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JPYCがSushiとコラボレーション|DeFi二次流通市場の健全な発展を目指して

JPYC3

先週、ステーブルコインJPYCを発行するJPYC(株)がSushiswapと提携しました。このコラボレーションにより、JPYCアプリからSushiに直接アクセスしたり、Sushi(ETHとPolygon)でJPYCを取引することができるようになっています。またSushiチームは、DeFiプロダクトが含むリスク面でJPYC社に助言しながら、JPYCの健全な二次流通市場の形成を支援します。

今後ますますJPYCのDeFi市場でのプレゼンス拡大が期待されます。このタイミングでJPYCの機能や報酬プログラムについてチェックしましょう。

日本円ステーブルコインJPYC

JPYCは日本初のブロックチェーン技術(ERC20)を活用した日本円ステーブルコインです。イーサリアムのメインネットで動いており、1 JPYC = 1円の価値で物品の売買やVプリカギフトへの交換に利用可能です。またメタマスクなどのウォレットで日本円建てのコインとして二次流通市場(Uniswap等)で使ったり、Polygon Network上のゲームの課金に使うことができます。

JPYC(株)代表取締役の岡部典孝氏は、仮想通貨の利益を二次流通市場でJPYCに交換し、リアルで使える世界を目指していると述べています。ユースケースとしては、JPYCの公式サイトから、Amazon 等の EC サイトでの代理購入が可能。またVプリカギフトをコンビニで買うと6%の手数料がかかりますが、JPYCで申請すると手数料がゼロで取得できます。JPYCは譲渡にも適しているため、投げ銭、クラウドファンディングとしての利用も増えている様です。

JPYCは日本の規制に準拠するため、改正資金決済法の暗号資産ではなく、「自家型前払式支払手段(プリペイド)」として存在しています。そのためJPYCの担保資産を確保するために、財務局長への届出と発行保証金の供託が義務付けられています。岡部氏はJPYCの発行量と同額(100%)の日本円+1000万円を供託していると述べており、将来的には規制に沿った形でこうした資金の運用からの収益化も視野にある模様です。

仮想通貨ゲートウェイとしてのJPYC

JPYCは専用フォームからの申請→銀行送金により、ウォレットで直接受取ることができます。現金から仮想通貨ゲートウェイとして便利であり、一部のユーザー層に支持されている様です。

またPolygonやxDAIネットワーク上で直接発行できるため、仮想通貨取引所を経由するよりもトランザクションコストを軽減できる点で有益です。Polygon上のマーケットアプリではJPYCを使ってNFTを発行したり、決済することもできます。

DeFiレンディングとの組み合わせ
JPYC

JPYCのホワイトペーパーを見ると、USDCやUSDTなどのステーブルコインと同様のユースケースが想定されています。じっさいにUniswap V2, V3 ではJPYCのプールが設置されており、ETH や他のERC20と交換することが出来る他、JPYCの流動性供給から手数料収入を得ることもできます。

JPYC は ERC20 トークンなので、理論上、主要なDeFi で利用することも可能です。例えば、分散型貸出プラットフォームの Compound などを通じて、JPYC を貸し借りするような利用方法が想定されています。*現時点で JPYC は Compound で承認されていません。

岡部氏によると、仮想通貨ユーザーはビットコインを担保にDeFiアプリでETHを借り、二次流通市場でETH→JPYCにしてリアルで決済利用することもある様です。こうした使い道を増やすために、ふるさと納税などの提携先も追加する計画です。

JPYCのインセンティブプログラム

JPYCでは、エコシステムに貢献したユーザー向けにJCTを配布しています。JCTは「はずれのない宝くじPoolTogether」で利用できるチケットトークンです。発行上限は999,999,999枚に設定されており、2021/4/22時点に268,371.329枚配布されています。

JCTの獲得要件は、JPYC購入や物品購入、DEXでの流動性供給など、JPYCの利用に関係しており、前月の貢献度に応じて毎月上旬に配布しています。

別途、JPYCのインセンティブプログラムもあります。JPYCをUniswap等の分散型取引所に流動性提供することで、提供量と期間に応じてUSDC報酬を受取ることができます。

さらには、JPYCエコシステムに対してビジネス・開発・コミュニティ育成などあらゆる形で貢献したエンティティにJPYCを付与する報酬プログラムJPYC Grant も設置されています。

こうした報酬プログラムを土台に、JPYCの利用者ベースとデベロッパーの拡大が期待されます。Sushiswapとのコラボレーションと併せて、JPYCはプリペイド決済手段としてのステーブルコインの健全な流通市場を促進する取り組みの一環として分散型NPOであるGoodFiに参加しています。