「SocialFi」という言葉が注目を集めています。SocialFiはソーシャルとファイナンスの合成語です。
分散化されており、オープン且つユーザーがコントロールする権利を持つという特徴があります。
SocialFiに関連してWrite to EarnやSocial to Earnという言葉も使われています。
自分の作ったもの(言葉・絵・写真)を自分で管理しつつ、ユーザーから直接報酬がもらえる仕組みのことです。
他にもいいねやコメントなどの数から人気指標を通じてトークンインセンティブがプラットフォームから提供される場合もあります。
近年ではSolana Venturesや BSCのファンドもSocialFiに言及しており、注目されている分野です。
この記事ではSocialFiの概要と、先日アナウンスされたLensProtocolについて概要を見ていきます。
SocialFiが注目を集める背景
そもそもSocialFiとはどのような文脈で生まれてきたのでしょうか
まず従来の SNS に対しては多くの批判があります。
大手テック企業による情報の独占と、それを利用したマーケティングなどです。
また管理者がユーザーデータを全て管理しつつ、ユーザーには利益がない一方で、管理者が多くの利益を得ているとして問題視されています。
SocialFiが解決しようというのはこのような課題です。
SocialFiのソリューション
SocialFiが提供しようとする機能には以下のようなものがあります。
1 個人データ自分で管理する権利
従来のソーシャルメディアでは可能な限り多くのユーザーデータを取得されており、それらはマーケティングツールとして販売されるなどしていました。
ユーザーのデータは重大な個人情報にもかかわらず、その管理権がないというのは大きな問題の一つです。
そこでSocialFiはブロックチェーンに個人データを紐付けることで、ユーザーデータの収集を透明にし、なりすましなどの被害を減らす試みがなされています。
2 利益の再配分
また先ほどの話とつながるのですが Facebook や Twitter などの SNS プラットフォームは、ユーザー行動に基づきエンゲージメント率を上げ広告収益を得る仕組みをとっています。
しかしユーザーはプラットフォームを利用しているだけで、自分たちにその利益が還元されることはありません。
SocialFiはNFTなどを利用して、ユーザーにも利益をもたらす取り組みをしています。
3 プライバシーとセキュリティ
また皆さんご存知かもしれませんが Facebook 社は過去に大規模な個人情報の流出問題を起こしています。
携帯番号メールアドレスを登録して実際にサービスを利用しても、漏えいの可能性が高いわけです。
そこでソーシャルファイではブロックチェーンを活用することでよりセキュアに利用することができます。
AAVEのローンチした分散型ソーシャルメディアのレンズプロトコルとは
ここまでSocialFiが解決する課題やWeb2.0の課題、流れを見てきました。次にご紹介するのは先日アナウンスされたAAVEの提供するレンズプロトコルです。
公式Twitterでは「Web3ソーシャルプラットフォームの構築を容易にする、パーミッションレス、コンポーザブル、分散型のソーシャルグラフ」と説明されています。
https://twitter.com/LensProtocol/status/1490782692786515970?s=20&t=IJJrff-JKw4ItR-Fe9oU2w
ソーシャルグラフというのは人間の相関関係のことでTwitter や Facebook 社はこのソーシャルグラフを活用して類似のコンテンツに興味のあるものをすすめ、様々なマーケティング施策を行っています。
つまりLensProtocolの目指すのは大手企業による独占ではなく分散化されたソーシャルグラフということです。
ユーザーは自分のコンテンツを NFT として管理・収益化することができます。
では具体的にどのような機能があるのか見ていきましょう。
レンズプロトコルの主な機能
1 プロフィールNFT
Lensを活用することで、プロフィールがNFTになります。この NFTには自分の全ての投稿(写真や画像などを含む)、コメントなどのコンテンツの履歴が含まれます。
2 Publication
全てのクリエイターが作成したコンテンツをユーザーのプロフィール NFT に直接投稿することができます。
この仕組みによりクリエイターのコンテンツ全てユーザー所有のものとして、保存されることになります。
具体的には投稿、コメント、ミラーがNFTに保存されます。
この自信のパブリケーションには2つのモジュールが付属しており、1つは他のユーザーがコレクションできるようにするモジュール、もう1つは自分の投稿に対して誰がコメント、リツイートできるかを決定するモジュールです。
3 収集
先ほどのPublicationと連動しますが、クリエイターは自身の投稿コレクションによって収益化することができます。
自分の投稿のコレクションを許可することによって、ファンがその投稿をNFTとしてコレクションすることができます。この際に発生した収益が自分のものになるということです。
またLensの特徴として、コレクション可能な期間を限定したり、NFT 化する数を限定することもできます。
4 フォロー
プロトコルのフォローを従来の Twitter などとは違う形をとっています。
ユーザーはプロフィール NFT をフォローすることで、フォロー NFT というものが与えられます。
例えばこのフォローNFTに投票権を付与することで、簡易なDAOの形成が可能です。様々なカスタマイズ方法がありますが、公式サイトで言及されているように、最初の1000フォロワーまでに投票権を与えることや、フォロー期間が長いほど投票力が上がるというような仕組みもあります。
まとめ
今回提供されたLensProtocolは従来の SNS の課題を解決し新たなインターネット上のコミュニティを形成することができます。
プロフィール NFT とそれに付随した自身の投稿コンテンツの所有権を持つことで、今までにないクリエイターの収益化の方法が生み出されていくでしょう。
2022年第1四半期にはローンチ予定で、助成金も立ち上げています。今後活用の幅がさらに広まっていく、注目のプロジェクトの一つになるでしょう。
公式サイト:https://lens.dev/