NEM(ネム)は、2017年仮想通貨法が決定したことがきっかけとなり、注目された次世代の仮想通貨プラットフォームです。「NEM(ネム)」は通貨名であり、通貨単位は「XEM(ゼム)」です。
ネムといえばコインチェックNEM流出事件(約580億円のNEMが盗難)で一躍有名になりましたが、2018年11月12日にコインチェックが完全復活し、イーサリアムやネムなど3通貨の取り扱いをはじめた直後に50%弱大暴騰しました。
コインチェックNEM流出の原因はコインチェックの管理体制の問題であり、NEMの問題ではなかったけれども、連日ニュースで流れたこともありNEM、仮想通貨全般に対して、あまり良くない印象を多くの方が受けたはずです。それにも関わらず、今回のコインチェックの復活とともにNEMは大暴騰しました。これはNEMへの期待感の表れなのでしょうか。
本記事ではそんなネムの特徴、将来性について説明します。
NEM(XEM/ネム)の最新価格・相場・チャート・評価
NEM(XEM/ネム)の特徴
特徴1:NEM(ネム)とは
NEMとは(New Economy Movement/新しい経済活動)の略称であり、国などの既存の経済システムに縛られない、新しい経済システムの構築を目標にした仮想通貨プロジェクトであることを意味しています。
現在はその略称ではなくNEMという固有名詞であるとされています。
特徴2:取引処理スピードが速い
ネムのブロック生成間隔(承認時間)は約1分ごとに行われるので、ビットコインのブロック生成間隔10分に比べると着金スピードがとても速いことがわかります。
取引できる件数については、ビットコインの場合、平均すると秒間7件の取引を処理することができます。日常的に使われるクレジットカード「VISA」の場合は平均5000件/秒なので、ビットコインがいかに遅いかがわかるかと思います。
ネムの場合は、プライベートチェーン「mijin」で平均3,000件/秒を処理できます。
今後、mijinに搭載されたカタパルトとネムに搭載されるカタパルトが連携することにより、金融機関に特化した仕様となる予定です。
特徴3:PoI(proof of Importance)の仕組み
PoWが抱える問題|処理速度、膨大な消費電力、一部の業者などに報酬が偏ってしまう
ビットコインが採用しているコンセンサスアルゴリズム「PoW」は膨大な数の暗号をコンピューターで処理することによって、取引記録をチェーン上に記録していきます。この膨大な暗号処理に時間がかかるために、処理時間も長くなってしまいます。
また、その暗号を解くのに莫大な電力を必要とする為、資金力の差が、マイニングの効率に影響してしまいます。実際に資金力を活かした業者が表れはじめたことで一部の業者などに報酬が偏ってしまうという問題が発生していました。
どうして報酬が偏ることが問題なのかというと、分散型台帳上で一部の人だけが取引処理を行うことになってしまうと、その一部の人が持つ影響力が大きくなり過ぎてしまい、そもそもの分散型だから不正が行われにくいというブロックチェーンの根本が揺らぎかねないからです。
ユーザーに評価を紐づけるPoIで、処理スピードUP、富の再分配、消費電力も抑えられて地球にも優しい
その問題に対応するために、NEMはPoI(Proof of Importance)というコンセンサスアルゴリズムを採用しています。
PoIでは、インポータンス(重要性)というPoIスコアをアカウントごとに関連付けられており、そのPoIスコアの高さによってハーベスト(ブロックの承認作業)の優先度が決まります。PoWのように暗号を解く処理スピードで優先度が決まるわけではないので、コンピューターへの負荷が少なく電力をあまり消費しません。
このPoIスコアの評価基準は3つあります。
- 1,000XEN以上を送金する取引
- 30日以内の取引
- ハーベスティングの権利をもつ他のアカウントから受け取る取引
以上の3点、つまりは30日以内に信頼できると評価されているユーザーと、1000XEM以上の取引を頻繁に行うとPoIスコアは高まるようになっています。
NEMネットワークを積極的に利用する人が、利益を得られる仕組みになっているので、富の再分配という点でPoWより優れたシステムといえます。
PoIの報酬の仕組み
ブロックチェーンなどの分散型台帳では、取引を処理した人(マイナー)に対して通貨を新規発行して報酬が支払われます。つまり、処理を実行するたびに通貨が新規発行されるので、売り圧がかかり、通貨の価値は相対的に下がる傾向にあります。
ネムの場合は、この売り圧がかからないようにネムが提供しているAPI利用時の手数料(ネームスペースや送金手数料)で報酬を支払うようになっています。
ハーベスティング(要はマイニングのこと)への参加方法
ネムのハーベスティングに参加するためには、公式のNANOWalletに、10,000XEM以上を保有しておく必要があります。
NANOWalletをインストール後、アカウントを作成し、10,000XEMを送金し、委任ハーベスティングを有効化します。
ハーベスティングが開始されるまでに、有効化してから1ヶ月ほどかかりますので注意しておいてください。
NEM(XEM/ネム)の詳細
発行上限枚数:8,999,999,999XEM
承認方法:PoI(Proof of Importance)
公開日:2015年3月31日
公式サイト:ネム公式サイト
ウォレット:NANOWallet
NEM(XEM/ネム)の評価
NEM(XEM/ネム)の将来性
通貨供給量の上限が決まっている為、価値は高まりやすい
XEMの供給量は上限が決まっています。市場に出回るXEMの量は一定なのに対して、欲しい人が今後さらに増えてくれば1XEMあたりの価値は上昇しやすくなります。また、取引処理に対する報酬も通貨の新規発行で支払うのではなく、NEMの提供するAPI利用手数料から支払われるので、取引処理のたびに売り圧がかかりません。
一方で、市場に出回る量が一定であるため、市場の動向次第で価格が大きく左右されてしまうというデメリットもあります。
参入障壁がとても低いプラットフォーム|素人でもトークン発行できます!
ネムは通貨としてだけではなく、イーサリアムのようなアプリ開発やトークンを発行したりできるプラットフォームとしても利用できます。
イーサリアムと比較して何が一番の魅力なのかというと、「素人でもトークンを発行できます。」という点です。
イーサリアムの場合は、Solidityと呼ばれるあまり一般的ではないプログラミング言語でアプリ開発などを行います。そのため、イーサリアムのブロックチェーン技術を理解しているエンジニアでないと、トークンを作成するのは難しいです。
それに対してネムの場合は、ネムが提供しているAPIを利用することで、特にコードを書けなくてもトークンを発行することができます。
一般的なJavaやC言語など一般的なプログラミング言語を使用できる通貨もありますが、それでもエンジニアを雇う余裕のある組織だけに限定されてしまいます。
ネムであれば小さな小売店でも導入することができるので、普及という観点からみると将来性は期待できそうです。
※Javaなど一般的なプログラミング言語が使用できる分散型プラットフォーム
おすすめ取引所
国内取引所
- コインチェック
- DMM Bitcoin
海外取引所
- Binance
- Poloniex