仮想通貨市場は、日々進化を遂げています。特にトークンの分野においては、新しいトークン規格や、トークンの発行方法などが常に模索され、開発されています。
特に、EthereumのERC-20トークンは広く普及しており、様々な場面で利用されます。
このような状況の中、BitcoinにおいてもBRC-20という新しいトークン規格が登場し、話題になっています。
この規格は、Bitcoinのテキストファイルを利用して作成されるトークンで、EthereumのERC-20トークンと同様に、トークンの発行、移動、管理などが可能となります。
本記事では、BRC-20トークンについて、その概要や将来性について解説します。
✔︎BRC-20トークンとは、ビットコインブロックチェーン上の実験的なトークン
✔︎ERC-20と名前は似ているが、全く異なるもの
✔︎BRC-20トークンの取引量は、ガス代が上昇するほど多くなってきている
✔︎参入するには、超ハイリスクハイリターン
BRC-20トークンの概要を解説
BRC-20トークンは、BRC-20という規格で発行されるビットコインブロックチェーン上の実験的なトークンです。
BRC-20規格で作成されたトークンは合計1万種類を超え、BRC-20トークンの時価総額は現在時点で10億ドルに達しています。
最近のBRC-20トークン取引量は、ビットコインブロックチェーン上の元々の取引量を上回っており、上位のBRC-20トークン価格も急上昇しています。
そのため、仮想通貨業界の最新のトレンドとなっています。
BRC-20トークンとERC-20トークンの違い
BRC-20トークンは、2023年3月9日にTwitterユーザー@domodataによって作成されました。
その名前は、イーサリアムの「ERC-20」をもじったものですが、スマートコントラクト機能を有しておらず、イーサリアムベースのものとは異なります。
BRC-20は、Bitcoinのブロックチェーン上にJSONデータのスクリプトを保存して、送受信するためのトークンです。
そのため現時点では、トークンを送ったり、保有したりする以上の機能はありません。
An experiment into "brc-20's" and fungibility on bitcoin with ordinals 1/x pic.twitter.com/9khKLbEPk6
— domo (@domodata) March 9, 2023
BRC-20トークンの種類
最初に展開されたトークンは「ordi」トークンで、1回の発行あたりのトークン数が1,000で、総トークン数は21,000,000と設定されました。
ordiトークンは、展開から18時間未満で21,000,000個すべてが発行されました。
そして多くのBRC-20トークンの中では1番の時価総額が大きく、仮想通貨取引所のGateでの上場も発表されました。
$ordi以外で時価総額の高いトークンでは、$VMPX, $pepe, $memeなどがあります。
今後の他のBRC-20トークンも次々と上場されていく可能性が十分に考えられます。
BRC-20トークンの価値を解説
BRC-20トークンが最近のトレンドでありますが、現時点でそのトークンに具体的な使い道があるわけではありません。
強いていえば、ビットコインと同じように価値の保存としての機能のみです。
実情としては、ただ意味もなく自由に供給量などを設定し、トークンを発行し、それに価値が後付けでついているという恐ろしい状態になっています。
まだ参入者が少ないため、今後爆上がりを見せる可能性もありますが、一夜にして無価値になってしまうことも十分に考えられます。
また購入数手続きも複雑なこともあり、初心者にはおすすめできません。
参入するとしたら、全損リスクを承知の上で、相場の加熱感を判断できる、仮想通貨を熟知している上級者の方でしょう。
BRC-20トークンの将来性を解説
BRC-20トークンがBitcoin上でのトークンの発行に関する新しい試みでありますが、その実装には多くの欠陥があるため、長期的に将来性があるとは言いづらいです。
BRC-20トークン作成者自身も、単なる実験でありトークンには何の価値もないと述べています。
また、BRC-20トークンがブロックチェーン上で増加することによって、取引量が増加し、ブロックスペースが競合するため、トランザクションの処理に影響を与える可能性があります。
現に、最近BRC-20トークンの取引数増大を背景に、未承認トランザクション数やガス代が急上昇しています。
中にはビットコインの一時出金停止をしている取引所も出てきています。
しかし、仮想通貨業界、特にトークンの分野においての日々の進化は目覚ましいものがあります。
BRC-20トークンを活用するためのツールもどんどん開発された場合、BRC-20トークンの価値が長期的にも上昇していくでしょう。
BRC-20トークンはどこで購入できる?
unisatというサイトから購入することができます。
ビットコインブロックチェーンのため、メタマスクなどのウォレットは対応しておらず、ビットコインウォレットの作成が必要になります。
詳しい購入方法は複雑であるためここでは記述しませんが、情報が少ないため、詐欺サイトなど踏まないように注意しましょう。
また、購入したいトークンが取引所に上場していれば当然そこでも売買できるようになります。
【まとめ】BRC-20トークン
今回の記事では、BRC-20トークンというBitcoinにおける新しいトークン規格について解説しました。
BRC-20トークンは、EthereumのERC-20トークン規格とは異なり、スマートコントラクトを使用するのではなく、スクリプトファイルをBitcoinに保存することで実現されています。
しかしながら、BRC-20トークンは実験的なものであり、現時点でそのトークンに具体的な使い道があるわけではありません。
また、BRC-20トークンの市場にはスキャムが多く存在する可能性があるため、注意が必要です。
それでも、BRC-20トークンはBitcoinの開発者や投資家たちによって関心を集め、今後も進化し続けることが予想されます。
BRC-20トークンを活用するためのツールもどんどん開発されていくでしょう。
今後、Bitcoinのトークン市場がどのように進化していくのか注目です!