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仮想通貨IOSTの特徴、詳細|ブロックチェーンの特徴を犠牲にせず、スケーラビリティのトリレンマ解決を目指す

仮想通貨IOSTの特徴、詳細|ブロックチェーンの特徴を犠牲にせず、スケーラビリティのトリレンマ解決を目指す

IOSTは高いスケーラビリティと非中央集権的な性格を兼ねたソリューションを提案するプラットフォーム。コンセンサス・メカニズムにはDPoSを改良したPoB(Proof of Believability)を採用し、非中央集権的な性格を強めています。またスケールについてはEOSの8倍、Ethereumの400倍速い8,000TPSをライブ環境テストで達成しています。当面の目標としてさらに速い100,000TPSを目標にしているようです。

一般的に「スケーラビリティ、セキュリティ、分散化」はトリレンマの関係にあるとされていますが、IOSTではこのトリレンマを解消するべく活動しており、いかにこの3つの要素をバランスさせるかということに重点を置いています。

スケールを得るために非中央集権性を犠牲にするプロジェクトが散見される中、ブロックチェーンの完全性を損なわないことを重視している姿勢はとても好感が持てます。

IOSTの最新価格・相場・チャート

IOSTの経済モデル

二重リソースモデル:リソースを抽象化して帯域幅、ストレージへの負担を軽減

ブロックチェーン・ネットワークを構成するリソースには以下のようなものがあります。全てのトランザクションはこれらのリソースを消費して成り立っているので、各ブロックチェーンはこれらのリソースを管理するメカニズムを必要とします。

  • ノード(コンピューティング・コスト):ブロックチェーンに接続されているコンピュータ
  • ネットワーク:ノードを接続するネットワーク
  • データ(ストレージ・コスト):ノードによって処理されブロックに格納されるすべてのデータ

IOSTの場合はこれらのリソースをバラバラに扱うと、システムが複雑になってしまうのでバンドリングしています。

例えばEOSの場合はこれらのリソースをCPU、NET、RAMとして抽象化して扱うので、システムが複雑で帯域幅とストレージへの負担が増していると考えられます。

Ethereumの場合はこれら3つのリソースをバンドリングして一つのリソース「GAS」として扱っていますので、帯域幅とストレージの使用率は低い。

IOSTの場合は、バンドリングはしているのですがEthereumのように一つにザックリまとめているわけではなく、コンピューティングコストとストレージコストの二つに分けてバンドリングした二重リソースモデルを採用しています。

これは実際のところアプリケーションが敏感なのはCPU(コンピューティング)かストレージのどちらかでしかないからです。ネットワークリソースについてはコンピューティングと常に共同で使われることからiGASとしてそれら2つのリソースを統合してしまい、ストレージリソースはiRAMとして再設計されています。

この設計により、コンピューティング・リソース、ストレージ・リソースの両方の使用率を向上させることができます。

  • iGAS:コンピューテングリソースとネットワークリソースを統合したもの
  • iRAM:ストレージリソース

トランザクションの処理モデルにはHFFSを採用ですが手数料は無料

手数料がかかるHFFSモデル、無料のFCFSモデル

HFFS(Highest-Fee-First-Serve)とは、取引手数料を高く支払った人から優先的にトランザクションを処理していきますよ。という処理モデルのことです。

例えばビットコインやイーサリアムなどはこのモデルを採用しています。送金手数料が安いって聞いていたのに「高いじゃないか」というのはここに原因があります。処理しなければならないトランザクションが多くなりすぎると、マイナーは当然多くの手数料を払ってくれる人を優先して処理した方が儲かるので、優先的にそれらを処理します。この結果として手数料の高騰が起きてしまうんですね。

この問題に対してEOSは手数料無料でトランザクションを取り込んでくれます。EOSが採用しているモデルはFCFS(First-come-First-Serve)と呼ばれ、手数料の高さではなく、みんな平等に先に並んだ順に処理していきますよ、というモデルです。このモデルの場合は無料という特典はついていますが、トランザクションが多くなり混み合ってしまうと、時間切れになってしまうという欠点があります。

IOSTはこのような背景から新しいモデルを採用しています。モデルの名称はビットコインやイーサリアムが採用するHFFSなのですが、その中身の仕組みは異なり無料です。

IOSTは手数料無料のHFFS(without transaction fee)

手数料無料のHFFSモデルとは何なのか?それは簡単にいうとみんなに平等に配られるポイントみたいなもの(iGAS)を使って、早く処理したいときはそのポイントを使って処理してね、というモデルです。ビットコインやイーサリアムの場合はBTCやETHのように金銭的な価値があるトークンを消費することで優先して処理してもらっていましたが、IOSTの場合はIOSTトークンをステークしておくと毎日一定のレートで生成されるiGASが蓄積されていきます。そのiGASを使用することで優先的に処理してもらうのです。iGASは希釈されることがないので、使わなければどんどん溜まっていきます。

①手数料ありのHFFS、②無料のFCFS、③無料のHFFSの比較は遊園地のアトラクションの順番待ちに例えると理解しやすいかもしれません。

①はよくあるタイプで、人気のアトラクションに並ぶのが面倒なときに待ち時間を短縮してくれる有料の特別パスのようなものが利用できるモデル。

②は特別なパスなどはなく、みんな無料で遊べるんだけれど、人気のアトラクションであろうが何だろうがみんな平等に必ず列に並んで順番待ちするモデル。並んでいるうちに閉園してしまうかもしれません。

③は利用者全員に毎日ポイントが配布されます。普段は順番待ちしなくても良さそうなアトラクションで遊んで、ポイントを貯め、遊びたい日に人気アトラクションに一気に使うも良し、毎日人気アトラクションをちょこちょこ遊ぶも良しという調整がきくモデルです。

CPUへの負担を安定化:毎日一定のレートで生成されるiGAS

iGASとは上述したようにコンピューティングコストとネットワークコストをバンドリングされたものです。これが一定の間隔で生成されるというところがIOSTの重要なポイントです。

ブロックチェーンは接続された全てのノード(コンピュータ)に平等に同期されるようになっています。

なぜ?という方は下記の記事を参照ください。↓

ですのでリソースを一切使用していなくても、CPUは使用されています。例えばEOSの場合は利用可能なCPUの変動が激しい(24時間あたり0.1〜120mm/s)ことが問題とされており、リソースを一切使用していないのに、CPUを使いきり何もできなくなるということが起きるのです。ユーザーの行動は予測できないので、使いたいときに使えないというリスクがあるのは問題です。EOSではその問題に対処するいくつかのリースサービスなどが誕生しています。

この問題に対してIOSTは異なるステーキングモデルを採用して対処しています。ユーザーが利用可能なリソースが希薄化、変動しないように1IOSTあたり24時間で一定量のiGAS(現在1,000)を生成させる固定レートモデルです。これによりトランザクションの安定化が可能になるのですブロ。

IOSTのコンセンサスアルゴリズム:PoB(Proof of Believability)コンセンサス

なぜコンセンサス・アルゴリズムが重要か

多くの参加者が存在する分散型システムであるパブロックブロックチェーンの場合、悪意ある攻撃、不正を防ぐためのコンセンサス・アルゴリズム(正しい情報を唯一に定める方法)が必要不可欠です。

このコンセンサス(合意)の取り方次第で非中央集権的にもなれば中央集権的にもなります。例えばRippleのようにRippleが選んだノードだけがブロック生成に関与できるとなるとスケールは得られるが中央集権的な性格を帯びてしまいますし、BitcoinやEthereumのようにPoWで計算競争によって決めるならば非中央集権的な性格にもなる。その他様々な方法が考えられていますが、非中央集権的、中央集権的のどちらが良いというわけではないけれど、極端に中央集権化されているのであれば、あえてブロックチェーンを利用するメリットは減少します。

非中央集権性がブロックチェーンにおいて重要視されているのは、分散化により、検閲耐性、オープンな参加(パーミッションレス)が期待できるからだと考えています。

もちろんそれ以外のメリットもありますが、ブロックチェーンは決してコンピューティングコストもストレージコストも効率的だとはいえません。それらを犠牲にしてまで何を達成したいのか、犠牲にした結果それ以上のメリットが得られるのかが重要になります。

IOSTは非中央集権化を犠牲にせずスケーラビリティを実現している

IOSTの場合はこのコンセンサスを決める方法にPoBコンセンサスを採用しています。

PoBコンセンサス・メカニズムは、ブロック生成コミュニティ(17席のノードで構成)を10分ごとに変更させるステーキング(トークン保有)によるコンセンサス・メカニズムを取っています。認証作業をする特定のノードをトークン保有量などに応じて選ぶ方法です。ここまではDPoSとあまり変わりはありません。

PoBがDPoSと比較してより非中央集権的な性格を帯びているのは、このコンセンサスを決定するノードの選び方にポイントがあります。この17席のノードに選ばれるのは最も高いServi(サービ)を持つノードです。Serviとはネットワークへの貢献度のことです。

コミュニティ・メンバーに選ばれるとブロックを生成し、報酬を受け取ることができるのですが、それと同時にServiを消費しなければならず、再度コミュニティ・メンバーに選ばれるためにServiの蓄積を再度行わなければなりません。

つまり同じ人が連続してコミュニティ・メンバーに選ばれることはなく、より多くの人がコミュニティ・メンバーの候補者になれる可能性が高いのです。ですのでDPoSよりも非中央集権的な性格が強いと言えるのです。

Serviの獲得と投票方法-3ステップで構成

  1. 全ての候補者が投票に比例してServiを獲得
  2. Serviによってランクつけれた上位17ノードが次回のブロック生成を担当
  3. 選ばれたコミュニティ・メンバーは17番目のノードが持つServi残高分を消費する。つまり17番目のノードは全てを消費することになります。

この3ステップを10分毎のローテションで繰り返し、ブロックを生成していきます。

スケーラビリティのトリレンマへの挑戦

IOSTソリューションは、検閲耐性を犠牲にして問題を回避するのではなく、スケーラビリティのトリレンマ(スケーラビリティ、セキュリティ、分散化のバランスが困難)を解決することです。

チャネル、シャーディング、サイドチェーンといったプロトコルレベル、レイヤー2レベルでのスケーリング・ソリューションを提案しています。

シャーディング:EDS(Efficient Distributed Shading)

EDS(IOSTのシャーディング)とはネットワーク全体をシャードと呼ばれるグループに分割し、プロトコルレベルで作業を並列処理させる技術のことです。オフチェーンではなく、オンチェーンでなされるのでセキュリティと分散化を保持したままスケールさせているというのが特徴です。

Zilliqaもシャーディング技術を導入していますが、Zelliqaの場合はトランザクションを分割してそれぞれのノードに処理させるというタイプのシャーディングなのに対して、IOSTの場合はシャード毎に各ノードが配属されネットワーク維持を行なっている点で異なります。

IOSTの詳細

発行総量:210億IOST(発行済)

公式サイト:https://iost.io/

公式ブログ:https://medium.com/@iostoken

公式Twitter:https://twitter.com/iostoken

Telegram:https://t.me/officialios

Reddit:https://www.reddit.com/r/IOStoken

Github:https://github.com/iost-official?tab=repositories

備考:ERC20(2019年2月メインネット移行予定)

IOSTニュース

2019423日、IOSTForce Protocolと戦略的パートナーシップを結んだことを公式ブログにて発表
2019年4月 電話番号だけでIOSTブロックチェーンにアクセス可能になるOnBlock4/28リリース
2019年5月 競馬ゲームHorseSagaと提携
2019年5月 Defiプロトコルnestと提携

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