AMM」の仕組みによりエコシステム全体の流動性提供を目的としています。

Raydiumは「K = Y/X」の定数関数に基づいてSerum のオーダーブックに注文を出しています。流動性プールはRAYトークンによってインセンティブが付与され、外部プロジェクトが報酬トークンを追加することも可能。また、新規プロジェクトがIDOを行うこともでき、取引市場に流動性を提供できます。

Bonfida

BonfidaはSolanaチェーン上のSerum DEX取引のデータ分析をユーザーに提供するフロントエンドであり、内蔵のウォレットを搭載しています。BonfidaはDEX機能も備えており、API機能によりSerum、Solanaの利用を最適化します。Bonfidaを使って、テクニカル指標に沿ってプログラムトレードを実現する、トレード戦略を構築することが可能です。また、Serum DeFi市場のAPYや、デリバティブ市場全体のOIやFR、ロングショート比率などの統計データを見ることもできます。

Oxygen

Oxygenプロトコルはプール構造を使ったイールドアグリゲーターです。DeFiユーザーの資金使用をより効率化させて、レンディングの採用を加速させようとしています。合成資産の開発も進めており、[Compound + Synthetix + Uniswap]に相当するワンストップDeFiと説明されています。資金をOxygenプラットフォームに置くだけで、レンディング、資産の担保、資産の合成、取引などのニーズに応えることができます。将来的にSerum DEXがデリバティブ取引を開始すると、Oxygenが作成した合成資産が流動性として提供されます。

まとめ

Solanaのスケーラビリティを基礎として、Bonfidaフロントエンドの最適化された取引体験、Raydiumの統合された流動性、Oxygenの資金効率と合成資産により、Serumのエコシステムのコアが構成されています。

Sam Bankman-Fried氏は最近、SushiSwapの流動性をSolana上で複製する案を提出しています。実現すると、Solanaのクロスチェーンメカニズムを通じてSerumのエコシステム全体にSushiSwapの流動性を提供することが可能になります。Serumには流動性マイニングの仕組みもあるため、追加の流動性を呼び込む可能性もあります。

Raydiumの詳細について:raydium.gitbook.io