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DeFiオプション「Opyn」の取引量が増加傾向|新製品SQUEETHの機能と自動化戦略「Crab」について

Squeeth
1月に新たに金融デリバティブ商品SQUEETHがリリースされて以来、分散型オプション市場OpynのTVLが成長しています。SQUEETHの取引量も過去1ヶ月間で着実に増加しています。SQUEETHのポジションを表すoSQTHトークンはUiswapで週間150万ドル以上取引されており、UniswapのETH/oSQTHプールのTVLは、400万ドルに達しています。 Squeeth vol

SQUEETHの概要

端的に言えば、SQUEETHはETHのオプション取引の無期限先物(Opynは「パワー・パーペチュアル」と呼んでいる)を利用できる金融商品です。SQUEETHを介してオプション取引のエクスポージャーを得られますが、行使価格の設定や契約の有効期限はありません。オプション市場は、ストライクプライスと有効期限に流動性が断片化されているため、流動性とビッド/オファー・スプレッドに悩まされています。SQUEETHはオプション市場の流動性を一本化することでこの課題を解消します。また、SQUEETHのポジションは取引可能なERC20(oSQTH)であるため、個別に取引したり、担保とするといったコンポーザビリティを活かした製品が出てくると期待されます。

SQUEETHの価格

SQUEETH(oSQTH)は”Squared(2乗)-Ether “に由来しており、ETH価格の2乗(ETH²)を追跡するインデックスとなっています。ちなみに、oSQTHの現在のMark価格は604ドル(↑21.84%)です(単位が読みやすいように10,000分の1で表しています)。
SQUEETH(oSQTH)がETH²と「同じ」ではなく「追跡する」と言うのは、ロングポジションを維持するためにファンディングレートを支払うからです。2020年11月から2021年11月の1年間でETHは10倍、oSQTHは50倍になっていますが、ETH²は90倍になっています。この差は、資金調達コストの影響です。そのためMark価格は市場が短期的にETHのボラティリティをどの程度見込んでいるかを予測するボラティリティオラクルとして利用することができます。

SQUEETHのロング

SQUEETHをロングする場合、oSQTHをUniswapで購入し、ポジションを決済するときにoSQTHをプールに売り戻します。SQUEETHのロングには清算が発生しないため、ダウンサイドを制限しながらETH上昇時に多くの利益を得ることができます。例えば、ETH価格が5倍になると、oSQTHは25倍に上昇します。反対にETHの減少時に、oSQTHの減少は以下のようなコンベクシティがあります。
SQUEETH と2倍レバレッジの損益比較
欠点は、SQUEETHの資金調達率が、通常のパーペチュアルスワップよりも高くなる傾向があることです。執筆時点の推定調達率は0.29%/日で、複利計算すると年率約65%となります。つまり、SQUEETHは “アップサイドが高くダウンサイドが低いけれど、ファンディングレートが高いので短期トレードに最適 “な商品と言えます。

SQUEETHのショート

SQUEETHのショーターは、Opynのプラットフォームに担保となるETHを預け、oSQTHトークンを発行し、Uniswapで売却します。ポジションはERC-721: sSQUで表され、ポジションを閉じるにはoSQTHを買い戻し、バーンして担保を解除します。SQUEETHのショートは、ETH価格が一定レンジに留まる(ボラティリティが下がる)ことに賭けるトレーダーが、ファンディングレートの利回りを集めたい時に適している戦略です。ETH価格が突然上昇すると、oSQTHショートポジションの担保率を維持するのに必要なマージンコールはETH上昇分を上回るので、ポジションの清算につながる恐れがあります。

SQUEETHのCRAB(カニ)=ボラティリティショート戦略

ユーザーはETHを入金するだけで、コントラクトにより自動的にストラテジーが管理されます。Crabは、アットザマネーになるように定期的にリセットするストラドルの売りに似ています。SQUEETHをショートする一方でETHをロングし、定期的なリバランスによってデルタを0に保ち、プレミアムを稼ぎます。SQUEETHのショートと同様にETH価格の急変動時に清算(担保率150%)されるリスクがあるので、相場が横ばいの時期に機能する戦略です。
現在時点、CrabはETHの1日の価格変動幅が±5.78%以下であれば利益を得ることができます。現状ではキャパシティが888ETHに制限され、空き枠はありません。

今後の展開

この他にも、SQUEETHは様々なユースケースがあります。oSQTHを購入してLPすることで、ETH×1.5に近しいペイオフを持つレバレッジポジションを持つことができ、SQUEETHのアップサイドの一部を手放す代わりに取引手数料を稼ぐことができます。また、UniswapのETH/USDプールへのLPをヘッジする使い方も想定されています。CRAB(カニ)ストラテジーは、SQUEETHの自動利回り戦略の最初の一つとして、1月24日にリリースしました。同様に、OpynのSQUEETHではEETHブル利回り戦略とETHベア利回り戦略が近日中に公開される予定です。

リソース

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