Dfinityとは?
Dfinityはインターネットコンピューターと呼ばれる、次世代の分散型インターネットの基盤となるクラウドサービスを提供するプロジェクトです。
AWSなどに代わって、より安価で安全なプラットフォームとなり、そのプラットフォーム上に新世代のUberやFacebookなどのメガアプリケーションを構築することを目的としています。
同社は2018年にVCのAndreessen Horowitzなどから1億9500万ドルを調達しており、今年の1月にインターネットコンピューターの一部機能がオンラインになったと発表しました。また2021年3月31日にメインネット・ベータ版リリース候補1がリリースされます。
Dfinityの考える既存のインターネットの課題
現在のインターネットは、アマゾン、フェイスブックやツイッター、アリババやテンセントといった一握りの企業に何兆ドルもの富が集中し、何十億もの人々の心までも支配されています。
大きな問題点としてユーザーのデータが利用されている点や、開発企業がビッグテックのプラットフォームを利用することで、イノベーションが疎外される現状が挙げられるでしょう。
それを危惧したDfinityの創設者であり、チーフサイエンティストのドミニク・ウィリアムズは以下のように述べています。
「私たちはインターネットを、創造性と経済成長のためのオープンな環境、サービスが平等に接続できる自由な市場を提供していた時代に戻そうとしています」
「私たちは、インターネットの魅力を取り戻したいのです」
DfinityのビジョンとICP
Dfinityのビジョンは開発者が自分のコードをインターネット上に直接インストールすることで、ウェブサイトや企業のITシステム、インターネットサービスを作ることを可能にすることです。
アマゾンやマイクロソフトが所有する専用のサーバーでアプリケーションを実行する必要がなくなれば、今まで必要だったシステムのセキュリティ対策や、データの独占、維持コストなどの課題を解決できる見込みです。
インターネットコンピューターは、世界中の独立したデータセンターが運営するICP(インターネットコンピューター Protocol)という高度な分散型プロトコルによって形成されています。
このプロトコルにより改ざんされることもなく、一時的に問題が生じても止まることはありません。
DfinityのICPトークンの概要
ICPトークン(旧称「DFN」)には主に2つの用途が想定されています。
- EthereumのGasのような用途
- ガバナンスに参加する用途
1.EthereumのGasのような用途
ICPはバーンして「Cycle」に変換することができ、その「Cycle」を使ってウェブサイトやアプリケーションを実行できます。
この「Cycle」のコストはネットワークのガバナンスによって設定されており、今後安定していく見込みです。
2.ガバナンスに参加する用途
ICPトークンは幅広いインターネット・コミュニティがNNS(Network Nervous System)と呼ばれるガバナンスに参加することを可能にします。
NNSはネットワークの制御、設定、管理をすべて担当しており、参加するにはICPトークンを一定期間ロックする必要があります。
2021年3月27日時点ではメインネットはリリースされておらず、ICPトークンはIOUで取引されています。
今後の予定
このプロジェクトの20年間のロードマップが、DFINITY財団によって明らかにされました。以下にその目標の概要を記載します。
https://medium.com/dfinity/announcing-internet-computer-mainnet-and-a-20-year-roadmap-790e56cbe04a
5年以内
- 学校でインターネットコンピューターとMotoko(そのプログラミング言語)について教える
- いくつかのオープンインターネットサービスが実質的な成功を収め、ICPが広く理解される
10年以内
- インターネット・コンピュータが、大企業の閉じたインターネット・エコシステムを追い越す道筋が見える
- レガシーなインターネット企業からICPへの資金の振り向けが続き、DeFiが従来の金融技術と同等になる
20年以内
- ICPは現在の閉じたインターネットよりも大きくなる
- 社会の重要なインフラのほとんどがICPにホストされ、世界中の個人がプライバシーと個人の自由の大幅な向上の恩恵を受ける
3月30日にメインネットのベータ版がローンチされ、2週間後からICPトークンの取引が始まる見込みです。また、Tacenというプロジェクトはインターネットコンピュータ上でKYC不要のノンカストディアルな取引所を構築する最初のスタートアップの1つです。現在までに230万ドルを調達しました。2021年はDfinityのインターネットコンピューター上で稼働するプロジェクトが今後も増えていくと予想されます。
Dfinityの詳細
公式サイト:https://dfinity.org/
Medium:https://medium.com/dfinity-network-blog
Twitter:https://twitter.com/dfinity
Youtube:https://www.youtube.com/dfinity