SIRIN LABSのミートアップイベント
ブロックチェーンスマホ「FINNEY」を開発するSIRIN LABSが主催するミートアップイベントへ参加する機会がありました。
まず、FINNEYに関しての詳細は別の記事がありますので、全くご存じない方はそちらに目を通して頂いてからの方が分かりやすいかと思います。
国内初のお披露目
今回のミートアップは、170億円の調達に成功したICOから約一年を経て、FINNEY完成後日本国内でその完成版を目にする初の機会。
今回のイベントではSIRIN LABSのCEOであるMoshe Hogeg氏、同CCOのEran Barzilay氏、日本における販売に携わるマツダ氏がスピーカーとして登壇しFINNEYやそれを取り巻くエコシステムについて語った。
着想
最初に登壇したのはCEOのMoshe Hogeg氏。ブロックチェーン技術をエキサイティングなものとして考えながらも、その恩恵をどの様に一般ユーザーへ簡単に利用できる形で届けるか思案した開発の原点から説明。
現代において一番大事な端末はコンピューターではなく、日常生活に浸透したスマホだろうという考えからスマホを開発することにしたとその着想から、Hal Finney氏に因んだものというFINNEYという名前の背景にも触れた。
マジックトライアングル
FINNEYを成功させる上で重要視した、UX(User Experience)、ディストリビューション、価格の3つの要素をマジックトライアングルとして紹介。
イギリス、ウクライナ、UAE、日本、香港、アゼルバイジャン、カザフスタン、エジプト、スペインなどのローカルディストリビューターとの連携を通し販路を拡大中。
ローカルディストリビューターとの契約はフランチャイズ形式を採用しており、ディストリビューターも利益を得れる様になっている。一番割合が大きいオンラインのディストリビューションに関しては、ヨーロッパのAmazon Launchpadに選ばれた実績が紹介された。
価格に関しては販売価格自体を下げることはできなかったものの、ユーザーが端末の購入費をある程度回収できるよう、エジュケーションセンターを利用し報酬を得ることができるモデルが採用されている。
エジュケーションセンター
FINNEYではエジュケーションセンターと呼ばれるアプリでDappsやブロックチェーン関連の情報が提供される。
エジュケーションセンター内のブロックチェーン関連プロジェクトの動画を閲覧し、その後出題される問題に正解することでユーザーは報酬を得ることができる。
動画の長さは2〜3分で、その後の問題数は2〜3問程度。エジュケーションセンターへは既に10〜15のプロジェクトの参加が決定しているという。
動画を掲載するプロジェクトから得られる広告収入の50%は手数料としてSIRIN LABSへ入り、残りの50%がユーザーの報酬に充てられる。
ウォレット
FINNEYにはセーフスクリーンと呼ばれるウォレット用に独立した画面が装備されている。
これが上部に露出している状態だとホットウォレット、閉じた状態ではコールドウォレットになる。スマートフォン内での領域も分離されているため安全に暗号通貨を保管することができる。
このセーフスクリーンにはウォレット側の画面には送金先のアドレスやQRコードなど、ウォレット関連の情報のみが表示される。
現在ウォレットが対応している暗号通貨はBitcoinとEthereum、ERC20準拠のトークンのみ。
コンバート機能
FINNEYはウォレット内でトークンを他のトークンへ変換することができるコンバート機能も備えている。
ウォレットはDEX(分散型取引所)のBancorと繋がっており、そこで変換が行われる。
しかし、現在は日本国内でこの機能を利用することはできず、今後QUOINEとの提携を行い日本での利用を可能にする予定。
将来的にはトークン対トークンだけでなく、法定通貨への変換にも対応する。
セキュリティ
脅威に晒されているかをリアルタイムで診断する機能を搭載しており、危険なWi-Fiに関してはリスト化され保存される。危険なアプリに対してはリスト化だけでなく排除まで行える。
軍事レベルの高いセキュリティ対策が取られており、アジアやアフリカの中で利用したいという政府もあるそう。
認証
指紋認証、顔認証、場所認証、音声認証、端末認証という5種類の認証形式に対応。
SirinOS
トップレベルのOEMとSirinOSの利用に関する交渉を行っており、守秘義務の関係で具体的に企業名を挙げることはできないとしながらも順調に進んでいるとの説明があった。
旗艦店
コンセプトストアを2週間前にロンドンでオープン。他のディストリビューターが参考にできるよう、これをフラッグシップストアとして運営する。
このストアはFINNEYを販売するだけでなく、週に2度エジュケーションナイトというイベントを行うなど、ユーザーがサイバーセキュリティーやブロックチェーン技術を学習する場としても利用されている。
将来
詳細などに関しては触れられなかったが、将来的にはブロックチェーンPCを開発したいという。