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DeFi

IRON Financeとは?:APR400%のステーブルコイン運用

IRON Financeは$IRONというステーブルコインを発行するプロジェクトです。

USDT/BUSDと独自のトークン(TITAN/STEEL)を一定の比率で担保にすることで、ステーブルコイン$IRON が発行されます。

ローンチから時間が経っていますが、IRONは価格をしっかりと維持しているように見受けられます。

特徴的なのがステーブルコインのペアにも関わらず高いAPRを出しているところです。IRON Financeにステーブルコイン(USDC/IRON)をファーミングすることで、500%越えという驚異的なAPRを見せています。

また先日Twitter上でIRON FinanceのTVLが10億ドルを突破したことも明らかになりました。

この記事では

  • IRON Financeのこれまでの流れ
  • IRON Financeの仕組み
  • IRON Financeの始め方(Zapper利用)

を解説していきます。

ぜひ最後までご覧ください。

IRON Financeの背景

2020年の夏はDeFiが大いに盛り上がった時期でした。今年に入っても NFTやDeFiは引き続き注目の的です。その中でDeFiの基盤として重要な役割を果たすのがステーブルコインです。

ステーブルコインには一般的に3つの種類があるとされています。

それが法定通貨担保型、仮想通貨担保型、アルゴリズム型(無担保型)です。

法定通貨担保型として有名なのはUSDTでしょうか。問題として政府の介入を受ける可能性があり、分散化されているとは言えないところがあります。

次に仮想通貨担保型で有名なのはDAIです。DAIは今でも重要な役割を果たしていますが、課題は担保を多めに必要とすることです。

例えば、ユーザーが100DAIを発行したい場合には、CDP契約にイーサリアムで150ドル相当が必要になります。

そこで注目を集めているのが、アルゴリズム型、つまりスマートコントラクトやアルゴリズムで価格を安定させるステーブルコインです。

今までいくつかのプロジェクトがアルゴリズム型のステーブルコインを発行してきましたが、ボラティリティに効率的に反応できず、多くのアルゴリズム型は1ドルから乖離しました。

これらの課題を解決するために、EthereumのFRAXに触発されて、部分担保型ステーブルコイン$IRONが開発されています。

IRON Finance:プロジェクトの歴史

IRON Financeはずっと順調にきたプロジェクトではなく、さまざまな困難を乗り越えてきました。

  • 2021年3月4日:BSC上でリリース
  • 2021年3月16日:
    ValueDeFiでエラーが発生し、$SIL(当時のトークン)に問題が起きたため、$SILに変わるトークンとして$STEELを発行。
    (2021年5月28日までに全ての$SILユーザーに保証)
  • 2021年5月8日:
    ValueDeFiがハッカーに襲われ、$STEELが盗まれる。それ以降はValueDeFiを使用せず、PancakeSwapへ。
  • 2021年5月18日:Polygonネットワークに拡大
  • 2021年6月12日:TVLが10億ドルを突破

ステーブルコイン$IRON の仕組みとは?

$IRONはアルゴリズム型ステーブルコインです。

  • BSCでは$BUSD+$STEEL
  • Polygonでは$USDC+$TITAN

を組み合わせて発行されます。

具体例)
IRONを発行する際には、USDC+TITANで1ドル相当になるようにします。そして、合成されたTITANはバーンされる仕組みです。

逆に償還(Redeem)するときは、IRONを1ドル相当のUSDC+TITANになります。

裁定取引で価格の安定性を保つ

ではIRONはどのように価値を安定させているのでしょうか?

端的にいうと、IRONが1ドルから乖離した場合に裁定取引の機会が生じて、価格が1ドルに戻るよう工夫されています。

IRON>1$の場合は、プロトコルを使って約1USドル相当の価値でIRON トークンを生成し、売却することがで利益を得られます。

一方で、IRON<1$の場合は公開市場でIRONトークンを購入し、約1米ドル相当のUSDC+TITANに交換することで利益を得られます。

IRON Financeの指標: TCRと ECR

この$IRONを発行する際のUSDCの比率をTarget Collateral Ratio (TCR)と言います。

例えば画像のTCRは74%なので、IRONを発行する際にUSDC(74%)+TITAN(26%)を合成することになります。

またEffective Collateral Ratio (ECR)というものもあり、こちらはプロジェクト全体の担保の割合です。

USDCの運用

また担保として保有されるUSDCはAAVEで運用されており、その利益の一部はTITANトークン単品のステーキング報酬としてユーザーにわたります。

こちらの昨日はPolygonでしか実装されておらず、まだBSC版にはない機能です。

詳しくはIRON Financeの資料もあわせてご覧ください。

https://docs.iron.finance/

IRON Financeの始め方

今回はZapperというDeFi一元管理ダッシュボードを利用して、IRON Financeでファーミングをしました。

【Zapper】DeFiの一元管理ダッシュボード、使い方やメリットを紹介DeFiに興味を持っていくつかのプロジェクトで資産を運用したものの、管理が大変。毎回報酬を確認するのに、1つ1つのプロジェクトを開かなく...

ZapperとはEthereum→BSC、Polygonへトークンをブリッジできる上に、Zapper上でSushiswapやUniswapに流動性供給することができます。

今回筆者の利用した流れとは下記の通りです。

  1. MetaMaskにETHを入れる
  2. MetaMaskにPolygonネットワークを追加
  3. MetaMaskをZapperにつなぐ
  4. Zapper上でETH(Ethereum)をMATIC(Ethereum)へ
  5. MATIC(ERC)を MATIC(Polygon)へブリッジ
  6. SushiSwapのUSDC/IRONに流動性供給
  7. USDC/IRONのLPトークンをIRON Financeにデポジット

1.MetaMaskにETHを入れる

MetaMaskにETHを入れるには国内取引所からMetaMaskのアドレスにETHを送金するだけです。送るときはアドレスを間違えないようにだけ注意してください。

2.MetaMaskにPolygonネットワークを追加

アプリの上部にあるネットワーク選択ボタンをクリックします。

「カスタムRPC」をクリックすると、MaticネットワークのカスタムRPCを設定する画面が表示されるので、Maticメインネットの詳細を入力してください。

  • Network Name: Matic Mainnet
  • New RPC URL: https://rpc-mainnet.maticvigil.com/
  • Chain ID: 137
  • Symbol: MATIC
  • Block Explorer URL: https://explorer.matic.network/

3.MetaMaskをZapperにつなぐ

Zapperの公式サイトに入り、MetaMaskを接続します。

・Connect Walletをクリック

・「MetaMask」を選択して、接続

・ダッシュボードに入ります

4.Zapper上でETH(Ethereum)をMATIC(Ethereum)へ

「Exchange」をクリックして、ETH(Ethereum)→MATIC(Ethereum)へ

5. MATIC(Ethereum)をMATIC(Polygon)へ

画面左側の「Bridge」をクリックして、MATICトークンをPolygonへ移行します。

6.MATIC(Polygon)をSushiSwapのUSDC/IRONに流動性供給

画面左の「Pool」をクリックすると SushiswapとQuickSwapに流動性供給できるページに入ります。

初めて利用する場合はApproveというトークンの承認作業が必要ですので、それをやってから流動性供給をしましょう。

今回はMATIC(Polygon)をUSDC/IRONペアでSushiSwapに流動性供給します。

Zapperは1回で流動性供給ができるので非常に便利です。

例えば1ETHをUSDC/IRONペアで流動性供給したい場合は、手動で

  • 0.5ETH→USDC
  • 0.5ETH→IRON

に交換してから、流動性供給する必要がありました。

それがワンクリックで済むのですから、便利だと思っています。

7.USDC/IRONのLPトークンをIRON Financeにデポジット

最後にIRON Financeに入り、 「Farm」でSushiSwapのUSDC/IRONを選択して、Depositすれば完了です。

お疲れ様でした。

現状では日利1%ほどなので、他のDeFiプロジェクトに比べてかなり高いと言えるでしょう。またステーブルコインペアなので比較的安全性も高いといえます。

しかしIRON Financeにはリスクもありますので、利用する際は各自の判断でお願いします。

※補足
BSCからMaticに資産を移したい場合は、現状いくつか選択肢があります。
筆者はBSC→ETH→MATICという経路を取りました。

具体的には

  • BSCのトークンを全てUSDC(BEP20)に
  • USDC(BEP20)をSafepalでUSDC(Ethereum)に
  • USDC(Ethereum)をZapperでUSDC(Polygon)に

という流れで資金移動しました。

IRON Finance詳細

公式サイト:https://iron.finance/
ドキュメント:https://docs.iron.finance/
Twitter:https://twitter.com/IronFinance