仮想通貨Stratis(ストラティス/STRAT)は、金融サービスやその他法人のためのDApps開発プラットフォームです。企業レベルでの利用を意識しているので、ブロックチェーン上での開発が容易になるような仕組みを導入しているという特徴があります。
Stratisプラットフォーム上では広く一般的に使用されているプログラミング言語であるC#言語で開発することができるので、技術者不足に陥っているイーサリアムのような特殊なプログラミング言語(Solidity)とは異なる環境を提供し、開発者不足に陥るというリスクを低減させています。
マイクロソフトが提供している.NET framework(プログラムを動かすための環境)を使用しているので、マイクロソフトのOS利用者にとってはとても便利な環境が整っています。.NET frameworkのC#言語利用によって、参入障壁を下げているので、今後開発参入者が増えてくる可能性はありそうです。
またサイドチェーンを実装し、他の仮想通貨プラットフォームとの間にブロックチェーンネットワークを構築してカスタマイズできるようになっている点も注目すべきポイントです。
本記事では、そんなStratisの特徴について説明します。
Stratis(ストラティス/STRAT)の最新価格・相場・チャート・評価
Stratis(ストラティス/STRAT)の特徴
DApps開発が手軽にできる
プログラミング言語C#で開発可能
ブロックチェーンの構築に、多くのプログラマーが精通しているC#を利用しています。DApps開発が進んでいるプラットフォームであるイーサリアムの場合は、Solidityと呼ばれる言語でプログラミングするのですが、使用できるプログラマーが少ないことが問題となっています。国内の大学で開発者の育成にやっと力を入れ始めたばかりなので、ブロックチェーンを活用したアプリ開発、普及にはもう少し時間がかかるかもしれません。
その点、Stratisの場合はその問題をなじみのあるC#言語を使用することで多くの技術者が開発がしやすい環境へと変えています。
マイクロソフトと提携し、.NET frameworkを利用している。
Stratis(ストラティス)は、Lisk(リスク)と同様にマイクロソフトと提携しています。.NET frameworkを利用しているので、マイクロソフトが提供するOS上での開発がし易い環境を提供しています。
大手マイクロソフトと提携していることで、利用者の拡大を見込めることは大きな利点ですね。一方で、マイクロソフトの市場に依存しているため、その動向に影響を受けてしまいリスク分散できていない点だけは少し気になります。
ちなみにLisk(リスク)の場合は開発言語がjavascriptです。後述しますが、Lisk(リスク)にはサイドチェーンが実装されていますが、Stratis(ストラティス)にもサイドチェーンが実装されています。
サイドチェーン利用で、他の仮想通貨プラットフォームを利用できる
Stratis(ストラティス)はサイドチェーンを利用することで、他のプラットフォーム上のアプリと結びつけたアプリ開発・利用ができます。
StratisプラットフォームのサイドチェーンはPrivate Blockchainとも呼ばれ、ビットコインなどの他のブロックチェーンと互換性を持たせています。そのため、ビットコイン上で作成されたサービスをStratisに移植させることができるようになっています。
TumbleBit
ビットコインの取引は、透明性を保つために誰もが取引履歴を閲覧できるようになっています。しかし、機密性の高い情報については匿名性を持たせたいという需要があるので、MoneroやDASH、Zcashといった匿名通貨が存在しています。
しかし、取引ごとに通貨を変更するのは面倒だし管理が難しくなるので、できれば一つの通貨で済ませたいですよね。
そんな需要に答えるような仕組みがTumbleBitです。これはビットコインに匿名性を持たせて送金できるという仕組みです。取引の際にタンブラーという仲介者を介して、送金した複数のビットコイン情報を一旦プールし、タンブラーがその情報をごちゃ混ぜにしてから受け取り側にビットコインを送金することで、誰が誰に送ったのかがわからないようにしています。DASHの匿名化方法に似ていますね。
ただし、この仕組みを利用するには、Stratisが開発しているBreeze Walletを導入する必要があります。
BaaS(Blockchain as a Service/バース)
法人など誰もがPrivate Blockchainを利用して、独自のブロックチェーンネットワークを構築してDAppsを立ち上げることができるようにもなっています。要はBaaSですね。
BaaS(Blockchain as a Service/バース)とは、クラウド上でブロックチェーンを利用できるサービスを提供し、ブロックチェーンを簡単に使用できるようにするためのものです。このBaaSのおかげで、ゼロからシステムを構築していく必要がなくなり、アプリ開発に専念することができます。
Stratisの場合は、Microsoft Azureが開発しているものを利用しています。Microsoftの他に、AmazonのAWS Blockchain TemplateやIBMのIBM CloudなどのBaaSがあります。
Microsoft Azureマーケットプライスで利用可能なICOプラットフォーム
ICO参加者を地理的に選別できる
Stratis ICOプラットフォームはMicrosoft AzureのPaaS製品の利点を活用することができます。IPスタック機能を統合することで、ICOプラットフォームはIPOによってICO参加者の地理を識別し、VPNとTORの使用を制限するすっクリーニングリストを作成できるようになっています。各国の規制や法律上の理由から特定の地域からの参加者を制限することができるという利点があります。
- Stratis ICOプラットフォーム事例
Stratis Breeze Wallet
ICO期間中に集めた資金は、サーバーで保管される訳ではなくウォレット内で保管されます。つまりプライベートキー(秘密鍵)をICO発行者が各々管理するため、セキュリティ強化に繋がっていると言えます。※サーバー保管の場合、秘密鍵の管理をサーバーが一括管理しなければならず、複数のICO案件から生じた巨額の資金が一箇所に集まっているため、リスク分散の観点から見ると危険性が高くなり、サーバー運営側のハッキング対策の負担が大きくなってしまいます。
StratisプラットフォームはMicrosoft Azure マーケットプライスからインストールできます。→https://azuremarketplace.microsoft.com/en-us/marketplace/apps/stratis-group-ltd.stratis-ico-platform-windows
Breeze Wallet:https://github.com/stratisproject/Breeze/releases/latest
Stratis(ストラティス/STRAT)の詳細
発行上限枚数:9,800万STRAT
承認方法:PoS(X13)
ブロック生成間隔:約60秒
公開日:2016年8月9日
公式サイト:https://stratisplatform.com/
ブロックチェーンURL:https://chainz.cryptoid.info/strat/
Stratisの将来性
ロードマップ
2018.Q4
- Stratisフルノード
2018年12月12日発表済:Stratisフルノードにより、Stratisは完全なC#メインネットネットワークに移行することができるようになります。メインネット移行前の準備ですね。
- Stratis SideChainsリリース
12月27日発表済:Stratis SideChainsはStratisメインネットに展開可能で、企業はStratisメインチェーンから独自のカスタマイズ可能なサイドチェーンを利用することができます。
- C#を利用したスマートコントラクト
12月27日発表済:スマートコントラクトを開発言語C#で構築できるようになります。これによりStratisのサイドチェーンでC#でスマートコントラクトを展開させることがきるようになります。
- Stratis ICOプラットフォームV2
12月21日発表済:Stratis ICOプラットフォームにICO発行組織からのフィードバック機能など新しい機能が追加されます。
- Stratis Cold Staking
Stratis Cold Stakingを実装することで、Stratisをコールドウォレットで保管することができます。Stratisフルノードの採用が前提の技術となります。
- Stratis DLT(Distributed Ledger Technology/分散型台帳テクノロジー)
2018年12月19日DLT発表済:民間企業向けに、プライベート環境でブロックチェーン技術活用のためのC#言語によるDLTソリューションを開発
- Stratis Core(ストラティス・コア)ウォレット
2018年12月12日Stratis core発表済:Stratis Coreは既存のStratisX(QT)ウォレットに代わる新しいウォレットです。Stratisフルノードの実装によりさらにユーザーエクスペリエンス向上
- Breeze Wallet(ブリーズウォレット)
発表済、上述:Breezeウォレットに追加の機能をアップデートさせる予定です。
- Stratis Academy(ストラティス・アカデミー)
開発者や企業向けにStratisプラットフォームの利用方法やdAppの構築方法を学んでもらうためのコンテンツです。IUの改善を行う予定。
Stratis Academy:https://academy.stratisplatform.com/index.html
- Breeze Private Protocol for STRAT
ビットコイン向けのBreeze Private Protocolのリリース成功事例を踏まえて、STRAT向けに同じような機能(匿名化機能)を提供していく予定です。
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