OmiseGo(オミセゴー/OMG)とは、2017年7月に「Omise」という企業によって開発された決済向け分散型プラットフォームです。
Omiseは、2013年に日本人企業家の長谷川潤氏らによってタイを拠点に設立されたFintech企業です。2016年Forbes Thailandにて「Fintech rockstars」として特集、2017年タイ首相から「Digital startup of the year」に表彰、2017年Forbes Japanにて起業家ランキングTop10に選出されるなど華やかな経歴を持っています。
OmiseGoのサービス内容は、公式サイトにあるように「Unbank the Banked」、銀行口座を使用せずに様々な取引決済を可能にすることです。
本記事では、OmiseGoが提供する決済サービスの意義、Omisegoの将来性、特徴について説明します。
OmiseGo(オミセゴー/OMG)の最新価格・相場・チャート・評価
OmiseGo(オミセゴー/OMG)の特徴
特徴1:なぜ銀行を介さない決済サービスが必要なのか?
世界的に見れば銀行口座を持っていない人が実は多い
日本国内だと、銀行口座を持っていない人を探す方が難しいかもしれませんが、、世界的に見れば持っていない人の方が多い国もめずらしくありません。
OmiseGoが活動する東南アジアは日本と比較すると、銀行口座保有率は低く、例えば、インドネシア、フィリピン、ベトナムなどはなんと保有率30%台です。結構多そうだなと思っていたタイでもおおよそ78%くらいです。ちなみに日本は97%もあります。
どうして銀行口座保有率が低いのか?
銀行口座保有率の低さの原因として、銀行利用、クレジットカード利用にかかる手数料の高さと国によって一元管理されたデータベースがないことが挙げられます。
給料や過去の支払い等々のデータは銀行やファイナンス会社ごとに管理されているので、各々の組織が信用のおけるデータ管理をしているかどうかなんてわからず、信用性が低いデータでしかないのです。そのため、現代の金融システムを利用しづらい状況にあるのです。
何が課題なのか?
銀行を保有していないことで、クレジットカードなどの現代金融システムを活用することができず、貯金や資産管理がしづらい環境になっていることが問題視されています。
現代金融インフラが整備されている国であれば、ひと目で資産状況の推移(お金の入りと出)を把握する事ができるのですが、そうではない国の場合は、個々人がアナログで資産管理をするしかありません。キャッシュでの支払いがほとんどになってしまうため、何にどれだけ使ったかを把握することが難しいため、多くの方が、計画的にお金を使うことができず、金欠になりがちなのです。
この問題に対して、普及率の低い銀行口座を介して管理するのではなく、普及率が高まってきているスマートフォンなどのモバイル機器を使用して、金融サービスを提供しようという動きが現在は進んでいます。
注目されている領域として「e-Wallet」「QRコード」「仮想通貨」「PtoP送金」などが挙げられますが、仮想通貨OmiseGoもそのような状況から生まれた金融サービスの一つと言えます。
特徴2:OmiseGoの仕組み
OmiseGoが取り組んでいる課題は、上述のスマホなどでのモバイル決済機能の提供と、既存の金融サービスが抱えている閉鎖的ネットワーク(第三者を介さないと決済できないので手数料高い)から脱し、ブロックチェーンを利用した分散型決済システムの提供の2つです。
改ざんが難しいとされるブロックチェーンでネットワークを構築し、あらゆる資産や価値を最小限のコストで交換可能にすることがOmiseGoの目的です。
OmiseGoが開発しているもの
OmiseGoは、OMGネットワークと呼ばれるEthereumをベースにした分散型システムを構築しています。
OMGネットワーク上で以下のサービスを開発しています。※独自のOMGネットワーク上で処理されるものと、Ethereumのネットワーク上で処理されるものがあります。
- 分散型取引所(DEX)
簡単に言うと、管理者不在の自律したシステムによって管理される取引所のことです。組織が介在しないので、取引手数料が安くなるという特徴があります。
- OmiseGoウォレット
資産の送受信、管理に使用されるアプリケーションです。ウォレット(財布)の中に資産が入っているわけではなく、資産を管理しているブロックチェーンへアクセスするための秘密鍵を保管しています。
- ホワイトラベルウォレットSDK
SDKとはSofware Development Kitの略称で、あるシステムに対応したソフトウェアのための開発キットのことです。この開発キットがあることで、開発者がそれを利用して効率的に開発を進めることができます。
OmiseGoのホワイトラベルウォレットSDKは、無料配布されているので、誰でも使用することができます。
- OMGトークン(ERC-20トークン)
ウォレットに一定量のOMGトークンを保持しておくと、ブロック承認の権利が与えられます。ちなみに承認方法はPoS(Proof of Stake)を採用しています。
OGMネットワーク上での取引処理にかかる手数料は、トークン保有者への報酬として分配されるのですが、その報酬量はOMGトークン所有量に比例します。これは所有量が多い人の方がリスクが高いからですね。
ちなみにネットワークを悪用した場合は、保有している全てのトークンを失う可能性があるので注意してください。
イーサリアムとの関係
上述したようにOmiseGoはイーサリアムのネットワークを利用しています。
OmiseGo独自のOMGネットワーク上では、主に送金などの決済操作が行われ、送金作業はイーサリアムのブロックチェーンに委任しています。
ちなみにOmiseGoはイーサリアムが開発している「Plasma」を実装予定のプロジェクトです。Plasmaはスケーラビリティの問題を解決するために開発されている技術で、実装されれば、OmiseGoの取引処理スピードがVisaに匹敵するほどの速さになるようです。
OmiseGo(オミセゴー/OMG)の詳細
発行上限枚数:140,245,398 OMG
承認方法:PoS(Proof of Stake)
公開日:2017年7月6日
公式サイト:https://omisego.network/
ホワイトペーパー:https://cdn.omise.co/omg/whitepaper.pdf
OmiseGo(オミセゴー/OMG)の評価
OmiseGo(オミセゴー/OMG)の将来性
著しい経済成長を遂げる東南アジアが抱える負(銀行口座を持っていない)に対して、スマホで手軽に、安心して、決済できるという新たな金融決済の提案は地元の人々にも受けいれ易いのではないでしょうか。逆に日本のような金融インフラが整い過ぎている国での普及には時間がかかるかもしれませんが。
またOmiseGoはタイ・マクドナルドやタイ金融庁にシステム採用されるなどの成果もあげています。
地元のニーズに答える事業内容でもあり、大手企業との提携もあるので今後も東南アジアを中心に普及していくのではないかと予想されます。
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