EOSとは、EOSプロジェクトと呼ばれる企業の業務サポートを目的としたDapps(分散型アプリケーション)プラットフォームのことを指します。少しややこしいのですが、このプロジェクトの資金調達のために発行されたERC20トークンもEOSと呼ばれています。
同じDappsプラットフォームであるイーサリアムと比較して、特に目立つ特徴は、毎秒何百万件という取引処理速度の高速性、それでいて手数料は無料という点です。
本記事では、「ERC20トークンとしてのEOS」と「DappsプラットフォームとしてのEOS」の将来性、特徴について説明します。
EOS(イオス)の最新価格・相場・チャート・評価
EOS(イオス)の特徴:企業の業務サポートの効率化
特徴1:VISAを凌駕する毎秒数百万件もの取引を処理する高速性
EOSの特徴は毎秒数百万というトランザクションの高速性にあります。速さに定評のあるXRP(リップル)で毎秒1000件、VISAで約50万件ですので、取引速度は圧倒的です!
認証方法にはDPoS(Delegated Proof of Stake)を採用しています。DPoSとは、トークン保有者の中から投票によって承認者(スーパーノード)を選び、取引をチェーン上(台帳)に記録するという方法です。
EOSでは承認者(スーパーノード)の数を21とし、選ばれた承認者は21ブロックごとに再度投票が行われ、変更されるよう設定されています。
XRP(リップル)の認証システム「PRCA」と似ているとも言われますが、PRCAの場合はリップルが選んだ承認者が台帳に記録するのに対して、EOSの場合は、トークン所有者が選んだ承認者が限られた任期(21ブロックを生成している期間)に台帳に記録します。
その点で、リップルは中央集権的ですが、EOSはユーザーが承認者を選ぶ民主的なシステムである為、似ているようで似ていないシステムといえます。
DPoSは、PoWやPoSなどの他の認証方法と比較しても、作業量や通貨の保有量に左右されないバランスの良い認証方法です。EOSの他にもDPoSを採用している通貨はあり、LiskやSteemなどが有名です。
特徴2:送金手数料が無料!?「確実さ」「便利さ」「コスト削減」の3条件を満たす企業の強いサポーターとなるのか
国際化等の影響で年々取引量が増加し、生き馬の目を抜くような現代社会にとって、確実に実行され、効率的で便利、かつコストを下げられるという3条件を満たす取引システムは願ってもいない夢のような話です。
この夢のような話がEOSを利用することによって、現実のものになるかもしれません。EOSは、スマートコントラクト機能を有するので複雑な取引処理を自動で確実に処理を実行し、先述したように大量の取引を迅速に処理し、かつ「手数料が無料」なのです。
イーサリアムのような送金詰まりによる処理遅延、手数料高騰は起きない!?
イーサリアムプラットフォーム上で発行されるトークンは人気が高く、とても多くのトークンが発行されています。しかし、イーサリアムプラットフォーム上での需要増加に伴い、スケーラビリティ問題がたびたび発生するようになってしまいました。そのため、取引処理の遅延、取引手数料(GAS)の高騰が発生し、利便性、コストという点でのデメリットが目立っていました。
イーサリアムプラットフォームから独立したEOSプラットフォームは、当然この影響を受けません。毎秒数百件というトランザクション処理能力を保持しているのでスケーラビリティ問題の心配も少なく、手数料も無料なので、コスト高になる心配もありません。
一方のイーサリアムも、この問題に対応すべく、次期アップグレード「セレニティ」でネットワーク速度の向上を図っています。イーサリアムのスケーラビリティキャパシティを1000倍にすべく、現在の認証システムPoWからPoSへの移行も表明しています。
特徴3:ICOで発行されたEOSトークンは無価値と言われているけれど、それでも保有されている理由は?EOSプラットフォーム独自のトークンへ移行し利用可能に
EOSトークンは以下の2つの理由から「無価値」だと言われています。
- 保有していても「報酬」は発生しない
- 2018年6月のICO終了時点で、運営側が発表していたようにEOSトークンの移転ができなくなった。
ICOで発行されたEOSトークンは、イーサリアムブロックチェーン上のERC20規格のトークンであり、ICO終了時点で取引不可となりました。これはあくまでもEOSプロジェクトの資金集めに発行したトークンであり、使い道は全くないということです。
現在取引所で取引されているEOSトークンは、実は別物で、EOSプラットフォーム上の独自チェーンで管理されているトークンなのです。
EOSプラットフォームの独自トークン「EOS」には、様々な使い道が現在増えてきており、EOSプラットフォーム上のDappsについては、注目が集まっています。
EOSの仕組み:取引速度の高速性、手数料無料を実現する仕組み
仕組み1:EOSプロジェクトの核となるソフトウェア「EOS.IO」とは?
Daniel LarimerがCTOをつとめるBlock.oneが開発しているソフトウェア「EOS.IO」は、仮想通貨やブロックチェーン開発を通じて、様々なビジネスソリューション技術に注力しています。※Daniel LarimerはBitshares、Steemit等の創始者でもあり、プログラマーとしても著名な方です。
「EOS.IO」はDappsプラットフォーム用のソフトウェアであり、EOSプラットフォーム上でブロックチェーン技術を導入したサービスを開発できるようになっています。
具体的には以下の5つが可能であると言われています。
- アカウントの発行
- アカウントの認証システム(パスワード認証)
- データベースの利用
- 非同期通信
- 複数のCPUコアを用いたAppのスケジューリング
EOSを用いたDapps(分散型アプリケーション)は、手数料が発生しないのでユーザー側は手数料無料でサービスを利用することができます。また開発側にもメリットがあり、EOS.IOのサービスのバージョンアップ、バグの修正などが簡単に行えるようになっています。※詳細はGithub内のEOS.IO Technical White Paper v2を参照ください。
EOS(イオス)の詳細
発行上限枚数:10億EOS
承認方法:DPoS
公開日:2017年6月26日
公式サイト:EOS公式サイト
公式ツイッター:EOS_ioツイッター
ホワイトペーパー:EOS.IO Technical White Paper v2
ブロックチェーンURL:EOS Blockchain Explorer
EOS(イオス)の評価
EOSの将来性
2018年6月2日にメインネットも実際にローンチされ、稼働し始めているプロジェクトである点や、実力のある開発チーム、取引処理速度、コストともに優れたソフトウェアである点を踏まえると、とても期待感の高いプロジェクトだといえます。
ロードマップによると、5つのフェーズに分けて具体的に計画されています。今後の展開が気になる方は目を通しておくと良いでしょう。
Dappsradarというサイトで、EOSのDappsランキングが表示されています。2018年11月現在では、Dexやギャンブルゲームが目立っており、その取引量、ユーザー数ともにイーサリアムのDappsより参加者が多いです。
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