NANJCOIN弘田氏を独占取材【前編】|NANJCOINの今を追う

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2019年8月上旬某日、NANJ株式会社の代表取締役 弘田さんに独占取材を行いました。NANJCOINの現状、そして弘田氏が今何を考え、今後どのような方針でどういった展開を描いて動いているのかを伺うことが出来ました。

Q:昨年のMediumでは、海外ではなく日本国内での活動を重視するとおっしゃていましたが、今も変わりなく日本国内を活動の場と考えているのでしょうか?

日本の規制の問題等あり、ブロックチェーン事業については日本でやれることが段々と厳しい状態になってきているなと感じています。これは我々だけではなくて、日本で進めて、日本で盛り上げて、世界に打って出るという考え方をしていた多くの企業たちが日本の規制で今は何もできなくなってしまっている状況だと思います。

Q:規制の問題というのは具体的にどのような点で国内での活動を難しくさせていると感じられているのかを教えてください。

IEOで集めた資金だけではもちろん、取引所の上場フィーや開発チームの維持、また今後の体制を整えたりするためには不足も出てくるので、自分たちでキャッシュを生み出さなければいけないと考え、ブロックチェーンの開発の案件、他のプロジェクトに対して開発支援することでお金を生み出すということを今年からやってきました。

こういうニーズは国内ではなく、海外の企業さんからのニーズが多いんですよ。日本でこれから始めようというところは、自分たちで持っているリソースを利用するので、わざわざ他の企業のエンジニアを使ってまでやろうという企業はなかなかいない。しっかりした実績があれば地方企業のブロックチェーンコンサルタントなどの案件もあるかもしれないけれど、我々のようなベンチャー企業の場合は、海外企業との取引がどうしても取引の中心になってしまいます。

ただ、金融庁の規制の一環でマネーロンダリングの監視体制が去年から厳しくなり、3,000万円以上の仮想通貨を取引所を介して国外と取引する場合は、マネーロンダリング禁止(AML)という名目で、お金の動きを監視しましょうという制度が始まったんです。これに伴い、銀行が金融庁に求められる規制も厳しくなっていると聞いています。我々の会社は、ブロックチェーンの開発をメインにしているので、海外のクライアントから日本の銀行に送金してもらい、そのお金から、我々の仮想通貨取引所の法人口座を介してテスト用の仮想通貨購入などを行なっていました。

こういった資金の流れは全て銀行側に説明しているのですが、AMLの徹底に伴い「海外からの入金を銀行側から断られてしまう」ような状況になってしまいました。

 例えば、本来であればホームページやアプリを作成し、銀行からのお金の出自に対する問い合わせに対して請求書や費用書を提出し、説明すれば入金されるのですが、今はそれすらもできなくなっています。

ブロックチェーンが関係ないような開発案件でもダメなのかと銀行担当者に聞いても「多分ダメだと思います、本部の判断です」と言われてしまうので、それでキャッシュフロー開発が止まってしまいます。

これはおそらく我々だけではないと思いますが、このような事態を回避するために別の銀行で新たに法人口座を作りましょうとなった場合、先方から「では法人の概要を書いてください」と言われ、法人の説明をした段階で難しいという判断をされてしまいます。ブロックチェーン関係(特にトークン発行主体)で銀行の法人口座を作ろうとするのは今は非常に難しいのだと思います。

このまま日本でビジネスを進めるのなら、国内に拠点を構えたまま国の規制に沿った形で国内企業と取引をするしかありません。この場合はもちろん先ほど述べた通り規制の問題があり弊社ではもう海外企業との取引はできない。

現時点ではこの国の規制展望が依然はっきりしていないということもあり、ブロックチェーンを利用してトークン発行しているということがやはりリスクと捉えられてしまいます。色々な国内企業と取引をさせていただいているのですが、表立って付き合える企業が少ないし、名前を出すと迷惑をかけてしまうようなところばかりなので取引先として公表することも難しい。

こうなってしまうと、日本国内でブロックチェーンの開発やトークンの発行をしているということを標榜している限りはビジネスができないと言われているようなものなんです。

Q:国内でのビジネスが難しいということは海外に拠点を移す可能性も視野に入れているということですか?

日本の市場に関しては、銀行の問題等がハッキリしてきたため、キャッシュを生む事業(別プロジェクトの案件を受注する業務)に関しては海外に移転するしかないよねというのが現時点での一つの結論です。

またトークンに関わるブロックチェーン事業についても、早急に海外に分けていけるところは海外へ事業を移していこうとしており、そのための協力者と今は打ち合わせを色々と進めている段階です。

Q:ブロックチェーン事業については、海外移転し開発を継続する方向で考えているというのは理解しました。一方で、今年初めに公表されていた将来的にNANJCOINと関係させていくと仰っていた別事業についてはどうなっているのでしょうか?

今までのNANJCOINの脈を受け継いだような、ブロックチェーンと関わりを持たないプロジェクトを日本でやる方向で考えています。現在何社かからお声がけいただいており、どのようなことができるかということを検討している段階です。おそらくこれは新たに法人を立ち上げて進めることになると思います。


規制が厳しくなるなど、当初思い描いていた形で進めることが難しくなるなかで、プロジェクトを切り分け、ブロックチェーン関連事業の拠点を海外へ移すことも視野に入れるなど、様々な可能性を模索されている弘田さんのお話をお伺いしました。

記事内では触れませんでしたが、「だめでしたと投げ出して終わるのは無理だ、というかやりたくない」ということばにネット上で噂されるNANJの姿とは乖離した覚悟を感じました。

また、昨年イベントでお話されていた進捗情報の共有については、現在も苦心されている印象を受けました。コミュニティとの関わり方が変化するだろうとお話されていた、その過渡期にあるのかも知れません。

ブロックチェーン関連事業の拠点を海外へ移したとしても、今まで積み上げてきた人との繋がりを活かし、これまでとは違う手法でスポーツ関連の事業を国内で行えるのではと語る弘田さん。そのスポーツに対する熱い想いは続編で。