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暗号資産(プロジェクト)

仮想通貨Factom(ファクトム/FCT)の特徴・将来性|重要データ管理、証明プロセスに革命を

仮想通貨Factom(ファクトム)は、膨大なデータの管理や証明を効率的に行うことができる仕組みを提供しています。セキュリティの向上、存在証明、監査などの信用を必要とするデータ処理を第三者を介在させずに不正なく行えるという点で革新的ですね。

これまでは膨大なリソースを割いて記録されたものが正しいのかどうか検証作業をしなければなりませんでしたが、Factomを利用することで、この膨大な検証作業をなくすことができ、作業の効率は上がり、投資におけるリターン改善などが期待されています。

Factom(ファクトム/FCT)の最新価格・相場・チャート・評価

 

 

Factom(ファクトム/FCT)の特徴

“Honesty is subversive” – Paul Snow

Factom(ファクトム)のホワイトペーパーの冒頭に、Factom CEOであるPaul Snowが綴ったこの文言が刻まれている。誠実さこそが真の破壊者なのか…破壊とは何に対する言葉なのか…この野心的な言葉はどういう意味なのだろうかと思いながら、Pual Snowのtwitterアカウントを覗いてみ…

引用元:https://twitter.com/paulsnx2

なるほど…、このPau Snowの出立ちはおそらくアメリカのファンタジードラマ「Game of Thrones/ゲームオブスローンズ」内に出てくるジョン・スノウ(John Snow)…ぽい。だとするならば、Factomは誠実さを尊ぶことを特徴としたプロジェクトなんだよと暗に示しているのかもしれない。どちらにしても玉座に鎮座している誰かをひっくり返すゲームに参戦した野心的なプロジェクトのようですね。

前提:なぜ誠実さを尊ぶのか?

今日の世界経済において「誠実さ」ほど希少なものはなく、この信用の欠落を補うために、膨大なリソースを割いて記録されたものが正しいのかどうか検証作業をしなければなりません。この膨大な検証作業をなくすことができるのならば、作業の効率は上がり、投資におけるリターンも改善され、その結果世界規模での繁栄にも繋がるのではないか。

つまり、Factomが誠実さを尊ぶのは、上記の理由からですね。ただし、この世界から不正を行う人をなくすことはできません。しかし、ブロックチェーンの技術を利用すれば、不正しづらい環境(システム)を作ることができ、書類などの検証作業にかかっていた無駄な作業時間を大幅に削減することができます。

つまり冒頭の“Honesty is subversive”とは、一部の不正を行う人のために行う全体から見れば明らかに無駄な検証作業を無くして嘘つきの世界を破壊しよう!トラストレスな世界を構築しようではないか!っという宣言なのかもしれませんね。

ブロックチェーンベースのアプリでも「早い、安い、キャパオーバーしない」仕組みを構築

なぜビットコインのブロックチェーンを改善しなければならないのか

サトシ・ナカモトによって考案された革新的な取引記録方法「ビットコイン」は、記録が永遠に存続することや分散管理システム、トラストレスな記録台帳など、その当時の技術者たちを震撼させるようなシステムを提案し、世界を変える技術として迎え入れられました。

その後、多くの開発者たちがビットコインのブロックチェーン上にアプリを作ろうと押しかけた結果、当初想定していたキャパシティを超えてしまい処理スピードやコスト面で弊害が生じ、実用面で耐えられない箇所があることがわかってきました。

  1. スピードの問題:ビットコインはコンセンサスの方法にPoW(Proof of Work)を採用しており、およそ10分に一回の間隔でブロック(取引を記録する場所)を形成していきます。このブロックを約10分ごとに生成して、暗号化しながら一本の線のように繋いでいるのでブロックチェーンと呼ばれています。一般的にはセキュリティ強化のために6個のブロックをつなぐことを推奨されているので、実質取引完了までに約60分かかるということです。あまり実用的ではないですよね。
  2. コストの問題:取引にかかる手数料はmBTC(ミリビットコイン=1/1000BTC)単位で徴収されるのですが、2014年11月だとおおよそ0.003USDだったものが、2017年には一時80USD…。本来安いはずの仮想通貨取引なのですが、BTC価格が高騰してしまったために手数料も高騰してしまいました。
  3. キャパシティの問題:ビットコインのブロックサイズは1MBで、毎秒7つくらいの取引を記録できます。少ないですね。つまり実用レベルで問題があるということです。

Factom(ファクトム)のエコシステム

Factomでは上記のビットコインが抱える問題に対処した仕組みを構築しています。

引用元:https://www.factom.com/assets/docs/Factom_Whitepaper_v1.2.pdf

Factoids(Factomの仮想通貨)やユーザーアカウントを発行してシステムを立ち上げると、トークンの価値はユーザー間、Factom(ファクトム)、ビットコインを以下の1から4の順番に沿って処理されていくようになっています。上の図も参照してください。

  1. アプリオーナーがFactoidでエントリークレジットを購入
  2. アプリがエントリー(entry)に記録
  3. Factomのサーバーがエントリーブロック(Entry block)とディレクトリブロック(Directory Block)を形成します。
  4. Factomがブロックチェーン上にアンカーを確保。つまりディレクトリブロックを暗号化してからブロックチェーンに組み込まれていくという流れですね。

ザクっとですが、Factomの仕組みは上記のような構造をとっています。

わかりづらい場合は、ビットコインブロックチェーン(上図右下らへんの薄いグレー部分)の外側にファクトムの機能(濃ゆいグレー部分)が拡張してくっついている。ぐらいで理解しておいてください。

ブロックチェーンの外側で処理をするので、上記のビットコインブロックチェーンが抱えるスピード、コスト、キャパシティの問題は最後にまとめて取り込む時以外は影響を受けなくなります。ですので、処理スピード、コストを大幅に改善することができるのです。

もう少しだけ詳しくチェーンへ情報を取り込んでいく方法を知りたい方向け

上の図を参照してください。まず暗号化された(hashed)エントリを格納した複数のエントリーブロックがあり、それらをさらにディレクトリブロック(情報を整理する役割)にまとめて、最終的にブロックチェーン上にドカッとまとめて記録しています。これは上記で説明した通りブロックチェーンへの負荷を減らすためですね。

図の左上には各ユーザーが情報をファクトムのエントリへ取り込む方法が表示されています。エントリに取り込む際に情報をエンコードするかハッシングするかできるので、プライバシーを確保することができます。ちなみにドキュメントを暗号化する時にはProof of Publication(特定の情報を特定の日付に公開されたことを認証する方法)を利用しています。

Factomで何ができるの?

ハーモニーコネクト

ハーモニーコネクトには、ブロックチェーンAPI、SDK、ドキュメント、ブロックチェーンエクスプローラが含まれています。ウォレットや仮想通貨、ノード設定なしで利用でき、仕様料金もビットコインのように価格が高騰しないように米ドルで固定されています。契約方法も月額制で長期契約ではない点も良いですね。ちなみにサンドボックス利用は無料、ファクトムブロックチェーンへの書き込みを月500件までなら100ドル/月、10,000件なら750ドル/月です。

  • 存在証明:ある時点で特定のデータが存在することを証明するエントリを作成できます。
  • エビデンスキャプチャ:データとドキュメントのタイムスタンプ付き証拠を公開し透明性を高めることができます。例えばサプライチェーンマネジメントにおいて、製品の流れを記録していくなどに活用できそうです。
  • 公的証人:Factomブロックチェーンは強力な公的証人として機能します。証拠は暗号化されてパブリックブロックチェーンに保存されるので実質改ざん不可能な情報になります。
  • デジタルアイデンティティ:デジタルIDの作成にも活用できます。もちろん改ざんが難しいので、契約を結ぶ時などに利用できそうです。
  • 権力を分散化:複数の組織で協働するときに、Factomの仕組みが中立な立場の仲裁者として機能します。
  • トークン化:ファクトムプラットフォーム上でトークンを作成することができます。

ハーモニーインテグレート(ビジネス向け)

ブロックチェーンを利用することで、これまで行っていたデータの整合性や信頼性を得るための検証作業を無くすことができます。つまり業務の改善効率化を促進することができます。こちらはコネクトとは違い、ビジネス向けの仕様になっています。

詳しくはHPを参照してください。→Harmony Integrate

実用例

  • 住宅ローン業界:ファクトムハーモニーは、SmartProvenance™と組み合わせたファクトムブロックチェーンを利用して、文書、データ、ファイル、データベースの情報の正当性、完全性、履歴、所有権を保証してくれます。つまり、住宅ローン業界でかかっている無駄なコスト(中間マージン、書類処理の時間、人件費、書類管理コストなど)を削減することができるとされています。
  • IoT(Internet of Things)

今後ますます市場が拡大していくことが期待されているIoT業界での活用も考えられています。FactomのIDログを作成することで、スプーフィング(ハッカーによるなりすましの手法)からの保護や、リピーター攻撃の排除、データの整合性の確認などが行えます。またデバイスの製造元、製造元のID、使用可能なアップデートのリストなどを取り込んでくれます。

ちなみにIoT業界に対応した技術としては他にIOTAやEthereum Classicなどもあります。

  • ヘルスケアレコード

この分野も今後市場拡大が見込まれています。現時点では個人の健康状態や病歴データなどは一元管理されていないので、もし一元管理が可能になれば、データ分析の精度も上がり医療診断分野の技術向上に一役かう存在になるかもしれません。

Factom(ファクトム/FCT)の詳細

発行上限枚数:なし

公開日:2015年1月15日

公式サイト:https://www.factom.com/

ホワイトペーパー:https://www.factom.com/assets/docs/Factom_Whitepaper_v1.2.pdf

公式Twitter:https://twitter.com/factom

Factom(ファクトム/FCT)の評価

Factom(ファクトム/FCT)の将来性

ファクトムは、記録管理、証明に関する手続きを大幅に効率化する可能性を秘めており、上記の実用例としてあげた住宅ローン業界、今後市場拡大が見込まれているIoT業界、ヘルスケア業界など様々な応用が考えられています。

また国内でも公文書の改ざん問題などが話題になっていましたよね。ああいう「指示した、してない」みたいな不毛な議論に時間をかけなくてもよくなる誠実な時代は来るのでしょうか。

Factomが今後、情報管理・証明のスタンダードになれば、Honesty is subversiveというPaul Snowの言葉通りにあのような不毛な議論に時間もお金もかけなくてもよい時代がくるのかもしれませんね。

おすすめ取引所

2018年11月にコインチェックが業務再開したことにより国内の取引所でも購入できるようになりました。

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海外の取引所で購入するのであれば、Poloniex、Bittrexあたりがおすすめです。