マルチチェーンが進行する中で、マルチチェーン対応の分散型RPCリレーのPocket Network の注目が高まっています。2020年のサービス開始以来、数多くの著名なアプリケーションがPocketを利用し始めています。
InfuraやAWSを代替
Pocket Networkは、InfuraやAWSのようなプラットフォームを通じたブロックチェーンデータへのアクセスにかかる仲介業者への支払いを、RPCリレーノードネットワークを提供することで解消するプロジェクトです。現在、20,000以上のアクティブノードを持ち、主要な21以上のブロックチェーンネットワーク(Ethereum、Harmony、SolanaやAlgorand等)をサポートしています。過去6ヶ月間でPocketの1日のリレー数は200万弱から3億強までに大きく成長し、レベニューの面でも11月の2900万ドルから12月には5600万ドルに急拡大している(データ元:Token terminal)。
WEB3インフラとしてのPocket Network
Pocket Networkは、Web3アプリケーションがノードネットワークを介してブロックチェーンへのRPCアクセスを提供する分散型APIです。従来のAmazon Web Serviveに代わり、独自のインセンティブモデルによってニッチなクラウドプロバイダーを集約。dApps開発者にとって、ダウンタイムの最小化とプライバシーの最大化を図る。これにより検閲抵抗力が強化され、AWSへの依存を避けて負荷増大や停電の影響にかかわらずアプリケーションの稼働率を維持することができる。
Pocket Networkのブロックチェーンデータエコシステムは、アプリケーションとリレーノードの2つのプレーヤーで構成されています。アプリケーションはPOKTをステークしてRPCリレーの割り当てを確保する、リクエストするリレー数に比例してPOKTステークが必要となる(1POKT当たり5.26リレー等)。一方、各ノードもネットワークに参加するためにPOKTをステークし(15000 POKT)、仕事量に応じた報酬をPOKTで受け取る(リレーごとに0.01POKT)。より多くの開発者がPocket Networkを利用するほど、ノードオペレータはPocketに参加することでより多くの収入を得ることができ、結果、より多くのノードオペレータがネットワークに参加するインセンティブが強化されます。
POKTエコノミクス
Pocket Networkの初期供給量は650,000,000 POKT、割り当ては上記の通り。ステートマシンを確保するためにPoSを採用しつつ、仕事量に応じてブロック時間15分毎にインフレしていくブロックチェーンです。スマートコントラクトを持たず、そのトランザクションはアプリケーションとサービスノードによるステーキング、サービスノードによるProof-of-Relayバッチ、Relayリクエストを促進するためのサービスノードへのブロック報酬の支払いに使用される。計画中のVersion 0.8.0ではオペレーターへの委任により間接的に報酬を取得できる模様。
現在のところブロック報酬とインフレ構造により供給が増加している成長期に当たり、成熟期に達すると新規発行が止まり、完全な手数料市場となる。プラットフォームはPocket DAOによって運営され、提案や投票メカニズムを通じて、プロトコルの改善、経済政策、エコシステムの開発に関する意思決定を行う。
運営チーム・支援者
Pocket Networkは先週、Republic Capital、RockTree Capital、Arrington Capitalが主導する1000万ドルの調達ラウンドをクローズしました。Pocket Networkの開発チームは19名、CEOのMichael O’Rourkeはハイテク企業で勤務経験のある開発者で、著名なブロックチェーンの初期イノベーターです。支援者には、Blockchain.com、Eden Block、Zee Prime Capital、Monday CapitalなどのVCやノードランナー、ブロックチェーン企業が名を連ねています。さらに、Skillz、Rivet、Chainstackなどの有名企業がノード運用者のネットワークに参加しています。
これらのノードオペレーターは、アプリケーションパートナーやコミュニティメンバーと協力して、Pocketの分散型自律組織(DAO)を通じてプラットフォームの形成に貢献する役割を担います。