DSRの役割とは
DSRを新たに設ける主な目的はDAIの需要と供給のバランスを制御しDAIの市場価格を安定化させることです。これまでのSCD(シングルコラテラルDAI)では、CDP保有者に請求する安定化料金(Stability Fee)のみでDAIの供給量を制御していました。が、DSRというDAIの総供給量の一部をロックすることで金利が得られるというメカニズムにより、市場に出回るDAIの総供給量の調整をはかっています。※CDPについては下記事をご参照ください。DSRはどのように機能するのか
DAIトークン保有者はDSRコントラクトにDAIをロックすることで、金利(変動金利)を獲得することが可能になります。DSR利用に必要となる料金はDSRコントラクトへのロック、アンロックに必要なガス代のみです。また、DSRで得られる金利はCDP保有者から徴収する安定化料金プールから取得しており、万が一、プールが枯渇してしまった場合はMakerコントラクトがMKRを新規発行して負債分をカバーするということです。DSRはどのように管理されているのか
DSRの金利はリアルタイムで変動する仕組みのため、ガバナンスによって事前定義された間隔内でオラクル(下記事参照)を通じて調整されます。このDSR変動金利は下のようなシンプルなロジックに基づいています。※DSRオラクルには機能をオフにする緊急シャットダウンシステム(ガバナンスリスクチームによる)あり- DAIの市場価格が$1未満の場合、DSR(金利)は増加。これによりDSRコントラクトへロックする需要が高まり、市場供給量が減少するためDAI市場価格は上昇して$1へ近づく。
- DAIの市場価格が$1を超える場合、DSRは低下。需要は抑制され、DAIの市場価格が$1へと引き下げられる。
Makerがオラクルv2を発表、その概要と提案されたオラクルインセンティブの仕組みについてMakerがMCD(Multi-Collateral Dai)導入に向けて新たなOracles V2を発表しました。今回発表のV2はスケ...